旅のプラズマ

これまで歩いてきた各地の、思い出深き街、懐かしき人々、心に残る言葉を書き綴る。その地の酒と食と人情に触れながら…。

懐かしき友と酌み交わす

2012-01-09 17:05:04 | 

 

 10年ぶりぐらいの再会で、M氏と酌み交わした。昨年暮れから再会を約したのであるが、後期高齢者の二人、はたして「相手は酒が飲めるか?」を心配しながらの待ち合わせであった。
 私の脳梗塞を相手は知っているし、M氏も様々な病気を内包している、…いわく糖尿病、前立線ガンなどなど。しかしいずれも担当医の診断は「あなたの病気とアルコ-ルの直接的関係はない」というもので、「むしろ「酒も飲めないのか…というストレスの方が悪い」というものであった。二人とも、「酒を飲まない方が病状を悪化させる」という判断により、毎日飲んでいることが判明した。大いに気をよくした二人が、昼であるにもかかわらず、酌み交わしたことは当然である。私は「獺祭」2合と「大七」1合(実質敵には合わせて2合5勺弱ではないか?)、M氏は酒を少しと焼酎を4杯ばかり飲んだ。氏は毎晩焼酎を2~3合飲んでいるというから相当なものである。
 76歳と74歳の二人が、それぞれ年相応の病気を持っておるが、酒を少々控えるかどうかによって余命に差が出ることは恐らくないであろう。(つまり、酒を全く絶ったとしても時が来れば死ぬだろうし、ここまでくれば、飲むことによる余命の差はないだろうということ) しかし、とはいえ自分勝手な解釈により羽目を外すことが良いはずはない。二人は、かなり限界まで挑みはしたが羽目は外していない、という確信を抱いて、再会を約し、気持ちよく握手を交わして別れた。


松もとれて…

2012-01-07 20:02:31 | 時局雑感

 

 正月七日…、今日は昼にお汁粉を食べ、夕方松飾りを外し、夜は七草粥を食べた。鏡餅を焼いて食べるのが15日の習わしとも言われているので、それまでは正月ともいえるが、昔のようにのんびりともしてられまい。いわゆる「松もとれて」本格的に仕事始めとなるのであろう。とはいえ、明日と明後日は休みなので、本格的始動は10日からだ。さっそく13日からは秋田出張など組まれているので、雪の秋田に向けて気を引き締めてかかろう。

 今夜の七草粥はおいしかった。ワイフが工夫を凝らして「イタリア風七草粥」を作った。素材は旧来の七草粥のものであるが、オリーブオイルでいため、何とかチーズでしめたという。もう少しかたく煮ればリゾットとなるのであろうが、そこは日本風にお粥とした。従来の七草粥に何となく物足りない味を感じていたが、これで「食べている充足感」を感じた。しかし、何とも物足りない味こそが“日本の味”ともいえるので、こうして日本の味がだんだんなくなっていくのかもしれない。
 なんだかイタリアに行きたくなったなあ。イタリアには3回行ったが、北のミラノ、ヴェローナ、ヴェネツィアと、南の海に浮かぶサルデーニャとシチリヤしか行っていない。とっておきの「パルマ、フィレンチェ、ローマ、ナポリ」という中央部に行っていない。「ナポリを見て死ね」という言葉に惑わされて、まだ死ぬのは嫌だと避けてきたが、もうソロソロいいのかもしれない。具体的な計画は全くないが、松もとれてようやく様々な思いが動き始めた。


どんな年になるのだろうか?

