政府の原子力災害対策本部は、福島第1原発の半径20km~30km圏内の緊急時避難準備区域を、9月上旬にも一括して解除する方針を決めた、という。
大丈夫なの??
素朴な疑問。
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●【原発】政府が緊急時非難準備区域解除へ
テレ朝 (08/10 00:05)
福島第一原発から半径20キロから30キロに設定されている「緊急時避難準備区域」について、政府は、早ければ9月上旬にも一斉に解除する方針を決めました。
政府の原子力対策本部は福島第一原発について、水素爆発や原子炉の冷却機能が失われるなどの可能性が低くなり、安全性が確保されていると判断しました。これを受けて、緊急時避難準備区域の対象となった広野町など5つの自治体が、放射性物質の除染作業や、学校や病院などのインフラ整備に関する「復旧計画」を策定することになりました。その復旧計画を踏まえ、政府は、早ければ9月上旬にも一斉に緊急時避難準備区域の解除を認める方針です。また、これまで認められていなかった原発から3キロ圏内の住民の一時帰宅については、今月中に始めたいとしています。
●政府、緊急時避難準備区域を9月上旬にも一括解除へ 5市町村・約5万8,500人が対象
FNN (08/10 00:53)
政府の原子力災害対策本部は、福島第1原発の半径20km~30km圏内の緊急時避難準備区域を、9月上旬にも一括して解除する方針を決めた。
菅首相は「水素爆発といった危険性が少なくなり」と述べた。
南相馬市など5つの市町村、およそ5万8,500人が対象となっている。
さらに、事故後初めて、原発から3km圏内の住民の一時帰宅を8月中にも実施することも決定した。
●「準備区域」の避難解除、9月上旬にも
2011年8月9日22時40分
菅政権の原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)は9日、東京電力福島第一原発から半径20キロ以遠の「緊急時避難準備区域」について、9月上旬にも指定を解除する方針を決めた。原子炉の危険性が低下したと判断したためで、自治体ごとにつくる計画に沿って住民帰還を進める。原発から半径3キロ圏内の避難住民の一時帰宅を8月中にも開始することも決めた。
政権が指定した避難区域が解除されれば初めて。
緊急時避難準備区域は原発から半径20~30キロ圏にあり、年間の累積放射線量が20ミリシーベルトに達するおそれがない地域。福島県広野町、楢葉町、川内村、田村市の一部、南相馬市の一部の計5市町村が対象だ。子供や妊婦、入院患者などは立ち入らないよう求められ、それ以外の人も緊急時に屋内退避や避難ができるよう準備する必要がある。住民約5万8500人のうち、約2万5千人が現在も避難している。
●「緊急時避難準備区域」一括解除の方針決定
(2011年8月9日19時55分 読売新聞
政府は9日、首相官邸で原子力災害対策本部(本部長・菅首相)の会合を開き、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う「緊急時避難準備区域」について、一括解除する方針を決定した。
実際の解除は対象となる自治体がまとめる復旧計画が出そろう今月下旬から9月上旬に行われる見通しだ。
緊急時避難準備区域は同原発の20キロ・メートル以遠の地域で、対象は福島県南相馬市、田村市、広野町、楢葉町、川内村の5市町村。緊急時の避難準備や子供などの自主避難を呼びかけている。同本部によると、5市町村は遅くとも9月上旬までに学校や医療機関の再開時期を明示した復旧計画を策定する。計画がそろい次第、政府は指定を解除し、住民の帰宅を実現させる。菅首相は会合で「避難も大変だが、避難から帰るのもそれ以上に大変なことがある。各省庁しっかり連携してほしい」と指示した。
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東京は岐阜よりも原発の事故現地に近い、
そんな当たり前のことを考える。
