フルネット社の『Jizake Topics』1月9日号を読むと、冒頭にうれしい記事が載っていた。京都市議会が「乾杯は日本酒で」という条例を可決し、今年1月から施行するというニュースだ。
議会での可決は全国初めてのことのようで、京都市は今後、市が主催するイベントには日本酒を使うほか、ホテルの宴会などにも日本酒の利用を働き掛けていくということだ。
私はこのブログでも何度か、「なぜ日本の会合では乾杯酒に日本酒を使わずにビールやウィスキイーの水割りを使うのか?」と疑問を呈してきた。ビールは日本人の飲む酒の70%を占めているのでまだしも、ウィスキーの水割りに至っては全く分からない。
乾杯のあと食事を取りに行くが、一番長い列のできるのが寿しコーナーだ。それ以外でも刺身類や天麩羅などだ。それらに最も合う酒は日本酒だと思うが、みんなそれを乾杯酒に続くウィスキーの水割りで食べている。(酒も食も好みであるので、文句を言う筋合いにはないが)
ウェイターが運ぶトレイの上にも日本酒はなく、特別に注文してやっと持って来てくれる。それも大手の普通酒か、せいぜい本醸造酒である。
あの誇り高きフランスにあっては、ワイン(主としてシャンパン)以外での乾杯など考えられない。日中国交回復を祝う儀式で、周恩来首相が高らかに掲げて田中角栄首相を迎えた酒は、中国が誇る名酒「茅台酒」であった。
それにつけても昨年4月、当時の古川元久国家戦略大臣が、「日本酒と焼酎を国酒として世界に広めよう」と宣言したことを思い出す。その後、その運動はどうなったのだろうか?今回の京都市議会の動きとあいまって、日本酒の「国酒としての地位」を高めていってもらいたいものだ。