旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

二十四節気の酒--小寒

2009-01-05 18:02:18 | 

 今日は暦の上の「二十四節気」からすれば『小寒』である。
 日本の季節の移ろいを極めて鮮明に表しているのが「二十四節気」ではないか・・・。四季という言葉が一般的であるが、日本の季節の変わりを四つで言い表すことはとても出来ない。次に12の月があるがそれでも足りず、24ともなれば、かなり一年の変化を言い得ていると思う。

 二十四節気の図を見ると、円の最上に「冬至」があり最下に「夏至」がある。日が一番短い時点から一番長い日があり、その間を時節がめぐる。
 365日を24に区切ると、平均して15日強となるので、一年を15日(半月)単位で表現するのが24節気と言える。

 暦の上での年が明けて最初の節気が「小寒」である。だいたい1月5日前後である。年によって違うが今年は1月5日、今日である。冬至が太陽の一番遠い日であるので寒いかと言えばそうではない。太陽が離れた寒さの影響は、一月くらいをおいて現れる。夏の夏至は6月20日前後前後であるが、暑いのは7~8月であるのと同じだ。冬至を過ぎてだんだん寒くなり、小寒・・・大寒と続くのである。
 小寒は何を食べ何を飲むのだろうか? 
 5日と言えば正月である。昨日までおせち料理を食べた。おせち料理は日本料理の粋を集めたようなもので、どれをとっても酒(日本清酒)に合う。正月は料理からして酒を飲むようになっているのであろう。
 餅があるので、雑煮だけでなく「ぜんざい」も食べる。酒の酔い覚めの間に食べる「甘いもの」はたまらない。これも正月の食として理に適う。
 それらの重さから、「松のとれる(門松を取り除く)」7日ともなれば、「七草粥(かゆ)」となって、これも理に適った正月の食である。

 さて、その間にいろいろと酒を飲む。年始客に酒を振舞い、訪ねる先で酒をいただく。様々な酒を飲むのが正月の酒、というのかも知れない。
 その中で、私が正月の酒としているのが『亀の翁』である。確固とした個性を持ちながら、様々な正月料理の邪魔をしない。その誇り高き気品が好きである。
 私は例年、この『亀の翁』を九谷錦玉の平盃「青粒(あおちぶ)」で飲む。一年の初めをキリりとした感触で仕切りたいと思うからだ。今年は元旦から快晴が続くが、冷気はキリッとしまっていた。寒さに向かう小寒の気だ、
 『亀の翁』は、まさに小寒の酒にふさわしい。
                         


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