麻生太郎と小沢一郎。
昨年9月の自民党総裁選に出た麻生太郎の話を聴いて、本ページでは「薄らバカ」と表現したが、要するに自民党には人がいなくなった。制度的には小選挙区制にその主因があると指摘したが、本質的には世襲議員の劣性遺伝が自民党に巣くい、自民党のダイナミズムを失わせた要因だと見る。三代続けて父祖父に総理大臣を持つ世襲息子が総理に就いたわけだが、その「お坊ちゃま」的体質は結果的に「政権投げ出し」という、厭きたオモチャを放り投げるような幼児性の露出であった。最近でも三世議員で法務大臣の森英介は、のり子さんを両親から強制離別させ、一人で生活するならば日本にいることを許すという「人でなし」であり、13歳の中学1年の女の子に対して、「安定的な生活を送り、幸福になることを期待する」などと発言するに及んで、自民党世襲議員の恐るべき政治感覚に驚く。かつて自民党の故・福田赳夫は赤軍派がKLで人質を取り身代金を要求した時、人の命を助けると言い、超法規措置として身代金をくれてやったことがあった。また赤軍派が飛行機をハイジャックした時、自民党の故・山村新治郎が身代わりとなって、ハイジャック機に乗りこみ平壌まで行ったように、かつて自民党にはサムライがいたものだ。
さて一方、麻生太郎は、安倍、福田とは比較にならぬほどの、明治以来の名門中の名門に生まれ、それこそ日本史に残る華麗なる一族の御曹司。福岡・飯塚ではかつて炭鉱、セメントを主力にした麻生財閥を率い、周りの執事は、腫れ物にでも触るように、ただ平伏するのみであったという。鼻っ柱は人一倍強いが、惜しむらくは品格と教養がない。高級公用車には漫画本を山積みにしているから、漢字が読めないのは道理だ。最近でも八重洲の書店で、1ヶ月前に買った同じ本を買っていたのは、本を読まずして本棚の飾りにでもしているのだろう。さてさて、最近の最大のトピックは、オバマとの日米首脳会談であったが、全くのおざなりな、お喋りにもならない「時間潰し」であった。日本の総理が12時間かけて飛行機でワシントンに駆けつけたというのに、晩餐会どころか昼食会もない、一番大事な世界に発信する「共同記者会見」もないという、何の為に米国まで行ったのか意味不明であった。そして麻生が、お土産で渡した「小浜市の名産、若狭塗りの箸」などはオバマにとってどれほどの意味があったろうか。
☆小沢一郎。
桜の咲く頃までには党首を辞任されることをお勧めする。世論調査では国民の70%が「衆院をすぐに解散せよ、総選挙だ」と希望しているが、麻生内閣に対して問責の一つも出せず、「話し合い解散を」と言う小沢民主党はいらない。麻生太郎自身が何度も明言しているように、「話し合い解散はない」。小沢が、なぜ問責を出せないか、その理由は、己の利権の山を暴かれたくない為ではないか。麻生太郎を追いつめれば、何をするか分からぬ。暗殺された高祖父である大久保利通の暗い情熱を受け継いでいる。民主の山岡が「そろそろ問責を」と言った途端、麻生は手を打った。その一つは西松利権だ。この西松事件の発端は、逮捕された西松の元社長の国沢一派と対立した西松の事業部長が、東京地検に密告して発覚したものだ。さらに小沢の利権疑惑として、昨年防衛次官であった守屋が収賄で逮捕されたように、防衛利権疑惑が存在する。防衛省の予算は年間4兆円を超える。装備費はその半分の2兆円。その巨額予算は毎年発生するものだ。防衛利権の格段に甘い蜜瓶に群がらない蟻はいない。さてさて、小沢一郎は、自分名義で都内一等地に10億円相当の土地と6ヶ所のマンションを購入している。 それを暴露して記事にした週刊現代を小沢は裁判に訴えたが、東京地裁、高裁共に小沢は敗訴している。小沢は、法律上問題はないと強弁したが、政治資金で個人名義の不動産を取得することは問題だ。だから利権の沼に首までどっぷりと浸かっていると批判される。西松ルートは鹿島が仕切り役をやったとされる「東北公共事業の談合」の黒い闇があり、「天の声」と言われる旧田中派の御曹司が急浮上して来ている。
