旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

白籏史朗の百一名山

2021-07-07 19:25:30 | 案山子と人と烏




市民図書館には「白籏史朗の百一名山」という本の蔵書があるようなので、まずは一冊
それを借りることにしました。先に読んだ「白嶺の金銅夜叉」は、白籏さん自身が撮影された
山岳写真は一枚も掲載されておらず、視覚的にシンクロさせておきたかったのです。

富士山を別格の一山として、残り百を各地から選んだ百一名山は、深田久弥さんの百名山と
重なる部分が多くあるのは当然ながら、白籏さんのオリジナリティが加味され、ご自身の
最も親しみのある南アルプスから多数の山が選出、また北海道からも、深田版では選に漏れた
ニペソツ、意外なところでは定山渓天狗岳、芦別岳など、深田版百名山よりも多く選ばれたことが
個人的にはうれしい思いです。

その分、西日本の山々は選から外れたものが多くなり、これは、標高や山岳美などの点で
北日本の山やアルプスと比べるとどうしても見劣りするらしく、やむを得ないところでしょうか。

    

    

私の写真と差し替えても大差なさそうな(←大きく出たな)、まずはトムラウシ。


    

そして、平治岳のミヤマキリシマを前景としたくじゅう山。


予想をはるかに超えた豪華本で、A3サイズほどの大型版、定価25000円(税別)も
したようです。こんなお高いの、タダで読ませてもらえることに、まずは感謝したいと思います。

図書館の閲覧室で写真集を見る際にも、なにやら今後自分が撮影するときのヒントになるやもと、
できるだけ巻末の撮影データや作品解説まで目を通すようには努めてはいても、これがなかなか
時間をとられるので、すべて満遍なく熟読するのは難しいのです。おかげさまで、このたびは、
すべて読ませていただきました。101篇もあり、やっぱり時間かかりましたけど。

過去撮り溜めた作品群から抜粋したものでなく、この企画のために三年がかりで新たに取材した
写真から成立した写真集のようで、単純に三年で百一箇所、全国股にかけての撮影登山ですから、
これだけでも相当すごいことです。温暖化の影響などもあり、天候に恵まれなかったと、あとがき
でかなりボヤいておられます。取材されたのが2000年頃、これは私も実感していることで、
その頃からますます、夏は夏らしくなくなり、また、冬も本来の寒さがなく、秋の冷え込みも
不足がちで、美しい紅葉を目にする機会も減るばかりですよね。

百もの山を今更全部訪れたり、冬山に挑むなんてことも残念ながら私にはできそうにはないけれど、
ますますもって撮影が難しくなるばかりの自然写真を、できる範囲で撮影してみようと思いを
新たにした読書となりました。

コメント
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