東呉大飯店(台北市) 民國94年7月16日撮影
Dong Wu Hotel, Taipei, Taiwan, Saturday, 16th July 2005
桃園発15時11分。これまで快調に走ってきた自強號だったが、駅でもないところで停車してしまう。ドア上にあるLEDの表示板には列車から降りないよう案内されている。この自強號の乗降口の扉は知らないが、昨日乗った莒光號(キョ光號、草冠に呂)の扉は手動で、走行中も開放したまま走っていた。家の近くに止まったら降りてしまうのだろうか。手動扉なんて昭和50年代の岩徳線以来乗っていないので懐かしい。徐行で走り始めたが、停車と徐行を繰り返し、なかなか進まない。台湾の街をゆっくり眺めるのには具合がよいが、少々じれったい。やがて元の速度で走り始めたようだが、定刻より随分遅れてしまった模様。大漢渓を渡り、地下区間となり板橋着。大勢乗り込んでくる。定刻の15時32分はとっくに過ぎて発車。そしてダイヤどおりに走れば台北へは15時40分の到着だったが、16時を過ぎてようやく到着した。思いがけずに5時間を超える乗車となったが、この自強號(1016次)の終点は東海岸の花蓮で18時28分到着となっている。台北で下車する客も多いが、乗車する客も多い。まだ3時間弱の旅を続ける自強號を見送り、地下の月台から改札階へと上がっていった。
切符を乗車記念にもらいたいとも思ったが、何と言えばいいのか解からず、そのまま改札氏に渡した。日本であれば無効の印を押してもらえば良い。「乗車記念 使用済」なんて印を用意している会社もある。さて、台鐡からMRTに乗り換えなければならない。構内を右往左往するが、なかなか見つけられない。ようやく案内を発見する。MRTで捜すから見つけにくいのであって、漢字の捷運を捜せば早く見つける事が出来たであろう。台北大衆捷運(捷運)は台北市とその近郊に路線を持っている。運賃は初乗り20元からとすこぶる安い。さっそく今夜の宿の最寄駅までの切符を買う。台北車站-民権西路(20元)。切符を自動改札機に投入し、バーを押して通り、出てきた切符を受け取る。ここは扉が自動的に開く日本式の方が好きですな。月台に降りると、日本の地下鉄のホームさながらである。やって来た車両も同様。連結部にも人を乗せるのは広電を思わせる。LED表示はありがたい。漢字の国は本当に良い。以前乗ったソウルの地下鉄では英語とハングル表示でさっぱり解からなかった。表意文字というのは素晴らしい。
難なく民権西路で下車する。駅はきれいで街にも活気がある。それにしても外は熱い。高雄で列車に乗ってから、ずっと冷房の効いているところにいたので、余計に暑く感じる。駅前のパン屋からは良い匂いがしてくる。何も中華を食べる必要もないが、大して中華らしいものを今日まで食べていない。道端には露天が出ている。本当に活気のある街だ。高雄も活気があったし、台湾中がそうなのか。一昨日は日没後に迷いながら到着したホテルだったが、今日は明るい内に迷わずに到着。既に懐かしい東呉大飯店。1日空けて2度目の宿泊だが、フロントの女性スタッフは常連客に対するかのように接してくれる。嬉しいじゃありませんか。台北での定宿にしようかと思う。他の台北のホテルは知らないけど。
今夜の部屋は一昨日より少し広い。1,960元であった。明かり取り程度の窓がある。外の景色は見られない。それにしてもホテルは清潔で広くて気持ちが良い。さっそくシャワーを浴び、冷房の効いた部屋でくつろぐ。冷蔵庫から黒松沙士(30元)なる飲み物を出して飲む。Dr Pepper のような不思議な飲み物である。飲み物は今ひとつであったが、涼しいホテルの中は天国である。もう出掛けたくなくなるが、ホテルにいたのでは何をしに台湾に来たのやら。先ほど乗って来た捷運で、終点の淡水まで夕涼み(?)に行ってくる事にした。 (つづく)