最近の政治については情けなくて触れたくもないが、昨日(18日)の参院厚生労働委員会のザマについては無視できない。
一言で言えば、国民の貧困、もっと言えば生死の問題が与野党間(除く共産党)の政争の具にされたということだ。そもそも年末にかけての首切り(特に非正規労働者)、その後の住居問題などは、一刻を争う緊急問題であるはずだ。これを与党の自民公明は、現国会にまだ日程があるにもかかわらず来年の通常国会まで提案を先送りすると言う。これに対し野党の民主、社民、国民新党は、与党が年明けに出そうとする案のつまみ食いをして法案をまとめ昨日提案、ほとんど議論されることなく、「討議を尽くして与野党合意の上実施を目指そう」という共産党の呼びかけなど無視して、民主、社民議員による強行採決を行った。与党に先駆けて点を稼ごうという姑息な狙いか?
しかし与党の自民、公明は反対し、これが衆院に回れば多数で否決か廃案に追い込むだろう。つまり、貧困国民にとって火急の救済策は実現しないだろう。
政治家とは相当に異常な神経の持ち主だと思う。国民の貧困や生死の問題を、自分たちの政争の道具にするというのは、普通の人間の神経では出来ないのではないか?
さて、日本国民は誰に未来を託せばいいのか? 貧困、格差、医療年金不安などの現状を招いた自民、公明与党にこれを委ねるわけにはいかない。とはいえ、昨日などの民主党の体たらくを見ると、明るい未来を托せる政党とはとても思えない。民の生死の問題を、自分たちの政権取りの材料にするのだから。
私は、政党としては社民、共産が中心になり(やや古典的だが他に見当たらない)、民間組織としては憲法九条の会とか生活要求に根ざした草の根の会が一緒になり、「国民を貧困と将来不安から救い、日本経済を民主的に立て直す」という一点で結集する統一戦線(この言葉も古めかしいが)が組めないものかと思っている。それを無党派層や労働組合が支持していく・・・。
しかしそのためにはそれを引っ張るにふさわしい人物が要る。アメリカ人がオバマに求めたような人物が。
断っておくが私はオバマを買いかぶっているつもりはない。ただ今の日本には、オバマ的人物が必要なのではないか?