久しぶりに駅伝に興奮した。私の趣味と言えば、旅と酒の次はマラソン、駅伝の観戦ぐらいのものだ。それもこのところ、正月の実業団駅伝、大学箱根駅伝などもう一つパッとせず、なんだか消化不良気味であったが、今日の「全国都道府県対抗男子駅伝」は力が入った。
煎じ詰めれば、最終7区を2位でタスキを受けた東京のアンカー上野が、1分15秒先行する兵庫を追い上げて、ゴールでは5秒差という緊迫したシーンに尽きる。13キロで1分10秒詰めたのである。東京の、あわや逆転初優勝というのに、心が躍ったのであった。
しかし興奮したのはそれだけではない。そもそも「都道府県対抗」というのは、ファンにとっては「郷土愛の発露競争」みたいなものだ。自分の生まれ故郷や縁故地の勝利だけを願う競技だ。
私は77年生きてきたが、住居を構えた年数の長さから並べると、東京46年、生まれ故郷の大分県臼杵市22年、銀行時代の地方勤務広島市6年半、大牟田市2年半の順序となる。それぞれ大変な愛着がある。中でも生まれ故郷大分県への愛着は当然ながら強い。その他、2001年から数年間、秋田にある会社の役員をやった関係で月に1,2度秋田に出張(1回につき2,3泊)した。そのあと4年間ぐらい名古屋の会社の役員をやったのでこれまた月に1,2回は出張、宿泊した。秋田も愛知も相応の愛着がある。
都道府県対抗となれば、当然のことながらこれらの愛着を抱く都県を応援する。いくら負けても、どんなにみじめな順位に終わろうと、わが愛する都県に声援を送る。
ところが、今日の大会ではいずれもみじめどころではなかった。前記したように東京が5秒差まで追い上げて2位、愛知が3位、広島が6位、秋田が8位、そして我が大分が9位に入ったのだ!
広島に至っては1区42位と出遅れながら最後は6位に入った。ゴール前10数メートルで7位の県に抜かれたが、5メートル前で抜き返して6位を守った。秋田は初めての入賞で8位となった。続く数秒遅れでわが大分がなだれ込んだのである。
そのわが大分であるが、1区33位と出遅れ、2区では40位まで下がったが、3区で18人抜きを演じ22位、その後も着々と順位を上げて9位に入ったのだ。あと3、4秒で入賞するところだったのである。
これで興奮せずにいられようか!
まあ、脳梗塞持ちの年寄りが、このようなことで興奮するのがいいか悪いかはわからないが、生きていればこその喜びでもある。