むろん、それが直ちに・・・ということではないけど。
今は、おとなしくしている。
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●震災10日後、2度目の溶融か 福島3号機、専門家指摘
朝日 2011年8月8日3時2分
福島第一原発3号機の再溶融のイメージ
炉心溶融を起こした東京電力福島第一原発3号機で、東日本大震災から10日後、冷えて固まっていた炉心の大部分が「再溶融」したとする説を専門家がまとめ、来月、日本原子力学会で発表する。東電は原子炉圧力容器底部の温度が低下した状態(冷温停止)を事故収束の目標としているが、炉心の大半が溶けて格納容器に落下しているなら、収束に向けた工程表に影響する可能性もある。
3号機は、炉内への注水が始まった3月13日午前9時25分まで約6時間以上空だきになり、14日午前11時ごろには原子炉建屋で大規模な水素爆発が発生。炉心が溶融し、圧力容器の底に落ちたと考えられている。
東電の公表データによると、3号機炉内への1日あたりの注水量はその後、20日までは300トン以上を保っていた。燃料は冷えて固まったとみられる。
ところが、注入できた量は21~23日に約24トン、24日は約69トンに激減した。圧力容器の圧力が高まり、水が入りにくくなった可能性がある。
旧日本原子力研究所で米スリーマイル島原発事故などの解析を手がけた元研究主幹の田辺文也さんによると、この量は炉内の核燃料の発熱(崩壊熱)を除去するのに必要な水量の11~32%しかない。1日もあれば全体が再び溶ける高温に達する計算になるという。
田辺さんは、大規模な「再溶融」によって高温になった核燃料から大量の放射性物質が放出され、大半が圧力容器の底から格納容器まで落ちたと推測する。
●原発推進がやめられないわけ 経済産業省「電力互助会」の暗躍(4)
NetIBNEWS(ネットアイビーニュース)/脱原発・新エネルギー 2011年7月14日 07
・・・・そんな役所の不安をよそに、菅首相はこれ見よがしに新エネルギーへの転換を、政権への求心力を高める材料に使おうとしてきた。6月7日には政府の新成長戦略会議のなかで新エネルギー戦略の策定を謳い上げ、玄葉光一郎国家戦略担当相を議長とする「革新的エネルギー・環境会議」を設置することを決めている。エネルギー政策の立案はこれまで経産省の総合資源エネルギー調査会が担ってきたが、これは明らかに官邸主導による経産省外しである。
「革新的エネルギー・環境会議」の発足に先立って6月3日に行なわれた副大臣級の準備会合では、首相の信任が厚い福山哲郎官房副長官が「総合エネ調に任せて、これまでの発想でつくらせて良いのか。首相が言うような発送電分離という言葉も入れるべきだ」と、反経産省・反東電の姿勢を露骨に鮮明にしている。
首相は6月12日、「自然エネルギーに関する総理有識者オープン懇談会」を官邸で開き、意気投合するソフトバンクの孫正義社長やミュージシャンの坂本龍一氏(ビデオ参加)ら5人を集めている。著名人の人気にあやかって政権延命につなげたいという首相のさもしい戦術ではあるが、興に乗った首相はこの場で、資源エネルギー庁ならぬ自然エネルギー庁の設立を披露している。
もともと市民運動出身の菅首相にとって、原発依存度の高い従来のエネルギー政策を転換するというのは、当然の方向性だ。首相は再生可能エネルギーの導入の旗を振るとともに、 それに対して経産省や東電など既存電力会社が邪魔をしているとして、意識的に彼らを悪者に仕立てあげている。全共闘世代特有の手法である。強いスローガンを掲げて耳目を引き付けて求心力を高め、打倒すべき敵を明示することで単純な勧善懲悪の図式に追い込む。このやり口によって叩きやすい相手が、経産省である。
原発事故後の早い段階で、首相は原発推進の経産省・エネ庁の傘下に、安全規制を担う原子力安全・保安院があるのはおかしいとして、保安院の分離を唱えている。政権内には保安院を分離独立させて原子力安全委員会と統合し、そのうえで環境省の傘下に原子力安全局としてぶら下げるという構想も唱えられている。
