犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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養老の滴

2019年06月16日 | 犬と暮らす
[あらすじ] 飼い犬ジーロくん去勢オス13歳10ヶ月、
慢性腎不全との診断で、食餌療法と、毎日の点滴をすること一ヶ月、
数値が改善してきた。希望が有る。


毎日、近所に住む幼なじみMが来てくれる。
幼なじみたちには仔犬の頃から世話になっているので、飼い主同様に懐いている。
呼べばその手元に歩み寄る。

とは言え。
毎日々々押さえて点滴するために来る、と分かってくると、
寄って来なくなる。

無理やり捕まえて引き寄せて押さえ込んだりしては、いけない。
一度「点滴イヤ!Mはイヤなことする!親分もひどいよ!」
という気持ちにさせてしまったら、毎日の点滴ができなくなってしまう。
治療の主軸を失うわけにはいかない。

だから、なるべく抵抗なく、ちやほやちやほやと、
犬自身が寄って来るのを待つ。
警戒が強く、時間がかかる日も有る。
そうでもない日も有る。



犬の首肩周りの皮というのは、余っている。
かなり余っている。

喧嘩になると、首元を咬む。
咬み付いたまま、頭をぶんぶん振るのが、犬の攻撃だ。

その時、首の皮がたるんでいると、攻撃が吸収される。
たるんだ首の皮は、犬の最大の防具なのだと思う。

闘犬などを見ると、首の皮がたぶたぶにたるんでいる。
生まれながらにして、けっこうな防具を持っているわけだ。

ちなみに。3年前に先に死んでしまった飼い犬ジーロくんのメスのきょうだい、
カバサという名の犬は、喧嘩腰の犬だった。
そして、とても首の皮が余っていた。
首輪の上にかぶさるような首の皮を持っていた。
生来の喧嘩強さを現わしているのだと思う。



肩甲骨の間の皮を引っ張り上げて、張った皮のところに注射針を刺す。
薄い皮を貫く「ぷつ」という感覚がかすかに有って、針先は皮下に入る。
そして、輸液を注入していく。



犬散歩友達や、朝よく遇う幼なじみの母Kが言う。
「調子良さそう。」
「足取りが軽いね。」

体調が良いと、表情も良いし、機嫌も良いし、
他の犬との挨拶も良くなる。

組んづ解れつのじゃれ合いとか、ボールの取り合いとか、吠えて牽制し合うとかいった、
若くて元気な犬の荒っぽい遊びには、ジーロ君子は近付かない。
正直ちょっと怖いのだ。

そういう怖さも、体調が悪い時ほど感じずに済むのかもしれない。



毎日、点滴の間ずっと犬を押さえてくれているMが言う。
「点滴を始めた頃より、皮膚がやわらかくなった。
つかみ心地が変わった。」
ほほう。

「脱水してた頃はもっと固く張ってた感じがする。」
なるほど。
お肌のコンディションに保水って大切なわけね。
深酒して寝たりしちゃしわくちゃになるわけだわ。

というわけで、ジーロくんもうすぐ14歳だが、
若返っている。

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