旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

リバーラフティング

2007-07-22 16:34:44 | 

 

  コスタリカでの滞在二日目、早速ラフティング(川くだり)をやることになる。当初この案を聞いたとき、「それは楽しい計画だ!」と大賛成した。日本でも三大急流(最上川、富士川、球磨川)のうち最上川と球磨川を経験している。いずれ酒でも飲みながら、両河岸の鳥や動植物を楽しむのだろうと思っていた。
 迎えに来たマイクロバスでは、ガイド兼インストラクターのイェンシー嬢が出迎えてくれた。小柄だがスペイン系らしいキュートな美人、黒い髪、黒い瞳、それに日焼けした褐色の肌は東洋人にとっても親しみがわき、美しい川面をともに下る様を想像して胸が躍る。
 ところが目的地(川くだりの出発地点)に近づくにつれて、イェンシー嬢の態度が変わってきた。長い黒髪を後ろに束ね紐で縛る。シャツを脱ぎ捨てると日焼けした黒い肌もあらわな水着姿だ。これから川中でワニとでも格闘しそうな気配だ。
 バスを降りるや四人と六人に分けられ、まず渡されたのがヘルメットと救命胴衣とオールだ。
 「何だか雰囲気がおかしいなあ・・・自分で漕ぐのかよー」
などとつぶやいていると全員集められ、一段高い所に置かれたゴムボートの中に立ったイェンシー嬢が説明を始めた。
 まず、オールはこのように持って、ゴムボートの縁に腰を下ろし、このように水をかけ・・・とオールを振りながら説明する。
 「オイ、オイ、縁に掛けるなんて危ねーじゃあねーか。落っこちたらどうするんだ」なんて思っていると、
 「足を前のシートの下に入れて固定すること。そうしないと激流にあらわれた時にボートの外に放り出される。万一川に落ちても体は浮くのであわてないこと。そしていかなる時でもオールは絶対に放さないこと。オールを差し出せばそれを掴んで助けてあげる」
というようなことを言っている。
 「冗談じゃあねーや。逆さまに落ちてオールもへったくれもあるものか・・・」
 だんだん不安が高まってくる。英語のヒヤリング力の弱い私は、いつもガイドの話など適当に聞いているが、この時ばかりは命にかかわるとばかりに真剣に耳を傾けた。
 そして、イェンシー嬢の説明はいよいよ佳境に入った。
 

       
                                
右がインストラクターのイェンシー嬢


投票ボタン

blogram投票ボタン