旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

上条恒彦コンサートで戦後史を振り返る

2014-10-15 12:31:40 | 文化(音楽、絵画、映画)


 一昨日、神宮外苑の日本青年館で上条恒彦コンサートが開かれた。今回取り壊されることとなった日本青年館を惜しんでのコンサートである。
 日本青年館は1925(大正14)年に日本青年団のために建てられたという。その後1979(昭和54)年に改築され、地上9階、地下3階の堂々たる2代目青年館となった。ホテル、結構式場、ホールなど総合的な催し場で、私も何回この会館に通ったことか数えきれない。
 この度、隣接する国立競技場の2020オリンピックに備える拡張で、その周辺用地となるため90年の歴史を閉じる。南寄りの地に再建される計画ということであるが、詳細は未定のようだ。だからこのコンサートのテーマは、
 「90年間のご愛顧に感謝をこめて…
  二代目日本青年館に感謝し三代目を待ち望む」
となっていた。

 それはさておき、上条恒彦の歌う歌は懐かしかった。老齢(74歳?)の所為か風邪の所為か喉を痛めていたようだが、相変わらず重量感のある声で、わが青春期から壮年期を辿ってくれた。「いぬふぐり」に始まり「さとうきび畑」や、あの「木枯らし紋次郎」や「たびだち(出発)の歌」など……
 一貫して反戦、平和、民衆の歌を歌い続けた上条恒彦に敬意をささげる。日本青年館の歴史を偲ぶ意味からしても、最適の歌手のコンサートであったであろう。
 


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