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老母は、戦後の食料難の際に、薯や南瓜ばかりを作って食べた経験から、
庭に作物を育てることを嫌う。
そんな母も足腰が弱って庭に出られなくなった今、
目の届かないところに野菜を作るチャンス到来。
近所の農家の直売所で苗を売っていたので、
万願寺唐辛子を植えてみた。
数日後、ドクダミと戦争中にふと見ると、
万願寺唐辛子の茎に、みっっっちりと虫が付いている。
茶色い、カメムシだ。
割に細身で、腹の縁が白と黒の縞。
毎年見かける。
茎に付いて、じっと動かない。
汁を吸っているのだ。
以前、エンドウマメを作った時も、こいつがはびこった。
豆の蔓は旺盛になっていたから良かったものの、
唐辛子の苗はまだ小さい。
放っておいたら枯らされてしまう。
ためしに、木酢液をスプレーしてみた。
二日後見ると、一本の苗は萎れかけ、
葉が萎れてきたせいで、茎にたかる虫が遠目にもよく見えるようになっていた。
木酢液はダメだ。
蚊取り線香の空き缶に、台所洗剤をといた水を用意して、
割り箸でつまんでは放り込んだ。
オエエエエ。
なんとも言えないニオイがする。
嗅ぎ慣れたカメムシの、草いきれを煮詰めたようなニオイとは
まったく異なるニオイだ。
何かに似ているが、何だかわからない。
合成の香料のような、甘いニオイ。
吐きそうなニオイに耐えながら、割り箸でつまんでは液にポイつまんではポイ。
ニオイは次第に濃くなる。
地面に落ちたものは這って逃げてゆく。それもつまんでポイ。
日本人で良かった、と思う。
器用に、箸でつまんで駆除できる。
西洋人だったら、フォーク???なんて想像すると、吐き気が増す。
(トングがおすすめです。)
溺れ死んだカメムシは、翅を開いてしまっていた。
すると、翅に隠れていた背が見えた。
赤みの濃い橙色だ。
調べてみると、ホオズキカメムシという。
体色ではなく、ホオズキを好むことからの名前のようだ。
ほかにもトウガラシ,シシトウ,アサガオ,サツマイモ,ナス科の野菜などに
付くということだ。
なるほど、万願寺唐辛子じゃ好物だろう。
鮮やかな色を見せた溺死体は不愉快だ。
あんまり多いので、数えてみた。
96体あった。
※
翌々日見ると、唐辛子にカメムシは一匹も付いていなかった。
またどこかからやってくるだろうと思っていたが、
どうやらこの戦争は私が勝ったようだ。
庭に作物を育てることを嫌う。
そんな母も足腰が弱って庭に出られなくなった今、
目の届かないところに野菜を作るチャンス到来。
近所の農家の直売所で苗を売っていたので、
万願寺唐辛子を植えてみた。
数日後、ドクダミと戦争中にふと見ると、
万願寺唐辛子の茎に、みっっっちりと虫が付いている。
茶色い、カメムシだ。
割に細身で、腹の縁が白と黒の縞。
毎年見かける。
茎に付いて、じっと動かない。
汁を吸っているのだ。
以前、エンドウマメを作った時も、こいつがはびこった。
豆の蔓は旺盛になっていたから良かったものの、
唐辛子の苗はまだ小さい。
放っておいたら枯らされてしまう。
ためしに、木酢液をスプレーしてみた。
二日後見ると、一本の苗は萎れかけ、
葉が萎れてきたせいで、茎にたかる虫が遠目にもよく見えるようになっていた。
木酢液はダメだ。
蚊取り線香の空き缶に、台所洗剤をといた水を用意して、
割り箸でつまんでは放り込んだ。
オエエエエ。
なんとも言えないニオイがする。
嗅ぎ慣れたカメムシの、草いきれを煮詰めたようなニオイとは
まったく異なるニオイだ。
何かに似ているが、何だかわからない。
合成の香料のような、甘いニオイ。
吐きそうなニオイに耐えながら、割り箸でつまんでは液にポイつまんではポイ。
ニオイは次第に濃くなる。
地面に落ちたものは這って逃げてゆく。それもつまんでポイ。
日本人で良かった、と思う。
器用に、箸でつまんで駆除できる。
西洋人だったら、フォーク???なんて想像すると、吐き気が増す。
(トングがおすすめです。)
溺れ死んだカメムシは、翅を開いてしまっていた。
すると、翅に隠れていた背が見えた。
赤みの濃い橙色だ。
調べてみると、ホオズキカメムシという。
体色ではなく、ホオズキを好むことからの名前のようだ。
ほかにもトウガラシ,シシトウ,アサガオ,サツマイモ,ナス科の野菜などに
付くということだ。
なるほど、万願寺唐辛子じゃ好物だろう。
鮮やかな色を見せた溺死体は不愉快だ。
あんまり多いので、数えてみた。
96体あった。
※
翌々日見ると、唐辛子にカメムシは一匹も付いていなかった。
またどこかからやってくるだろうと思っていたが、
どうやらこの戦争は私が勝ったようだ。
おおおお~、この茎のアップ~
96体もやっつけましたか、
もちろんあなた様の勝であることは確かです。
恐れ入りました。
しかしくさかった!!!
敵とするに充分過ぎましたわ。