旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

宇宙探査機「はやぶさ」の持ち帰った砂

2010-11-20 10:48:00 | 時局雑感

 

 今年の6月15日付この稿に、「宇宙探査機“はやぶさ”の帰還を讃える」と題して書いた。その末尾に、「何としても帰還したカプセルの中に“イトカワの砂”のあることをひたすら願う」と書いた。
 その砂があったことを報じた17日付日経新聞で読み、私はその記事を切り抜きながら改めて「快挙」をたたえた。そして日本の技術の高さに誇りを感じた。政治も外交も経済も、また日常生活の中のニュースも悪いことばかりであるが、一方ではこのような快挙が地道な人たちにより進められているのだと思うと心が温まる。

 今朝の4チャンネル「ウェーク」でも採りあげ、その成果が語られていたが、前回も書いたように、7年間もかけて宇宙の彼方から砂を持ち帰るというような事業が、成功すること自体想像を絶する。しかもその間、行方を見失ったり、三つのエンジンが故障して残る一つにエネルギーを集中して地球にたどり着くなど、人智の素晴らしさを改めて思う。番組に出演した科学者に成功の要因を尋ねたところ、「根性です。根性だけです」と、およそ科学と縁のないようなことを言っていたが、それほど根気の要る仕事なのだろう。
 カプセルの中にあった目にも見えない砂が、どのような宇宙の謎を解いてくれるのかわかりもしないが、5ヶ月前に「せめて砂の一粒でもあって欲しい」と願ったことが実現しただけでうれしい。
 我々凡人にはその喜びだけで十分なのだ。


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