旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

今年の政治、経済--③日本

2008-12-07 11:48:05 | 政治経済

 

 日本は、今回のアメリカ発金融危機、つまりサブプライムローンに端を発する世界的経済危機については、被害が一番軽いとされている。未だ十分に立ち直りきれていないバブル崩壊の教訓からか、ファンドに手を出した額が小額であったようで、金融機関が抱えた不良債権が小さかった。
 
ところが、震源元のアメリカより株価の下落幅が大きいなど、経済的混乱ではひけを取らない。年金問題や派遣労働問題、ワーキングプアをはじめとした貧困問題など課題は山積、暮れにかけて人員整理が打ち続くようで、世の中は混然としている。特に人員整理の風は非正規雇用者に厳しく、トヨタ自動車などは一兆円の純利益が数千億円に減益になりそうだと言う理由で、6千人の非正規雇用者を削減しようとしていると言われている。赤字ならともかく、未だ何千億円も利益が出るのに、従業員の首を切るのか?
 
企業は、特に何千億円も利益をあげている大企業は、このような時こそその社会的責任を果たすべきであろう。

 日本の場合は、これら経済問題についても、最大の責任は政治にあると思われる。国民がこれほど苦しんでいるにもかかわらず、政治は党利党略、国民不在の政争を繰り返している。何のリーダーシップも発揮されることなく、政策も示されず、一年ごとに三人も首相を取り替えながら国民に信も問わず、いたずらに政争をくり返す様は、批判する気にもなれない。
 
麻生首相の言動など、全く論ずるに足らない。日本は一番重要なときに最も軽っぽい人間を首相に選んだのではないか? それを攻める民主党もまったく同罪であろう。これまた国民のことなど考えることなく、ただ党略に走る政権亡者というしかあるまい。

 日本は大いなる政災(政治災害)の下にある。世界経済が「百年に一度の津波」に襲われているときに、日本国民は何としてもこの政災を取り除き、経済の建て直しに取り組まねばなるまい。物つくりを中心にした日本人の力は、世界のどこにも負けないと思っている。来年こそ腐れ切った政治を刷新し、カジノ資本主義と手を切り、物つくり(含む農業)を基盤に据えた経済再建に取り組むべきであろう。
                            


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