☆小沢一郎と麻生太郎の存在というのは、戦後政治の最後の残滓ではないのか。野党第一党の党首の公設第一秘書が、行政指導で済む形式犯であるにも関わらず、いきなり逮捕されるということは異常である。これが通れば自民党の議員秘書は全員逮捕されるのではないか。逮捕するにしても「談合」「あっせん利得」クラスで無ければ強制捜査はできない。つまり国策捜査であるから小沢の右腕の大久保隆規をしょっ引いた訳だが、麻生太郎の放った矢はマーフィーの法則に従って、己の延命の為にはならず、民主党の新看板を掲げさせる手助けになるのではないか。
★
役人と組合。
農林水産省が組合のヤミ専従疑惑を隠していた問題。
全国で、職員でありながら組合のヤミ専従が142人いたという。 しかし疑惑対象の職員数をゼロと報告した農水省の事務所長もいた。ゼロ回答の指導をしたのは秘書課長の松島浩道(51)。「他省庁から(農水省にもヤミ専従がある)という密告があり調べたところ、農政事務所の驚くべき実態が明らかになったという。松島浩道は、「発言の内容を覚えているわけではないが、ヤミ専従について、もし、口止めと受け取った人がいたとしたら本意ではない」と弁解した。役人は、ストライキ権はないが、身分は保証されている。だから失業手当はなく給料から引かれない。だから役人天国と言われる。役人にもストライキ権を与え、同時に雇用の保証は民間と同じレベルにすべきだ。
(ムラマサ、鋭く斬る)
昨年9月の自民党総裁選に出た麻生太郎の話を聴いて、本ページでは「薄らバカ」と表現したが、要するに自民党には人がいなくなった。制度的には小選挙区制にその主因があると指摘したが、本質的には世襲議員の劣性遺伝が自民党に巣くい、自民党のダイナミズムを失わせた要因だと見る。三代続けて父祖父に総理大臣を持つ世襲息子が総理に就いたわけだが、その「お坊ちゃま」的体質は結果的に「政権投げ出し」という、厭きたオモチャを放り投げるような幼児性の露出であった。最近でも三世議員で法務大臣の森英介は、のり子さんを両親から強制離別させ、一人で生活するならば日本にいることを許すという「人でなし」であり、13歳の中学1年の女の子に対して、「安定的な生活を送り、幸福になることを期待する」などと発言するに及んで、自民党世襲議員の恐るべき政治感覚に驚く。かつて自民党の故・福田赳夫は赤軍派がKLで人質を取り身代金を要求した時、人の命を助けると言い、超法規措置として身代金をくれてやったことがあった。また赤軍派が飛行機をハイジャックした時、自民党の故・山村新治郎が身代わりとなって、ハイジャック機に乗りこみ平壌まで行ったように、かつて自民党にはサムライがいたものだ。
さて一方、麻生太郎は、安倍、福田とは比較にならぬほどの、明治以来の名門中の名門に生まれ、それこそ日本史に残る華麗なる一族の御曹司。福岡・飯塚ではかつて炭鉱、セメントを主力にした麻生財閥を率い、周りの執事は、腫れ物にでも触るように、ただ平伏するのみであったという。鼻っ柱は人一倍強いが、惜しむらくは品格と教養がない。高級公用車には漫画本を山積みにしているから、漢字が読めないのは道理だ。最近でも八重洲の書店で、1ヶ月前に買った同じ本を買っていたのは、本を読まずして本棚の飾りにでもしているのだろう。さてさて、最近の最大のトピックは、オバマとの日米首脳会談であったが、全くのおざなりな、お喋りにもならない「時間潰し」であった。日本の総理が12時間かけて飛行機でワシントンに駆けつけたというのに、晩餐会どころか昼食会もない、一番大事な世界に発信する「共同記者会見」もないという、何の為に米国まで行ったのか意味不明であった。そして麻生が、お土産で渡した「小浜市の名産、若狭塗りの箸」などはオバマにとってどれほどの意味があったろうか。
