一昨日夜、銀座一丁目の『タベルナ グスタヴィーノ』という素敵なイタリアンレストランで、銀行時代にお世話になった大先輩Kさんの85歳の誕生を祝った。Kさんは一月に誕生日を迎えたが,検診と重なってお祝いができなかったため、お嬢さんが一席設けて「お父さんを励ます会」を催すことになり、その席に特別に私も加えていただいたというわけ。
さすがに食通、酒通のお嬢さん行きつけの店だけあって、この店は素晴らしかった。先ず、乾杯の酒として小笠原店長自ら運んできたワインは、あの「フランチャコルタ」のスパークリングであった。「あの…」というのは、私が近著『旅のプラズマ…世界の酒と日本酒の未来』の冒頭に書き綴った話の一つが、このイタリアはロンバルディア州の銘酒フランチャコルタにまつわる話であったからだ。
これには感動した。その後もトスカーナの「生ハム」にはじまる美味しい料理にあわせ様々なワインが出され、同時にそれにまつわるエピソードを語る店長の知識が加わり、久しぶりにイタリアのワインと料理を満喫した。
デザートの段階になりグラッパを注文すると、ホワイトハウスで飲まれているという超高級のグラッパが出てきてまた驚いた。ブドウの搾りかすで造るグラッパは、一般的には平民が飲む下級なスピリッツだが、こうなるとグラッパ用のブドウが栽培されているというから、ちょっとしたブランデーより上だ。
もっと驚いたのは、ローソクをともした「誕生祝のケーキ」とともに運ばれたデザートワイン「レチョート」だ。ヴェローナ産の赤ワインで、その美味しさはドイツのアイスワイン、アウスレーゼを凌ぐものがあった。
ヴェローナ産デザートワイン(赤)“レチョート”
ケーキのろうそく越しにお嬢さんが撮った「85歳のお父さん」
いやあ、大変結構な夜でした。K先輩は、毎日1時間、4キロのウォーキングをつづけ、ますますお元気…、何よりです。