犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

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富士見登山部 二ツ塚下塚篇

2018年06月05日 | 流民の窓
[あらすじ] 富士山に一度は登りたいという思いを抱きつつも登らずに、
富士山の周りの山に登っている。
毎年一度は富士宮市在住の友人Tと一緒に登る。


富士山を一周すると分かるけれど、見る方向によって、形が微妙に異なる。
私のような東京者は、富士山と言うと向かい合った斜めの線を平らな線で結んだ、
ただのプリンのような絵を描く。

ところが富士宮の人は、真ん中が一番高い三つの峰を描く。
この形じゃなきゃ富士山じゃない。とまで言う。

東西から見ている人なら、きっとただの斜面ではなく、途中にぽこっと出っ張りを描くだろう。
ぽこっと出ているのは、小さな火口の跡だ。
ぽこっの最大の物は、南面の宝永山だ。

その宝永山のさらに南つまりさらに下に、二ツ塚別名双子塚は有る。
よく見りゃ、こういった小さな噴火の跡は、そこいらじゅうにぽこぽこと在る。
多くは塚という名が付けられている。
塚というのはそもそも、人が土を盛って作った物だ。
つまり、人が盛った土くらいの大きさのぽっこりだから、そんな名前が付く。

とは言え、塚の中でも二ツ塚は大きい。
上塚は塚の中でも一番高い位置にあるだろうか。

車二台での山行きは、楽しい。
登り口と降り口を、別の場所にできるからだ。
車一台で行ったら、当たり前だが、車を停めた場所に必ず戻って来なければならない。
二台なら、こっちからあっちへ行きっぱなしのルートを設定できる。
戻るルートだと、山のある一面しか見られないが、
行きっぱなしルートを行けば、山の反対側に出ることも可能だ。

私たちは朝、水ヶ塚駐車場で落ち合い、一台を須山御胎内入口に置き、
もう一台で御殿場口新五合目に向かった。
天気は上々である。

水ヶ塚から見えていたのと逆に、右から
富士、宝永山、上塚、下塚と並んで見える。

今日は一番低い、下塚のピークに行くだけだ。
登山と言うより、ほぼ下山みたいなルートだ。楽ちん。

下塚に登ると言っても、スタートは御殿場口五合目だし、
ここはもう富士山のフトコロだ。
足元も火山礫がジャリジャリとしている。
眼前に富士山と宝永山の威容が迫り、富士登山気分である。
木も無いので、スカーッと全容が見える。
御殿場ルートを登る人が点々と見える。
降って来る一団も見える。
数人の人の後ろに、砂煙が舞い上がっているのが見える。

これは面白い。
こういう面白さがつらさに勝って、富士山なんかも登れちゃうのかもしれない。
富士の東の御殿場側から午前中に登るということなので、
背面が太陽の光にさらされる。
風が適度にあり、ひんやりとして気持ちいい。なんじゃこりゃ、サイコー。

留守番できない犬を連れての山行きだ。
こんな足元で、犬にとって難しいかもしれないと思ったが、やはり歩きやすくはないようだ。
それでも、人の数メートル前を行く。
楽しいのか。そういう性分なのだろう。
砂利に手で触ってみたが、熱くはない。

礫の上に、ぽこぽこと草地がある。
溶岩色の上に、黄緑のドット。
Tちゃんが「草間彌生みたい。」と言う。ほんとだ。

下塚に登ると、上塚のてっぺんが丸く窪んでいるのが見える。火口の跡だろうか。
そして、宝永山、富士山、と並んで見える。
ゆっくりゆっくり歩いても、ここまで90分。
ここからはほとんど降り。
楽ちんコース。

四辻から降り、樹林帯に入ると、
「もうただの山だね。」

須山御胎内は、平成27年の大雨で一部が崩れ、復旧しきれていないため、
一番深い部分は立ち入り禁止になっていた。残念。
私は10年あまり前に来ているので、奥の神様も見ている。
この溶岩樹形は、全長数十メートルつながっていたそうで、
今も、立ち入り禁止になっていない、くぐれる部分がちょこっと残っている。
ま、楽しい。

須山たる者、須山口登山コースをぜひ辿ってみたいと思っている。
ちょとづつね。

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