早起き極まりて（犬）

[あらすじ] お彼岸を過ぎた頃から、飼い犬ウーゴくんの起床時刻が
日に日に早まってきた。
４時半だったのが３時半、３時、２時過ぎとエスカレートした。

このペースでどんどん早まったら、寝る前に起きなきゃならなくなるわ。
と、落語のような感想を抱きおののく。

陰極まれば陽に転ず。陽極まれば陰に転ず。
どうやらさすがに午前２時で極まったようだ。

今朝、犬が起きてプルプルプルッと全身を揺らし、ついで
「フス、フス、」
と鼻を鳴らす。

目を開いてみると、
空が微かに明るい。
おお。夜が明ける。

感動である。夜が明ける。
夜が明けるくらいの時刻まで、寝ていてくれたのだ。
私も夜のまとまった時間を通して眠れたので、
すっきりと目覚めることができる。

※

準備を整えて外に出ると、薄明るい。
日の出直前のこの時間が私はやっぱり好きだ。

鳥が鳴いている。
一日が始まる、景気のいい雰囲気が辺りに満ちている。
これこれ。朝の散歩はこうでなくっちゃ。

少し歩いたところで、
深大寺の鐘の音が聞こえてくる。
５時だ。

深大寺周辺に行くと、やかましいくらいに四方八方で鳥がさえずっている。
同時に、遠くからは車の走行音が常に低く聞こえている。
中央高速道路が近いからだ。
これさえ無ければ最高なのだが。
舗装と防音壁が進化してくれないものかな。

※

とにかく、
夜盗のような時間に出歩く毎日にはならずに済みそうだ。

明朝もゆっくり寝てくれよ。