客室からの眺め!
中華民國102年11月24日星期日(日曜日)、台中のホテル。持参の目覚まし時計のアラームの音で目覚める。今まで自分の泊まった台湾のホテルの客室で時計を見掛けた事がない。そういうものなのだろうか。目覚ましは7時20分に設定していたのだが、テレビをつけて見ていると、時刻はまだ6時台である。どうした事か。昨夜、台湾の時間(GMT+8)に合わせていた目覚まし時計(電波時計)だが、標準電波を受信して日本標準時(GMT+9)に戻っている。しかも地理的に近いであろう九州の送信所ではなく、福島県にある送信所の方を受信している。これまで台湾でこの時計が受信した事はなかったのだが、今回は18階の客室に泊まっており、時計は窓辺のテーブルに置いていたから受信したのだろう。本当は自動受信を止める必要があったのだが、設定方法を取扱説明書で確認してこなかったので、適当に操作したものの、そのままになっていたのだ。結果、1時間早く起きてしまった。再び寝台に戻る。
早餐(朝食)
改めて起きて、朝食に出掛ける。これまで台湾で泊まったホテルには、朝食が含まれている。このホテルでももちろん含まれている。簡単な朝食のところもあったが、ここは期待していいでしょう。早餐餐廳(朝食レストラン)へ。会場は広い。ロビーの片隅でおむすびを食べるのとは訳が違う。他にも日本人の宿泊者がいる。席に案内されるが、自助式(セルフサービス)となっている。料理の種類は多い。中、西、日式(中華、洋食、和食)だそうで、ご飯やお粥、パンに饅頭もあれば、中華麵にうどんや蕎麦まである。鍋物もグツグツ煮えている。果物や飲み物も豊富である。連泊しても飽きる心配はなさそう。とても食べ切れないので、いつものようにご飯と味噌汁、適当におかずをよそってきて席に着く。腸詰がなかなか美味しい。味噌汁は甘口である。他のテーブルの客を見ていると、なにやらかき混ぜている。納豆もあったのか。朝食バイキングだと、つい食べ過ぎてしまう事があるから、この辺で自重しておこう。
食後のコーヒー
ミルクはスジャータだった。
台北捷運信義線が開業したそう
部屋に戻り、台湾のテレビ番組を見ながらゆっくりする。台北の捷運の新線が開業したニュースに時間を割いている。今回の台湾旅行は臺灣鐵路管理局(以下、臺鐵と記す)の路線の乗りつぶしが目的であり(いつもそうだが)、捷運はほとんど地下鉄線で面白味に欠けるが、本日開業で1ヶ月間は運賃無料だそうだから、台北に行ったら乗ってみるか。
中科大飯店 (台中市北屯區崇徳路)
快適なスイートでの滞在だったが、そろそろチェックアウトする。フロントにバスで台中駅に行きたいと言うと、新幹線の駅かと問われる。新幹線の台灣高鐵(以下、高鐵と記す)利用者が多いのだろうが、今から乗りたいのは臺鐵、在来線の方である。ホテル向かいの中学校前のバス停から黄色いバスに乗るよう教わる。「謝謝」と言ってホテルを出た。
停留所には何人かバスを待つ客がいる。高速バスならともかく、不案内な街での路線バスは躊躇する。ましてや海外ではそう。しかし台中ではバスが嫌なら、計程車(タクシー)に乗るしかない。昨夜は初めてのホテルへ行くので利用したが、今日はそうではない。先客は道路に乗り出して、車の来る方向を見ている。台湾のバスは人がいれば必ず停留所に停まるのではなく、利用者は手を挙げるなどして、乗りたい意思表示をせねばならないと何かで読んだ。そして方向幕を見てバスの系統を見極めねばならない。バスの時刻は停留所には書いてない。黄色ではないバスが停まり、幾人もの客が乗っていった。台中駅に停まるのか判らないまま、バスは発車してしまった。路線図を見ると、このバスでもよかったらしい。しかし次のバスを待つ。黄色いバスが来た。火車站(鉄道駅)の文字が確認できる。これで間違いない。バスに乗り、運転士の側の機械に悠遊卡(カード)をタッチして座席に腰掛ける。
悠遊卡 EASYCARD (ゆうゆうカード/ヨーヨーカー)
悠遊卡(カード)は、Suica、ICOCAのような台湾のIC乗車券である。その存在は知っていたが、台湾の市内交通の運賃が安くて、加値(チャージ)した分を使いきれないのではと、購入を検討しなかったのだが、コンビニエンスストア等で買い物に利用出来るそうなので、昨日のうちに7-ELEVENで購入(100元)、そして300元をチャージしておいたのだ。
無事にバスに乗ったが、台中の街に土地勘はない。いつ駅に着くか判らない。ガイドブックを見るが、地図が小さくてよく判らない。まあ何とかなるでしょ。台中の街を行くバスの車窓を楽しむ。鉄道と違ってバスの方が街を身近に感じられる。バスを乗りこなせるようになったら台湾はもっと楽しいだろう。台中公園を過ぎる。もう駅は近いはずだ。干城站という停留所で運転士が交代。高速バスの出発する停留所のようである。干城站を出て次が火車站。漢字は読めても発音が判らないので、停留所名がバス前方にLED表示されるのは助かる。悠遊卡を再度タッチして下車する。ちなみに台中市區公車(市内路線1~300系統)は8kmまで全票(大人運賃)20元だが、現在カード利用すると無料となっている。その予算は台中市政府から出ているのかどうか知らないが、ありがたい事である。
