犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
犬のこと、人の心身のこと、音楽や自作のいろいろなものについて

温泉感覚

2019年10月27日 | からだ
鍼灸師のはしっくれである。

何か身体に問題が出ている人に、
その問題が引っ込みますように、と
身体に直接あるいは間接的に触れる簡単なお仕事です。



本題と関係無いが、
鍼灸で「治療する」と言うことは、法律的に間違っている。
どんなに治しても、「治療する」と言うと法に触れる。

だから、「施術する」なんて言い方をする。
術を施す、と言っているのであって、
そこに結果がどうなるかということは意味として含まれていない。

あくまでこれは法律的な話であって、
鍼灸で治るという結果が出せないという意味ではない。



なんでそんな前置きを書くかと言うと、
「治療する際に心がけているのは」と書き出そうと思って、手が止まったからである。
鍼灸師のプライドがこんなつまらんことでちょっと打たれる。



施術する際に、心がけていることが有る。
鍼をする点を見つける時のことだ。

身体に出ている問題が改善する、つまり
患者さんが快適になる、
そうできる点を取れると、
施術者の側にも心地良さが有る。

ここんとこ、ものすごく大雑把に言葉にしています。
ただ、こういう感覚を感じたり、目指したりすることは、
患者本人、言いかえれば問題を抱えている人、
もっと簡単に言えば、私たちみんなに有効だと思うから、
書いている。

その心地良さは、たとえて言えば、
「温泉につかったような気分」とでも言うような気分だ。

お湯につかって、体に浮力がかかって軽く感じるような、
全身がくまなく温かいような、
リラーックスできるような、
つまり脱力できるような、
そんなような。



久々に温泉に入った。
正確に言えば鉱泉らしい。

東京都区内の温泉を知ったのは、恥ずかしながら近年のことだ。
ああもっと早く知っていれば。

地元深大寺にも、温泉が有る。
25年くらい前に掘り出された。
当初は男女隔日で入湯料500円だったが、
もたくそしているうちに改装して1500円になってしまった。チェッ

今日は近隣の区内の銭湯だ。
東京でおなじみの、黒い湯である。

隣の浴槽のおばちゃんが、
「腕が後ろに回せなくなっちゃったんだけど、
3日通ったらこんなに動かせるようになったの」
なんて、同じ浴槽のおねえちゃんに話している。



あがって、落ち着いてみると、
たいへん心地よくなっている。

さっきまでは、体のどこかとどこかとどこかが緊張していたが、
それがほぐれた。
その結果、なんとも言えない全体感が有る。
からだ全体が、均質になったような感覚だ。



この感覚が、「施術」の際に見つけている感覚と
共通していると思う。

違和感の無い状態。
ふんわりと全体が包まれているような感覚。



こういう感覚を、日常の活動の中で感じ取ることができたら、
それは、身体の幸福だろう。
私は温泉だったが、人によってもっと違う状況で
全体感を感じるものなのかもしれない。



温泉はいい。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 王義之に捧げるの鵞鳥 | トップ | 下も上も »

コメントを投稿

からだ」カテゴリの最新記事