2012-01-05 17:03:41 | 時局雑感

 

正月休みも今日で終わり、明日から仕事始めだ。しかし明日出ればまた3連休となるので、正月休みのようなものだ。何となくしまらない年初めで、「今年の私」を象徴している様な気がする。ソロリ、と動き出しはしたが、今年は定かな目標や心躍る計画も持っていない。
 昨年の未曾有の国難(東日本大震災と福島原発事故)を経て、今年は日本復興元年として課題は多い。しかも、いずれも未経験ともいえる大きな課題だ。しかし自分は、役に立たない能書を言うばかりで、その一役を担って課題に取り組む知力もエネルギーも持ってない。その他、暮れから動き始めている政局がらみで、消費税やTPP問題など、国論を二分した課題が相次ぐ。それらの真の解決方向などとても分からない。年寄りはあまりしゃしゃり出ないで、じっくり熟慮する年とさせてもらうしかないようだ。
 旅や酒についても特別な計画はない。「純米酒フェスティバル2012春」の日程は本日発表したが(4月15日(日))、これは12年も続けてきた恒例行事だ。昨年秋に計画した「純米酒とオーストリアワインの旅」というオーストリアワイナリー巡りは、立ち消えになったままだ。そのような状況だから他の海外旅行計画など何もない。昨年の『旅のプラズマパートⅡ』発行で「酒と旅に一応の区切りをつけた」としたので今年ぐらいは何もない年でよいのかもしれない。
 一つ、暮れに思いがけない話が飛び込んできた。今年の5月、郷里の臼杵で「臼杵高校第6回卒業生の喜寿同窓会」を計画したので、“旅のプラズマこぼれ話”と題して講演をしてくれという同級生からの依頼だ。喜寿の集いの講演とは名誉な話であるが、77歳の老人を前に話をするのはいささか億劫でもある。同期生は確か230名ぐらいと記憶しているが、いったい何名集まるのだろうか? 何を話せばいいんだろうか? まあ、講演者を含め大半はボケているので、難しい話でなく「旅と酒の話」、しかもその「こぼれ話」、つまり「堅い話はやめて面白い話だけ」を話せというのが幹事の思いであろう。
 しかしその役を仰せつかったとは前述したとおり名誉なことで、心して取り組まねばなるまい。懐かしいたくさんの顔が早くも浮かんでくる。

 
 懐かしい故郷臼杵 … 菩提寺龍源寺の三重塔                   


明けましておめでとうございます

2012-01-04 15:08:43 | 時局雑感

 

 おくればせながら、明けましておめでとうございます。
 正月三日間、何もしませんでした。もちろん、お節料理も食べましたし、例年に比して量は減らしましたが酒も毎日飲みました。年賀状も読みましたし、返事もできるだけ書きました。
 元日は実業団駅伝をスタートからゴールまで見て、夜はウィーンフィルのニューイヤーコンサートも全部聞きました。二日目と三日目は、箱根駅伝をこれまたスタートからゴールまでほぼ全部見て、三日目の夜はNHKのニューイヤー・オペラコンサートを全曲聴いた上に、引き続き「日本の話芸20周年スペシャル」を深夜まで見ました。
 オペラも例年になく良かったと思いましたが、この「話芸」にはまいりました。司会の竹下恵子に惹かれて聞いている間に、柳家小さん「長屋の花見」、三遊亭円楽「浜野矩随」、桂文枝「宿屋仇」と続き、風呂に入る暇もありませんでした。次の講談の間に風呂に入り、引き続き桂文治の「浮世床」が終わったのは12時でした。秀逸はやはり小さん。独特の間を取りながらの流れるような話法は、世界のいかなる芸にも負けないと思いました。何十回も聞いた話であったが…

 以上のとおり三日間は何もしないで過ごしました。やっと今日になって、ワイフと娘の三人で近くの神社(下高井戸の菅原神社)に初詣に出かけました。四日ともなれば空いていて、ゆっくりと願をかけて、駅そばの「さか本そば店」で昼食。学生の街だけあって、だだっ広い食事処で、あらん限りのメニューがあり、私のとった「鍋焼きうどん」などは食べきれないほどの量でした。お燗がほしくなったがメニューには「お酒」としかない。ママよ、と頼んだところ、「真澄」の一合瓶におつまみ(枝豆)がついて400円。普通酒ではありましたが暖も取れて実質的な酒でした。
 こうして、今年もソロリと動き始めました。よろしくご指導のほどお願い申し上げます。
                       tabinoplasma

 
      下高井戸の菅原神社
  
  
 「真澄」の燗酒と「鍋焼きうどん」

 


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