犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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シャベルがすこっぷーー!!!

2021年06月05日 | 国語真偽会
子どもの頃、大きいのがスコップ、小さいのがシャベルと教わった。
我が家の言葉では、腰上の長さが有って、足で踏んでグイと掘り込むのがスコップ、
手で持って小さく掘ったり植木鉢に土を入れるのに使う
別名移植ごてとも言うのがシャベルであった。

すっかりそれで育ったものだから、
他の人が逆を言うと、
「あれ?これはシャベルじゃないの?」
などといちいち聞いていた。



いちいちがいちいち過ぎることに、やっと気付いた。
私と同じ使い分けの人をしている人のほうが、少ない。
というか、
どうやら、いない?
大きいほうをスコップ、小さいほうをシャベルと使い分けている人は、
もしかするといない。

会話の中では、どちらかの語でどちらかを指しているような状況しか
まず無い。
大きいのと小さいのが並んで置いてあって、
「スコップかして」と言う、
などというケースは、なかなか無い。



先日、友人Y宅の庭仕事を手伝った。
植木を地に降ろそうとして、
「スコップかして」と言ったら、
友人が小さなスコップを持ってきてくれた。
おいおい。
植木を下ろす穴を掘るんだから、小ぃこいのじゃ間に合わんよ。
と思ったが、次の刹那、思った。

このようにかみ合わないことが今までの人生に数多有ったじゃあないの。
嗚呼、私が間違っていたのか。そうなのか。

作業の手を休めて木陰に入り、
落ち着いてスマホを取り出した。
「スコップ シャベル」と入力すると、
「スコップ シャベル 違い」と予測変換された。
私の他にも迷える子羊は少なくないのであろう。
友よ、あなたはどっちをどう呼んでいるのか。

そして父よ、母よ。
私は「親の言うことはまず信じてはダメ」と思うようになり果てているが、
ここにおいてもまた、か。

―JIS規格では、砂などをすくう部分の上部に足がかけられないものを「スコップ」、
足がかけられるものを「シャベル」と定義している。

その他、動力の付いたものは「シャベル」と呼ぶ、といったことが有るようだ。
たしかに、「ショベルカー」って言うしな。

他に、
関東は大きいのを「スコップ」、小さいのを「シャベル」、
関西は大きいのを「シャベル」、小さいのを「スコップ」と呼ぶ、
ということも言われている。

我が家は関東在住であるが、
私の言葉は周囲と食い違っているので、
どうもこの説はさほど通用しないような気がする。



大阪のバンド、モダンチョキチョキズのメンバーに、
ダジャレ担当のフィリップ君という人がいた。

「ただいまかけるただいまかけるただいま。
ただいまさんじょう、フィリップくんでーーーす!!!」

「僕この間、穴を掘ってたのね。
ザック、ザック、
『おーい、フィリップくーん』
わーっ!スコップがしゃべるーー!!!」



ザックザックと穴を掘るのは、
小さいほうじゃなくて大きいほうっぽくないか。

どうなんだ。
本当に地域差が有るのだろうか?
歴史的な変化も有るのだろうか?
大きいほうがシャベル前線が北上している、とか??



そんなことを考えながら、
自宅玄関わきの金木犀の根っこを掘り出す。
こいつを切るのはなかなかたいへんだ。

写真は「スコップ」(俺語)(JIS的シャベル)。

つづく

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