タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

タカの渡り報告会

2009年12月10日 | タカの渡り観察
タカの渡り報告会 2009 in 愛媛

 12月5日に愛媛県の最南端、愛南町のサンパールホテルを会場に「タカの渡り報告会2009 in 愛媛」が行われました。

 タカの渡りの話をする機会は昨年も今年の6月にも小さなものはタカ長たちがセットしましたが、今回はそのときよりも参加者も多く、また長野や岐阜など遠くからの参加者もあり「ミニ・全国集会」の感じがしました。



 会場は町の中心部にある小さなホテル。この町に住む鳥友がこの集会の事務局を担当しましたが、小さな町なのでホテルの関係者とも面識があるのでしょう、いろいろな面でホテル側にも協力して頂いたようです。例えばこの会場費、これもサービスだったようです。県外から参加する私たちには少し遠い会場でしたが、このように融通を利かせる面では田舎町のホテルで良かったのでしょう。



 田舎町のホテルと言っても結婚式も行われるようなホテルですから粗末なものではありません。この会場に40名以上の参加者を集めて報告会は行われました。



 準備されたプログラムは11でしたが、急遽参加できない人があって一部配布文書だけの発表もありました。

 各地の観察地の状況

 今春マレーシアで調査された信州グループの発表

 ハチクマの衛星追跡の航跡と東シナ海の気象情報をあわせた研究

 などなど興味ある発表が行われました。中でも後者の発表は参加者の耳目を集めたようです。わがトビ吉おじさんがもっとも関心を示す分野の発表ですが、実際に発表されたのはその研究をされた本人ではなく代理発表でした。そのためもう一歩踏み込んだディスカッションが出来なかったのは残念です。

 会場の雰囲気は「すごい発表だ」と言う一色で、踏み込んだ議論は出来る状態ではなかったようです。確かに私たち在野のアマチュアには出来ない研究で、その研究にけちをつける気は毛頭ありませんが、タカ長のようにフィールドに出ているものからすると、コンピューターのシュミレーションに現場での目視調査を加えて欲しい気がするのです。また、そこまでされるのなら、ハチクマの生理的な能力についても検証して、その能力との整合性についても議論を深めて欲しかったのです。

 タカの渡りのことばかりではありませんが、コンピューターでシュミレーションされた画面を見せられると、現実もその通りに動くような錯覚を起こします。テレビで見る天気予報が良い例です。彼らはそのシュミレーションに従って明日の天気を予報していますが、その予報がパーペクトでないことはご存知の通りです。しかし、テレビ画面で見せられると本当にそのようになるような気がするのが私たち人間なのです。このことはシッカリと心に留めておかないと公正な研究が出来ないような気がしています。

 コンピューターと人間、この場合は現場で観察する人の目などと協力してこの面の研究が進むことを願っています。