こうした経産省分割論が表面化するなか、経産省の事務方官僚にとっては頭の痛い出来事が起きた。エネ庁次長としてエネルギー政策の取りまとめ役である木村雅昭氏が、エルピーダメモリでインサイダー取引をしていた疑いがあり、証券取引等監視委員会に6月上旬から強制調査を受けていたことが明らかになったのだ。
(つづく)
【尾山 大将】
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原発事故で関東圏では特に危機感を持つ人が多い。
むろん、いろいろな汚染物が全国各地に拡散しているけれど。
今朝はそんなところを記録して、
名古屋の一番を過ぎた新幹線で東京へ行く。
・・・夏休みで首都圏から離れる人もいるのに・・・
ともかく、しばらくは、向こうから。
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●放射能防御プロジェクト
放射能防御プロジェクト
●首都圏150ヶ所 放射能土壌調査会見
「首都圏150ヶ所 放射能土壌調査会見」
日時 8/8(月)13:45より会見開始
会見場所 参議院議員会館B104
会見者 紀藤正樹(弁護士)
土井里紗(医師)他
会見団体 「放射能防御プロジェクト」
土壌調査の結果に加えて、内部被曝についての解説、国への要望、識者のコメントなどを発表します。
会見はインターネットでも生中継されます。 |
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●放射線防御プロジェクトとは
放射線防御プロジェクトとは
3・11福島第一原発事故をうけ、市民への情報共有を目的とした任意の市民グループです。
福島第一原発の事故を世界的に最大規模の原子力事故として認識し、その事故による放射性物質の拡散による被害が甚大で、大気、土壌、海、川、湖、地下水などへの汚染拡大から、食料の汚染、さらには健康被害が増加することを防ぐために活動を始めた任意の市民グループです。
「福島第一原発の事故の真実を知りたい」という思いから、首都圏をはじめとし、日本全国はもちろん、さらには世界各国からも合わせて約5000人のメンバーがネットでつながった、Facebookグループ「福島第一原発を考えます」が母体になっています。
まずは、今回行なった「首都圏土壌調査」などのデータを発表することで、福島第一原発事故による放射能汚染がいかに危険な状態なのかを皆さんと共有し、放射能からこの国を守るための提案や活動を行なっていきます。 |
●チェルノブイリ級の放射能汚染地も? 市民団体が「関東150ヶ所」土壌調査結果を発表
ニコニコニュース(オリジナル) 2011年8月8日(月)23時25分配信
放射能防御プロジェクトが発表した「関東150ヶ所土壌汚染調査結果マップ」
ニコニコニュース(オリジナル) 福島第1原発から飛散した放射能の健康被害を懸念する市民グループ「放射能防御プロジェクト」は2011年8月8日、都内で会見を開き、同グループが検査会社に依頼して行った首都圏約150ヶ所での土壌調査の結果を発表した。同グループによると、1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発の周辺と同じレベルの汚染地域が首都圏にも存在していることが分かったという。
放射能防御プロジェクトはSNSサイトのFacebookのグループ「福島第1原発を考えます」(2011年8月8日22時点で4980人)が母体となってできた市民グループ。今回の調査は、首都圏の土壌の現状を知りたいと思った同グループの有志が資金(1万5千円ずつ)を出し合って行われた。
同グループが発表した資料によると、最も高い数値として埼玉県三郷市早稲田の植え込みの土壌からセシウム134とセシウム137の合計1万4140Bq(ベクレル)/kg(7月17日時点)が検出された。この数値を原子力安全委員会の換算方法で1平方メートルあたりの数値に換算し、チェルノブイリ原発事故のセシウム137による汚染レベル区分と比較すると、「第2区分・一時移住区域」となり移住の義務があることになるという。
