エフェソスの遺跡は見応えがあった。イタリアをはじめヨーロッパの国々に行くと、何千年も前の遺跡でメシを食ってるなあ・・・とよく思うのだが、ギリシャ・ローマは地中海沿域に次々と殖民国家を築いていったので、あらゆる国々に広大な都市遺跡が残っている。
しかもエフェソス地方は、キリスト亡き後その母マリアの面倒見ながらヨハネが暮らしたところとか、この大通りはクレオパトラがアントニュースと歩いた道とかいわれが多く、イタリア本国よりロマンに満ちた話が多い。それらを書き始めるとキリが無いが、面白かった話を二つだけ。
一つは当時の便所の跡で、オマル状の穴が並んでおる下は水が流れていて既に水洗であった上に、その前に池があり噴水などの水音で排便の音をかき消していたと言うから立派だ。
もう一つは、遺跡の中でもひときわ目を惹く図書館(写真)にまつわる話。
驚くべきは図書館の裏側に売春宿が構えられており、男どもは「勉強をしに行く」と図書館に向かい、表から入り中を通って裏から出て売春宿に入り、まさに「社会勉強をして」、再び裏から図書館を通過して表から帰路についたと言う。
この「男どもの勉強の内容」は、恐らく女性にばれていただろう。とすれば、女どもは全てを知った上で一定の社会的調和を図っていたのかもも知れず、賢明さにおいて女が優れていたことは昔から定まっていたのだろう。
いや? 男の方もばれていることを知った上で、「これほど苦労して勉強しているのだから、あまりやかましく言わないでくれ」といっていたのかもしれない。
いずれにせよ、大劇場の設計建築をはじめ、数学、幾何、天文学など人類の到達点は、ギリシャローマ時代に極められていたのではないか? その後、電気や原子力などでスピードや大きさは変化したが、質は変わってないのではないか?
特に哲学(民主主義を含む)においては、現代の方が低下しているかに見える。
エフェソスの大劇場