翌朝9時、一同うち揃って墓参に向かう。宿泊したホテル日航高知旭ロイヤルから車で約20分、介良(けら)という町にある介良霊園が墓地の在所。
建立の記録を見ると、先生はご逝去の2年前にこの墓を建てたようだ。先祖伝来の墓を整理し、「竹村家代々の墓」を建てそこに収め、その隣に自分の入る別の墓を「竹村家の墓」として新たに建てたようだ。
奥様の話として伝え聞くと、「主人はお骨で収めたのではなく、自然に帰る形で収めました」ということらしいので、それまでの先祖の墓と別に建立したのかもしれない。マルクス経済学者(唯物論者?)としてのお考えがあったのかもしれず、実直な先生のお人柄を改めて偲ぶこととなった。
戒名:教門院誠智脩道居士 平成17年10月19日没
墓参を終えてホテルに帰ると10時30分、夕方6時のフライトには十分時間があるので、先ずは五台山に上り竹林寺を訪ねることにする。高知在住の友人(臼杵高校時代の同級生…後述)K君が、自慢のベンツで案内してくれるというので、昨日から行動を共にするG君、Hさんと乗り込み竹林寺に向かう。
竹林寺は四国霊場第31番札所、名僧行基(ぎょうき)が開いた古刹。特に夢窓国司の作庭といわれる庭の美しさは何とも言えない。緑豊かな参道を歩いて心安らぎ、師を偲ぶ旅に相応しい訪問先となった。