旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

台湾のりもの紀行 左營

2007-12-17 11:00:37 | 台湾日記

高雄市孔子廟 (高雄市左營區)
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今度の旅の目的は高鐵に乗る事だから、今日このまま列車に乗って台北に戻ってもいい訳だ。しかし、わざわざ北回帰線を越えて南台湾まで来たからには、少しゆっくりして行きたい。台湾では歴史の長い台南を観光しようと思ったが、朝早すぎるので止めたというのは前述のとおりである。この高鐵の駅の近くに蓮池潭という景勝地がある。歩いて行ってみよう。

西側の臺鐵新左營車站から表へ出る。小規模な集合住宅があるばかりだ。電柱には不動産屋の出した看板が括り付けられている。今年になって駅が開業し、売り出し中の地区なのだろう。手書きで「高鐵」を「高鉄」と書いてある。「鉄」という字体を台湾では初めて見た。何でも繁体字という訳ではなさそうだ。「臺」を「台」とするのは活字でも見られる。活気のない駅前(駅裏?)を離れ、交通量の多い通りを渡って、蓮池潭の湖畔に出た。公園になっており、湖に面した道には散歩やジョギングをする人が見られる。自分も散策してみる。中国式の建築物が見える。孔子廟である。湖面に映って画になる。喜んで写真を撮っていたのは餐廳(レストラン)の建物だった。


高雄市孔子廟「大成門」 (高雄市左營區)

孔子廟の前の広場などでは多くの人が集まり、太極拳(と思う)をしている。剣舞をする人も見られる。日曜だから人が多いのか、平日もそうなのか判らないが、実にいい朝の風景を見た。異国に来たなと思う。肝心の孔子廟だが、まだ参観時間ではなかったので、大成門より中に入れず、お参りは出来なかった。高雄の孔子廟は清康煕23年(1684)に建てられたが、今の建物は民國65年(1976)に現在地に移転、竣工されたもので新しい。


北極玄天上帝 (高雄市左營區)

蓮池潭の西岸を南へと歩く。逆光の写真で申し訳ない。付近には孔子廟のほかにも寺廟が多い。湖岸の道は整備されているが、一部が工事中(補修?)のため、恐る恐る車道を歩く。


龍虎塔 (高雄市左營區)

ガイドブックにも載っている龍虎塔。ここには朝から観光バスが来ていた。まだ8時過ぎである。ツアー客は朝からご苦労さんである。日本のツアー客ではなかった。これで蓮池潭の南端まで歩いた。北端まで歩いて一周はせず、新左營の隣の駅の左營を目指す。縦貫線の平交道(踏切)があり、「停看聽」と書いてある。停まらないし、見ないし、聞かないのが多いのだろう。ここで平交道を渡ってしまったので、左營車站の裏に出てしまった。表へ出る跨線橋、地下道等はない。大回りして別の平交道へ向かう。駅裏には草野球の人が集まっている。棒球(野球)は盛んなのだろう。ようやく駅舎のある側に戻ったが、古い城壁が目に入り、寄り道してみる。


鳳山縣舊城「東門」 (高雄市左營區)
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清道光5年(1825)に築城された鳳山縣舊城。説明文には「1938年(昭和13年),舊城及龜山被日軍畫為軍區」という記述も見える。


「東門」内側より


臺鐵 縦貫線 左營車站 (高雄市左營區)

ようやく左營車站に到着する。新左營を出てから2時間余りも歩いていたことになる。自動券売機で切符を買う。左營-高雄間の區間車の車票は15元。切符の裏は白く、自動改札機も設置されていない。高雄の隣の駅なのに。駅員に切符に入鋏してもらい入場する。跨線橋を渡り、月台へ。高雄から新左營への列車が発着する月台には、高鐵乗り換えは次の新左營でとの注意書き(中文のみ)が見える。やはり新左營と左營を間違えて降りる客がいるのだろう。9時37分発、満員の區間車2619次に乗り、愛河を渡って高雄に9時44分到着した。 (つづく)


左營車站の構内
いずれも民國96年11月25日撮影