旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

江戸文化を楽しむ … 「江戸の生活」と「落語」 

2013-01-18 10:27:13 | 文化(音楽、絵画、映画)

 

 前回書いた「いきいきフォーラム草の根支援」主催のチャリティ公演は、菊池ひと美さんのお話『江戸の町と長屋の暮らし』と、三遊亭兼好さんの落語『天狗さばき』で、実に楽しい催しであった。

 菊地ひと美さんは、日本画家で江戸衣裳の研究家、大分お年を召された後に早稲田大学に入り江戸史を勉強されたようで、さすがに豊富な資料で江戸の生活をいきいきと話してくれた。
 「江戸の町は今の千代田区と中央区ぐらいの広さで、その三分の一を武家が、三分の一を寺社が占め、残る三分の一に江戸市民がひしめき合って住んでいた…」という紹介にまず驚き、しかし、その狭いところに住んでいたからこそいろんな工夫が凝らされ、また独特の人情も育ったいきさつがよくわかった。当時の日本は鎖国で内向きの時代、しかしそれだけに様々な文化(文学、絵画、演劇など)を育てた。単に外に出ていくだけがいいのではないことを教えられた気がする。

 三遊亭兼好の落語も楽しかった。早口で甲高い声というのは、私はあまり好きではない方だが、間のとり方と言い、強弱のつけ方と言い見事なもので、初めて聞いたがうまいのに驚いた。聞いてるうちに声の質など気にならなくなった。三遊亭好楽の2番弟子だそうで、今後の出世が楽しみだ。
 気持ちよく寝ている旦那の顔つきから、きっといい夢を見ているに違いないと思った女房は、起こした後「どんな夢か」としつこく聞く…そのあとも次々と人を変えて「どんな夢だったのか」と追及されて、夢など見てない旦那がほとほと参る話…。この手の話はいろいろあるが、『天狗さばき』という題名だとあとでわかった。
 今年は、日本文化を深めるために落語と歌舞伎を見ようと娘と約束しているところだが、この落語をその皮切りにしよう。

 いやあ、実にすがすがしい催しであった。それは主催者の品格が与えてくれたものだと思い、改めて「いきいきフォーラム」の活動に敬意を表する次第。

   


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