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臺鐵 縦貫線 台南車站 (台灣省台南市東區)
バスで台南に到着したものの夜明け前である。観光するには時間が早すぎる。とりあえず台南駅舎に入ってみる。松山発屏東行の夜行列車、莒光號31次はすでに発車した後だった。本当はその夜行列車に乗りたかったのだが、飛行機の台湾到着が遅すぎて諦めたのだ。夜行列車は台北23時26分発、台南5時07分発。バスは同じ区間を4時間で走破している。時刻表を見ると、台南始発屏東行の區間車2805次が5時48分発である。台南観光はまたの機会に譲るとしよう。自動券売機で新左營までの區間車の切符、車票(56元)を買う。5時半頃になって駅構内の売店もようやく開店の準備が始まった。
自動改札機から入場する。地下通路を通って月台(プラットフォーム)へ向かう。高雄方から列車が到着。これが折り返し屏東行となる。さっそく乗り込む。車内はロングシートでつまらないが、バスよりも鉄道のほうが落ち着く。台南5時48分発。まだ真っ暗だったが、次第に夜が明けてきた。列車は各駅に止まる。運動服の高校生が乗ってきた。日曜日なので部活なのだろう。どうも外国にいる気がしない。車内放送は日本と大きく異なる。日本では日本語の後にクリステル・チアリの英語のアナウンスといったところだろうが、臺鐵では中国語(北京語、閩南語、客家語かな)三種類やった後に英語のアナウンスとなる。「各位旅客 ○○站到了」○○駅に着きますと言っているらしい。最初(北京語?)のは「くうりくう、○○ちゃんたおら」に聞こえる。建設中の高雄捷運(MRT)紅線の高架が見えてきた。開業すれば、南岡山(台灣省高雄縣岡山鎭)と小港(高雄市小港區)を結び、左營、高雄などで高鐵、臺鐵の駅と接続し、高雄國際機場にも駅が出来る。やがて左の車窓に高鐵の基地が見えて、新左營站に6時25分到着した。
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臺鐵 縦貫線 區間車 2805次 (新左營)
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臺鐵 縦貫線 新左營車站 (高雄市左營區)
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臺鐵剪票口(改札口)
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新左營駅前は開発中
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臺鐵 縦貫線 區間車 2616次 (新左營)
自動改札機もあるが、駅員がいたので切符を渡して出場する。新左營の駅舎は新しく、大変立派なものだが、ひっそりしている。早朝だからだろうか。一昨年、訪台した時には7-ELEVENで臺鐵の時刻表を購入した。構内に店舗があったので、店員に時刻表の有無を問うと無いと言う。駅の窓口に行くように言われ、そちらへ行くとあった。但し、販売しているのではなく、一色刷りで無料配布だった。売り物の時刻表は無くなったのだろうか。7-ELEVENに戻り、店員に入手できた旨、告げる。暖かい缶コーヒー(20元)を購入していく。持つ手が熱くないよう、コーヒーショップのカップみたいに、ボール紙が巻いてある。なかなかご丁寧だ。
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高鐵 左營車站 (高雄市左營區)
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こちらは高鐵の駅前
隣接している高鐵の左營站へ。高鐵は将来は高雄に乗り入れる計画らしいが、現在は左營が高雄の玄関駅となる。臺鐵が在来線、高鐵が新幹線と思って差し支えないが、それぞれ別の組織で運行している。臺鐵は交通部臺灣鐵路管理局(Taiwan Railway Administration)であり、高鐵は台灣高速鐵路股份有限公司(Taiwan High Speed Rail Corporation)で、国鉄と私鉄のような感じ。駅名だが臺鐵は新左營、高鐵は左營と異なる。臺鐵の新左營の隣の駅は左營なので要注意である。前出の捷運の駅名は左營のようだ。地下駅への入口を見たが、まだ工事中。
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高鐵剪票口(改札口)
いずれも民國96年11月25日撮影
臺鐵の駅と違って高鐵の駅は賑わっている。窓口で明日乗る列車の切符を買う。窓口氏は日本語版の時刻表を出してくれる。終点の台北までの各駅に停車する12時00分発の414車次を頼むが、12時30分発の120車次の切符を売ろうとする。12時30分発は、途中の台中、板橋のみ停車。所要時分は96分。一方、12時00分発の所要時分は120分。〔こだま〕という客に〔ひかり〕にすればという訳だ。尤もな話だが、急いで台北に戻る必要は無い。初めての路線、各駅を見てみたい。「高鐵に乗るために台湾に来たのです」と言って、各駅停車の切符を売ってもらう。もちろん窗邊(窓側)。全車禁煙との事。左營-台北の標準廂(普通車にあたる)の切符は1,490元。手持ちの現金が少ないので、クレジットカードで購入する。さて、月台票(入場券)を買って列車を見てみたいが、自動券売機で購入できない。タッチパネルの月台票の項目が押せない。販売を中止しているのだろうか。明日は全線に乗るのだから、楽しみはとっておこう。 (つづく)