繰り返してしまう、というふうに見えるのが依存症の難しいところだ。
脱け出す、きっぱりやめる、ということはまず無理であり、
日一日を「今日もやめていられました。」と過ごすことが
肝要なのだ、と、田代氏も活動の中で何度も説明してきた。
断つことができるのではないか、と思うのは
経験していない者の想像に過ぎない。
意志をしっかり持っていればそれでも避けられるんじゃないか、
と思うのも、体験していない者の高慢なご意見だ。
だから一度踏み外すとダメなんだ、
たった一度のことが人生を狂わすのだ、
といった言い方も、
痛み苦しみ葛藤を知らない人の幼稚な言い方に思える。
※
外国がどうであるか、異文化での捉え方がどうであるか、
私は詳しく知らないので、
これを「日本人の傾向」と言いきれないが、
どうも日本人の傾向と思えてならない。
何かが有ると、
「危険 立ち入り禁止」
と注意書きをする。
英語だと、
「enter at your own risk」
危険だということを知らせてはいるが、
決して「don't enter」とは言わない。
言語の違いと言えるかもしれないが、
まさに言葉の表現の違いは、考え方の違いがあらわれているとも言える。
日本は、体験して危険を知るのではなく、
危険は経験しないように事前に避ける。
しかも、自分の危険ばかりでなく、他人の身に起きる危険まで、
立ち入りを禁止してまで回避しようとする。
たいへんお節介かつ過保護な文化ではないか。
※
その一例が、「薬物、ダメ!絶対」といった文言だと思う。
「たった一回が全てを狂わす」とか
「その一歩が地獄への入り口」とか
こういった文言は、「始めてしまわないように」と
止めるための言葉のつもりだというのは理解できる。
しかし、これからやめよう、回復しよう、
これからの人生を作っていこうとしている人が
こういった言葉に触れると、
「おまえはもう終わっている」と切り捨てる意味になってしまう。
また、当事者以外の人の、薬物に対する捉え方にも影響する。
「そうか、一回やるとやめられないものか。」
「やっぱり抜けられないものなんだな。」
「あいつ地獄か。」といったレッテル貼りになってしまう。
宣伝の目的は薬物依存や被害を減らすためだっただろうけれど、
残念ながら、偏見を強め、希望を奪う結果となってしまう。
※
ただ、そこは言葉の表現として英語を直訳してはいけない。
「危険は自分で責任取ってやれ」
と日本語で言うと、まったくニュアンスが違ってしまう。
※
経験してみたほうがよく理解できる。
というのは、何事もそうかとも思える。
ただ、経験を乗り越えるには力が必要だ。
気力、体力、いつくしみの経験、周囲の支えといったもの。
それが不足している時は、心や体に傷が残りかねない。
やめといたほうがいい、という言い方を私もしがちだ。
自分自身に対しても、大きい困難は回避しておこうと考えがちだ。
ぬるい。
脱け出す、きっぱりやめる、ということはまず無理であり、
日一日を「今日もやめていられました。」と過ごすことが
肝要なのだ、と、田代氏も活動の中で何度も説明してきた。
断つことができるのではないか、と思うのは
経験していない者の想像に過ぎない。
意志をしっかり持っていればそれでも避けられるんじゃないか、
と思うのも、体験していない者の高慢なご意見だ。
だから一度踏み外すとダメなんだ、
たった一度のことが人生を狂わすのだ、
といった言い方も、
痛み苦しみ葛藤を知らない人の幼稚な言い方に思える。
※
外国がどうであるか、異文化での捉え方がどうであるか、
私は詳しく知らないので、
これを「日本人の傾向」と言いきれないが、
どうも日本人の傾向と思えてならない。
何かが有ると、
「危険 立ち入り禁止」
と注意書きをする。
英語だと、
「enter at your own risk」
危険だということを知らせてはいるが、
決して「don't enter」とは言わない。
言語の違いと言えるかもしれないが、
まさに言葉の表現の違いは、考え方の違いがあらわれているとも言える。
日本は、体験して危険を知るのではなく、
危険は経験しないように事前に避ける。
しかも、自分の危険ばかりでなく、他人の身に起きる危険まで、
立ち入りを禁止してまで回避しようとする。
たいへんお節介かつ過保護な文化ではないか。
※
その一例が、「薬物、ダメ!絶対」といった文言だと思う。
「たった一回が全てを狂わす」とか
「その一歩が地獄への入り口」とか
こういった文言は、「始めてしまわないように」と
止めるための言葉のつもりだというのは理解できる。
しかし、これからやめよう、回復しよう、
これからの人生を作っていこうとしている人が
こういった言葉に触れると、
「おまえはもう終わっている」と切り捨てる意味になってしまう。
また、当事者以外の人の、薬物に対する捉え方にも影響する。
「そうか、一回やるとやめられないものか。」
「やっぱり抜けられないものなんだな。」
「あいつ地獄か。」といったレッテル貼りになってしまう。
宣伝の目的は薬物依存や被害を減らすためだっただろうけれど、
残念ながら、偏見を強め、希望を奪う結果となってしまう。
※
ただ、そこは言葉の表現として英語を直訳してはいけない。
「危険は自分で責任取ってやれ」
と日本語で言うと、まったくニュアンスが違ってしまう。
※
経験してみたほうがよく理解できる。
というのは、何事もそうかとも思える。
ただ、経験を乗り越えるには力が必要だ。
気力、体力、いつくしみの経験、周囲の支えといったもの。
それが不足している時は、心や体に傷が残りかねない。
やめといたほうがいい、という言い方を私もしがちだ。
自分自身に対しても、大きい困難は回避しておこうと考えがちだ。
ぬるい。
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