全航客運 市區公車65 (台中火車站)
全航客運 市區公車65 崇徳國中(10:16頃)→台中火車站(10:41頃) 20元 免費(無料)
臺鐵 台中線(山線) 台中車站 (台中市中區建國路)
臺中驛として大正6年竣工。赤レンガの堂々たる駅舎である。中華民國84年(1995)、二級古蹟に指定されている。台湾では他にも日本時代の駅舎が現役で大切にされている。
剪票口(改札口)
台湾では多くの駅で、入場と出場とで改札口が分けられている。さて、自動售票機(券売機)で車票(乗車券)を買ってくる。背磁式車票(裏の黒い磁気券)なので、自動驗票閘門(改札機)から入場する。なお、台中地区の臺鐵では、まだ悠遊卡は使えない。
區間車 臺中→日南(68元)
自動驗票閘門(自動改札機)
ちなみにオムロンの自動改札機です。
台中線(山線) 2713次區間快 [DR1000型] (台中)
昨年、集集線に乗った時も利用したディーゼルカー。台中始発で、二水から集集線に入り、終点の車埕まで走ります。集集線で去年行けなかった日月潭に行きたい。しかし今回の旅行では最初から日月潭は予定にはない。今度は台中に連泊して日月潭などを巡る旅もよさそう。思ったより桃園空港から台中は近かったし、ホテルもよかったし。
高架工事が進められている!
月台(プラットフォーム)で写真を撮っていたら、他のお客から声を掛けられる。鉄道絡みの事で話し掛けられたのだろうが、如何せん中国語がほとんど判らない。何も答えられなくて申し訳ない。そんなのがフラフラと台湾を旅行中なのである。
台中線(山線) 2608次區間車 [EMU500型] (台中)
今回の台湾旅行で最初に乗る列車がこちら。通勤型でロングシートだが仕方がない。台中を出発。大慶、烏日と各駅に停車する。次の新烏日は新駅で、高鐵台中站の乗換駅である。このブログで何度も書いているが、臺鐵(在来線)と高鐵(新幹線)の台中は別の駅で、離れた場所にあり、乗換駅は臺鐵が新烏日、高鐵が台中と駅名が異なる。列車は新烏日を出発して、次の成功に到着。今回の乗りつぶしの旅の目的となる成追線の分岐駅である。台中線(山線)の南下する列車は成功の次は彰化に停車する。しかし一部の列車は山線から分かれて海線に直通する。山線と海線の分岐駅は彰化だが、彰化を経由してスイッチバックする訳ではなく、直接に山線と海線とを結ぶ線がある。それが成追線である。車掌が成功に着くまでに幾人かの乗客に行き先を尋ねたり、何か話していたのは、この列車は彰化には行かないと説明していたのだろう。ここは宮脇先生が旅行された当時、運転本数が少なくて乗るのを割愛された線区である。現在ではそれなりに運転本数はあるが、それでも1日に10.5往復。一泊目の宿を台中にしたのは、成追線のダイヤに合わせたからである。
山線が別れてゆく!
列車は成功を出発。彰化への山線と別れ、成追線を行く。宮脇先生の文章で感慨深いが、他の乗客には、立ち上がって写真まで撮って、何がしたいのかわからないだろう。
海線が近づいてきた!
あっさり追分に到着して成追線の乗りつぶしは終了。例えるなら京葉線の市川塩浜-二俣新町-南船橋と、市川塩浜-西船橋、そして西船橋-南船橋のデルタ線の3辺全てに乗った感じである。宮脇先生の文章がなければ、ここまで思い入れる程の線区ではない。ところで追分とは和風な駅名が残っている。日本にある室蘭本線追分駅(北海道)、奥羽本線追分駅(秋田県)、信越本線信濃追分駅(長野県・現在はしなの鉄道線)は利用した事がある。成追線の乗りつぶしは終わったので、台湾の追分でも降りてみて、今夜の宿を予約している高雄へ向かってもいいが、この先に気になる駅名があるので先に進む。
海線と言っても、この辺はまだ海が見えない。台湾の西部を縦貫する鉄道が開通した時、台中のある山線経由だったが、勾配がきついので海線が建設され、そちらが縱貫線になったそう。しかし大都市台中を経由する山線も線路が改良され、現在では山線の方がメインルートとなっている。海線沿線の街は鄙びているのかといえば、そうでもない。この辺りも合併で台中市となっている。東海道本線清水駅(静岡県)と同駅名の清水を過ぎ、台中から1時間ほど列車に揺られ、海線で台中市最北の駅で下車する。 (つづく)
台中線・成追線・海岸線 區間車 2608次 台中(11:08)→日南(12:09) 45EM527 68元
海岸線(海線) 2608次區間車 [EMU500型] (日南)
いずれも中華民國102年11月24日撮影(切符と悠遊卡の画像を除く)