カンクーンについて書いたついでに、メキシコ・シティについて一言触れておく。
私の記録では、私は未だメキシコ・シティには行ったことになっていない。『旅のプラズマ』に書いたように、私がその地に行ったという定義は、「その地のどこかに泊まり、その地の酒食を食べる、あるいは文化に触れる」(同書102頁)となっている。メキシコ・シティには未だ泊まっていない。テキーラとともに、ザ・メキシコ料理を食べていない。文化の一端には触れたが・・・。
実は、カンクーンからマイアミに飛ぶ間にメキシコ・シティでトランジットとなった。しかも4時間も時間があったので、弟親娘とタクシーをチャーターし、2時間強をかけて市内を回ったのだ。要所要所で降りて、いろんな行事や名所を楽しんだが、車を2時間乗り回せばかなり回れる。結構印象深いものが残った。
何が、印象に残ったか?
どうも一口では言い表せない。ただ、”広大な町だ”という感じが強烈に残っている。
ヨーロッパに行けば、どこの町にも中央に広場がある。そこには必ず大聖堂があり、町の主要な建物が並ぶ。メキシコもスペインから独立した町であるからつくりは同じ。ただその広さが違う。
ソカロ(Zocalo)と呼ばれる中央広場は、メキシコの町のどこにもあるらしいが、メキシコ・シティのソカロは、正式名称を憲法広場と呼び、国の政治の中心広場となっているらしい。
とにかくだだっ広い。そこを大聖堂や長大な国立宮殿などがとり囲み、絶えずいろんな行事が催されているようだ。そこにはアステカの遺跡もあるようで、われわれが行ったときも、原住民の姿で踊る行事(写真)が行われていた。
そのほか、町の中央に立つ独立記念塔にしても、何か広大な印象だけが残っている。
そして、みんな親しみやすい人柄を感じさせたが、いわゆる欧米で接したものと”異質な文化・人種”を感じた。
「これは一度、ゆっくり来なければダメだな・・・」
これが、2時間という、ほんの短時間、車で走り回ったメキシコ・シティの印象であった。
・・・やはり、私は未だメキシコ・シティを知らない。
いつか行く機会があるだろうか? かなり絶望的だが・・・