☆小沢一郎。
桜の咲く頃までには党首を辞任されることをお勧めする。世論調査では国民の70%が「衆院をすぐに解散せよ、総選挙だ」と希望しているが、麻生内閣に対して問責の一つも出せず、「話し合い解散を」と言う小沢民主党はいらない。麻生太郎自身が何度も明言しているように、「話し合い解散はない」。小沢が、なぜ問責を出せないか、その理由は、己の利権の山を暴かれたくない為ではないか。麻生太郎を追いつめれば、何をするか分からぬ。暗殺された高祖父である大久保利通の暗い情熱を受け継いでいる。民主の山岡が「そろそろ問責を」と言った途端、麻生は手を打った。その一つは西松利権だ。この西松事件の発端は、逮捕された西松の元社長の国沢一派と対立した西松の事業部長が、東京地検に密告して発覚したものだ。さらに小沢の利権疑惑として、昨年防衛次官であった守屋が収賄で逮捕されたように、防衛利権疑惑が存在する。防衛省の予算は年間4兆円を超える。装備費はその半分の2兆円。その巨額予算は毎年発生するものだ。防衛利権の格段に甘い蜜瓶に群がらない蟻はいない。さてさて、小沢一郎は、自分名義で都内一等地に10億円相当の土地と6ヶ所のマンションを購入している。 それを暴露して記事にした週刊現代を小沢は裁判に訴えたが、東京地裁、高裁共に小沢は敗訴している。小沢は、法律上問題はないと強弁したが、政治資金で個人名義の不動産を取得することは問題だ。だから利権の沼に首までどっぷりと浸かっていると批判される。西松ルートは鹿島が仕切り役をやったとされる「東北公共事業の談合」の黒い闇があり、「天の声」と言われる旧田中派の御曹司が急浮上して来ている。
☆小沢一郎と麻生太郎の存在というのは、戦後政治の最後の残滓ではないのか。野党第一党の党首の公設第一秘書が、行政指導で済む形式犯であるにも関わらず、いきなり逮捕されるということは異常である。これが通れば自民党の議員秘書は全員逮捕されるのではないか。逮捕するにしても「談合」「あっせん利得」クラスで無ければ強制捜査はできない。つまり国策捜査であるから小沢の右腕の大久保隆規をしょっ引いた訳だが、麻生太郎の放った矢はマーフィーの法則に従って、己の延命の為にはならず、民主党の新看板を掲げさせる手助けになるのではないか。
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役人と組合。
農林水産省が組合のヤミ専従疑惑を隠していた問題。
全国で、職員でありながら組合のヤミ専従が142人いたという。 しかし疑惑対象の職員数をゼロと報告した農水省の事務所長もいた。ゼロ回答の指導をしたのは秘書課長の松島浩道(51)。「他省庁から(農水省にもヤミ専従がある)という密告があり調べたところ、農政事務所の驚くべき実態が明らかになったという。松島浩道は、「発言の内容を覚えているわけではないが、ヤミ専従について、もし、口止めと受け取った人がいたとしたら本意ではない」と弁解した。役人は、ストライキ権はないが、身分は保証されている。だから失業手当はなく給料から引かれない。だから役人天国と言われる。役人にもストライキ権を与え、同時に雇用の保証は民間と同じレベルにすべきだ。
(ムラマサ、鋭く斬る)