旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

リバーラフティング(その2)

2007-07-24 21:40:04 | 

 

 思い起こせば、コスタリカは南北アメリカ大陸をつなぐ細い帯の一番くびれたところ・・・、しかも4千メートル近い山岳地帯が中央を走るので、両側、つまり太平洋とカリブ海に流れ落ちる川は険峻である。
 その川を下るのであるから、物見遊山とはわけが違う。わがインストラクターイェンシー嬢(前回写真参照)の説明にも熱がこもる。

「重要なことは全員が力を合わせることだ。インストラクターの指示どお
り同じテンポで同じ方向に櫂をこぐ。ボートが傾いたら逆の方向に体を傾けてバランスをとる。前後左右に全員かたまる指示が出たら即座に体を寄せてバランスをとるように・・・」

 だんだんと緊張の度が増してくる。「それにしても話が違うなあ。こんなことを未経験者にいきなりやらせていいのかよー」などとつぶやいていると、彼女の説明は最後のまとめに入った。

「最後にもう一度言う。最も重要なことはチームワークだ。全員が一人残らず力を合わせることだ」

 私は身震いする思いでこの名演説を聴いた。そしてこの時ばかりは、小柄なイェンシーの体が大きく見えた。
 そして・・・・・・
 
ボートを漕ぎ出して数分もしたら最初の激流に差しかかった。われらがボートのインストラクターはアンドレアスというたくましい青年。豊かな身長、筋骨隆々かつ美男子で見るからに頼もしい。このアンドレアス君のかけ声に一段と力が入る。

 「アッ!」・・・全員声を出したかにみえた・・・

 だれも声は出さなかったのかもしれない。(というより声も出なかったに違いない) ゴムボートはまっさか様に激流に突っ込んだ(と思えた!)
 ・・・気がついたら全員ずぶぬれで、とにかくボートの中にはいた。何がなんだか分からなかったが、「これが激流を通過するときの感じなのか・・・」という感だけは残った。

 こうして、コスタリカリバーラフティングが始まった。
                            

   
                   アンドレアス君(最後尾左)の掛け声に合わせ川に乗り出す
                                (先頭の左が筆者、その後がワイフ…お互いにまだ若い)

 


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