旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

リバーラフティング(3)--自然と調和して生きるコスタリカ

2007-07-25 22:15:31 | 

 

 初めて経験したリバーラフティングーーしかもコスタリカの急流を下るラフティングだ。最初の激流に突っ込んだとき、よく誰も落っこちなかったものだと思った。しかしこれで度胸がついて、次の難所から積極的に対応して、むしろ楽しくなるから不思議だ。
 難所を通過する度に、全員オールを高く掲げて歓声を上げる。自然を克服した英雄気分と、「力を合わせたチームワーク」(イェンシーの指示)を発揮した誇りが、全員にみなぎる。

                      
 
  だんだん周囲の景色をみる余裕が出てくる。
 水面に様々な鳥が飛び交う。両岸の密林の中をイグアナやナマケモノなどがうごめく。その上に高く聳えるポロマッチョ(コスタリカを代表する木)が美しい。そこに人工的なものは何もない。自然と触れ合うことは、こんなにも素晴らしいことなのか・・・とあらためて思う。

 全行程四時間の下りの途中、静かな支流と出合う河原で昼食となった。ゴムボートを河原に引き上げ、ひっくり返して食卓にする。どこに積んであったのか、たくさんのパン、ソーセージ、野菜や果物、ジュースやコーヒーが並ぶ。食べ放題の食事は心地よい疲労を癒し、豊かな満足感を与えてくれた。
 残ったパンやハムなどは、きれいに紙に包んで、周囲で遊んでいたインディオ(原住民)の子供たちにあげる。その上、頂き物を水にぬらさないように頭上に掲げる子供たちを、カヌーで向こう岸まで送ってあげる。それは、言いようのない美しい光景であった。

 いよいよ後半の下りだ。あわてて救命具をつけていると、早くも食事の跡は片付けられ、ボートが浮かべられている。
 そして、河原には、ゴミのかけら一つも残されていなかった。
 それは、インディオと共存自然と調和して生きるコスタリカの姿を示しており、また、インストラクターたちの高い教育水準を伺わせるものであった。

 コスタリカのリバーラフティング――それは想像以上にハードであったが、その素晴らしさも想像をはるかに超えた。
                                                 
                                     


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