[あらすじ] DYKEの大工、す~さんです。と言いたいので、
営業自粛期間中に改装するのでDIYできる方お願いというツイートを見て、
新宿二丁目の女性専用バー、鉄板女酒場どろぶねに協力することになったよ。
黒いカウンターの上に新しい天板を貼ってマホガニー色のニスで仕上げ、
ワイン箱を低く切って板を載せて棚を作ったよ。
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/02b2c7b75ea11707437969cbe15099b4
メニュー立てが欲しい、とオーナーSさんが言う。
今まではそこいらに適当に置いていたそうだ。
ワイン箱の棚の、お客さんに底が向いている面の板に、
タオル掛けみたいな棒を付ければいいんじゃないか。
そんくらいの部品なら、百円均一ショップでも有りそう。
と思ったら、もう一人の協力者Mさんが探して買って来てくれた。
しかし、サイズが合わない。残念。
私もホームセンターをハシゴして探し回った。
こういう時は、用途の違う部品が使えたりするものだと思って
いろんなコーナーを回ってみた。
パンチングボードに掛ける様々な形状のフックを売っていた。
その中に、良さげな棒の部品が有った。
パンチングボードの穴に差し込んで引っ掛けるだけで使える。便利だ。
ただ、ボードの厚さは4㎜。
ワイン箱の板の厚さは6-7㎜ある。はまらない。
ちょうどいいサイズの商品を探すより、
自作したほうが早そうなのは、よく分かった。
ではこういうふうに作れば良いか、とも考えたが、
曲げる箇所が多い。
大きく曲げるのはたやすいが、細かくちょこちょこ曲げるのは
きれいに仕上げるのは難しそうだ。
※
加工のしやすさと、店の物の色合いから考えて、
真鍮にすることにした。
棒を曲げて引っ掛けるのは、曲げる工程が多くなりそうだし、
メニューブックを出し入れする際にガタついて、
ガタついた末に外れてしまいそうだ。
もっときっちり固定できたほうが良いだろう。
ワイン箱の棚よりもメニューブックのほうが背が高い。
メニューブックを横向きに立てねばならないので、けっこうな幅が必要だ。
頑丈にできていないと、メニューブックの出し入れに負けてしまいかねない。
丸棒は径4㎜のものを使おう。
メニューブックのサイズよりちょっと余裕を持たせて作り、
取り付けはネジでがっちり留めよう。
※
ナットを探す。
真鍮のナットは店頭に見当たらない。
インターネット上のショップには有るけれど、高価でアホらしい。
ホームセンターで、黒のナットを見つけた。
黄銅の棒を黒のナットで白木に留めてあったら、スタイリッシュではないか。
胸の内でほくそ笑む。
※
真鍮の丸棒を、ディスクグラインダーでカットする。
金床にあいている穴を利用して、90°に曲げる。
曲げた角のところを端材の小さい板で挟み、
クランプでがっちり固定する。
そのクランプを台にまたクランプで固定する。
棒は垂直に立っている状態。
バイスが欲しいよぉ。
ダイスが噛みやすいように、棒の先端をやすりで斜めに削る。
M4のダイスをハンドルにセットして、棒の上に水平にかぶせる。
ハンマーオイルを1滴垂らす。
4分の3回転させて、4分の1戻す。
手を持ち替えて、4分の3回転させて、4分の1戻す。
の繰り返し。
270°回して90°戻すので、一回ごとに180°づつ回る。
メニュー立ては3ヶ所付けたいということなので、
棒の両端で計6つのネジ山を切った。
※
切ったネジ山に、買ってあった黒のナットを入れてみる。
あれ?固い。
あっ。
ピッチを間違えて作っちゃった。
ネジ山の間隔には何種類か有る。
その中で、0.7のダイスを使ったが、
買ってきたナットの袋を見直したら、0.75だった。
レジで支払った後、お店のテープを貼ってくれたのがかぶっていて
よく見えていなかった。
まあ、スパナを使えば回る。使っちゃえ。
緩みにくくていいだろう。(締めにくいけど。)
※
真鍮は錆びる。
黒ずんで緑青が浮いてくる。
私はトロンボーン吹きである。
ブラスとは、真鍮という意味だ。
金管楽器は真鍮で作ってあって、錆びないようにラッカーがかけてある。
ラッカー仕上げをしていない楽器はメンテナンスがたいへんだ。
食事の場だし、お客さんも触れるだろうから、すぐ錆びてしまうだろう。
なので、錆びないように、ラッカーをかけたい。
ちょうど、友人Fの家でクリアラッカーを貰うことができた。クリアラッキー
https://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/a82007893b7a7c11d936694ef9b4d57a
ピカールで磨いてから、ラッカーをスプレーした。
ピカピカにできた。
※
取り付けて、メニューブックを立ててみた。
取り出しやすいしスッキリ片付く。けっこうなこっちゃ。
完成の写真を撮るのを忘れた。
※
あとはレジ周りだけか。
と思った頃、店を入ってすぐの場所でオーナーSさんが言う。
「ここに立ち飲みコーナーを作りたいんですよね。
けっこうここでお客さんが溜まることも有って。
木箱を組んでできないですかね。」
木箱だとあんまり格好つかないんじゃない?
急場しのぎっていうなら分かるけど。
ここに合うくらいのテーブルなり低い棚なりを買ったら良いのでは?
「いろいろ探したんですけど、ここの寸法に合うのが無くって。」
そうなると、作るしかないですなあ。
つづく
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