旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

ことほぎわ~テングサの歌・再び

2012-03-31 20:26:20 | 歌は世につれ




朝日新聞の和歌山地方版に、地元レコード店(ミュージックマート・イワキ)の店主が
「ときめく 楽音生活」ってコラムを連載していて、新譜、あるいはスタンダードな音楽を
紹介されています。地元のミュージシャンも時々取り上げていて、私も興味深く毎回
拝見してはいますが、これまでそのおすすめのCDを買ったりしたことはなかったんです。

今月2週にわたり紹介されていたのが、西宝山子(さいほうさんし)の「ことほぎわ」という
アルバムでした。ともに和歌山県出身の宝子さん(ボーカル&ピアノ)と西山隆行さん(ギター)の
ユニット名が西宝山子で、ほとんど一発録りのライブレコーディングということです。

「ことほぎわ」私は初めて聞く言葉でして、「言祝ぐ(ことほぐ)」からきており、県内各地の
自然と歴史を言葉で祝うアルバムなんだそうで、すべて和歌山県にちなんだ歌が
オリジナル作品も含めて12曲収録されています。


…と、ここまでならいままで通り、興味を持つものの、買うところまでいかなかったはずなのに、
収録曲の中に、谷山浩子作の『テングサの歌』がカバーされているのに驚いてねえ、
俄然購買意欲が出たのです。


   


それで先日同店までいそいそと赴いて、買ってきました「ことほぎわ」。上の写真の記事は、毎日新聞の
和歌山版で紹介されていたもの。

さっそく一番に気なる『テングサ~』から聞いてみました。西山さんのボサノバ風ギターに合わせ、
宝子さんの透明感のある、ゆったり漂うボーカルできかせるテングサもいいね!

テングサの歌詞の一部は前に紹介していたので、興味のある方はこちらでご確認ください。


テングサの歌


しかし驚いたのは、曲紹介のコメント。テングサは「人類滅亡後の、誰もいなくなった人間界を
テングサの目から見たシュールな歌詞」とあるではないですか!! そうだったの??
なるほどしかしそう解釈すると、すべて合点のある歌詞になりますね。私は多少の誇張は
あるものの、和歌山の片田舎の情景を「そのまま歌った」歌だと思っていたんですがねえ。

でも、もっと驚くのはつい最近、まさしくこの歌の世界通りになってしまった場所が存在することです。
テングサかどうかはわからないけど、津波で打ち上げられた海草が、無人と化した町にある駅で
人間がいないのを不思議がったり、気持ちいいと喜んだり… これ遠い未来の話じゃないよね。

日本に住んでいる以上、どこにいてもある程度の天災は覚悟しなくてはなりません。大昔から
度重なる被害から立ち直り、御先祖様たちは今日の暮らしを築きあげてきたはずです。
しかし、復興に気の遠くなるような歳月を要し、一瞬にして人間が住めなくなる場所にしてしまう
恐れのある原発推進は、安定した電力供給を望む気持ちとは裏腹、もうこの先やめていただきたい。


真意はともかく、色んな意味で深い歌だなあ、テングサ。アップテンポの曲調そのものは、まさに
「ころころ転がっているわ~」って感じの軽快なメロディなんですがね。谷山さん自身もこの歌は
お気に入りとみえて、年代別ベストに加え、今度発売されるベストアルバム「花とゆめ」にも
めでたくテングサが収録されています。興味のある方はこちらも買って聞いてみてね。
私自身は谷山さんの曲紹介のコメントにも注目したいと思っているんです。



   


これまで私は、失礼ながら、宝子さんも西山さんのことも知りませんでした。もしどこかで
活躍している姿を見聞きしたら、和歌山県出身のお二人を、皆さんも応援してあげてくださいね。





  


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