犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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庭木 鎮守の庭

2016年06月22日 | うつろい
[あらすじ] センダンが伸びる、ネムノキが花咲く、ハナミズキが老いる、
ハゼが殖える、ヤナギが太る。庭木は強い。

敷地の角に、チャンチンが2本ある。
亡父はこの木の枝を落とし、やたらとまっすぐ高く伸ばした。
7~8mはあるだろうか。
しかし高くなってしまうと、上の方の枝は切れない。
おかげで、高く伸びて上だけ枝の出た、不格好な木になってしまった。

いや、不格好というだけなら良いのだが、これは不安定だ。
案の定、数年前に暴風で一本傾いた。
幸い、自宅の方に傾いたから良かった。
切り倒した時に、梢が家の屋根に掛かったので、
屋根と言わずとも雨どいくらいは壊れてしまうのではないかとヒヤヒヤした。

さらに、お隣から、他の木も切ったほうが良いのではないか、と言われ、
植木屋さんの携帯電話の番号まで教えてくれた。
こまったものだ。

そのお隣との間は、サンゴジュを並べて植えてある。
常緑樹なので、目隠しになる。
以前は防火になると言ってよく生垣に使われた木だ。

隣家の2階にも目隠しにするために、早く高く伸ばしたかったのか、
これまた亡父は枝を徹底的に落とした。
おかげで高い生垣ではあるが、厚みが無い。

カキの木は毎年実を結ぶ。
ほとんどは鳥に食われてしまう。
初霜が降りてから採ると甘くてうまい、と言うけれど、
それまで待っていると、無くなる。

今年実を付けた枝に、来年は実は付かない。
だから、柿は枝ごと取るのだ。
そのおかげで、柿の木は伸び過ぎずに済む。

ハゼとカキの陰になっているせいか、
サルスベリはなかなか育たない。
私はサルスベリの花はなんだか涼しくないのであまり好きではない。
けれど、サルスベリの魅力はなんたって肌だろう。
幹がもう少し太らなければ、はやしている面白みが無い。

玄関のわきに桃の木があり、春に真っ白な花を咲かしてたいそうきれいだ。
その実を鳥が運んだものか、庭のひとすみにも桃が生えてきた。
すくすく伸びて、3年目には花を付け、
4年目には鬱蒼と繁った。
既に手に余る勢いだ。

横にはムクゲが植わっている。
近所の都営住宅が取り壊しになる、寸前にその敷地から掘って抜いて
早い話がくすねて来たのだ。
淡い淡いピンクの花を咲かす。

切っても切っても、一年でワッサワサ伸びる。
かなりバッサリ切っても、翌年には旺盛に伸びる。
自分の重さでたわんで広がる。
広がった先はお隣だ。

実はムクゲはもう一本ある。
サンゴジュとハゼとハナミズキの下になって、ひっそりと存在している。
花は咲くが、多くて3つくらいだ。
まったくの日陰者だ。

ムクゲはじゃんじゃん殖える。
勢いの良い方のムクゲの周りに、毎年小さなムクゲが生えてくる。
放っておくとムクゲの森になってしまう。おそろしい。

韓国ではムクゲはめでたい木なのだそうだ。
きっと、この樹勢の良さから、家の繁栄を連想するのだろう。

つづく

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