さらに同資料には、千葉県松戸市紙敷の園庭ではセシウム合計7031Bq/kg、東京都江戸川区臨海町の植え込みではセシウム合計3693Bq/kg、茨城県取手市藤代の庭ではセシウム合計3380Bq/kgとあり、チェルノブイリ原発事故のセシウム137による汚染レベル区分と比較すると、それぞれが「第3区分・希望移住区域」となり、移住の権利が認められることになるという。
一方、東京都文京区小石川4丁目ではセシウム134と137の合計で2500Bq/kg(6月2日)が検出されているが、同区小石川5丁目では25Bq/kg(同日)ほどしか検出されず、放射性物質が均一には拡散していないことが改めて示された。
会見で、同グループの土井里紗医師は「この数値はあくまで市民団体が行ったもので、汚染区分は概算の数値」とした上で、「今まで『首都圏においてはチェルノブイリほどの汚染はない』と言われていたが、それを否定する結果だ」と述べた。
また同グループは、調査結果を踏まえ、菅直人首相と関東7都県の知事に「関東地域の500mメッシュの詳細な放射能土壌調査を行ない、その結果をもとに生活圏全般にわたる徹底的な除染、立ち入り禁止区域の設定を実施すること」などを求める要望書を作成。会見で、同グループの紀藤正樹弁護士は「行政が真剣に考えて、この土壌調査の問題に取り組むべき」と話した。(山下真史)
● 放射能防御プロジェクト 木下黄太のブログ 「福島第一原発を考えます」
「いったい、みんな何を食べているのかな」 毎日がサバイバルな東京・食事事情 2011-08-04 09:53:44 | 福島第一原発
●チェルノブイリへのかけはし
特定非営利活動法人チェルノブイリへのかけはしの公式サイト&ブログ
●「ついに沖縄にも」 セシウム汚染腐葉土
琉球新報 2011年8月5日
琉球園材が県内小売り業者に販売していた腐葉土3リットル
琉球園材が県内小売り業者に販売していた腐葉土18リットル
カインズホームFCサンプラザ糸満店が販売していた腐葉土3リットル
カインズホームFCサンプラザ糸満店が販売していたバーク入り腐葉土14リットル
県内で流通していた肥料メーカー「瀬戸ヶ原花苑」(群馬)販売の「瀬戸ヶ原腐葉土 18L」が県の検査で、国の流通基準値を大幅に超える放射性セシウムが検出された問題を受け4日、同商品の卸売業者や県内のホームセンターは今後の対応に困惑や不安の声を上げた。購入者や放射性物質の流通の危険性を訴えている市民団体は、原発事故の影響が直接なかった沖縄に放射性物質が流通していた事実に衝撃を受けるとともに除染を強く求めた。
県内のホームセンターなど25店に流通させていた卸売業者、琉球園材(沖縄市)の担当者は、県から放射性セシウム検出の連絡がなかったとして「数値が出て非常に驚いている」と困惑し「どのような対応を取ったらいいか確認し、現場と打ち合わせしていきたい」と述べた。
県内2店舗で同商品を販売していたホームセンターさくもとの担当者は「同商品を7月25日に販売停止した時、瀬戸ヶ原から琉球園材を通し『出荷時に検査していたから大丈夫だ』と言われたのに」と信じられない様子。
今後の対応について「すぐに回収する」としたが「既に畑などに使われた場合はどう対応すればいいのか」と困惑した。
うるま市石川のホームセンタータバタの田端孝史常務は「琉球園材から『販売した分をすぐに回収してくれ』と言われたが、どこに責任を置いた文言で消費者に説明すればいいのか」と漏らし「瀬戸ヶ原か琉球園材が相談窓口を設置してほしい」と訴えた。
関東方面の汚泥肥料を県内に流通させないよう県に求めるため署名活動に取り組む「放射能防御プロジェクト沖縄支部」の吉田明彦さん(49)は「極めて深刻だ。回収するだけでなく、腐葉土がまかれた畑を検査し、厳しい基準で除染するべきだ」と指摘した。
5月上旬に浦添市のホームセンターで購入した瀬戸ヶ原の腐葉土を使い、ゴーヤーを育ててきた主婦(37)は「子どもたちと毎朝水をかけて楽しみにしてきたのに」と失望を隠せない様子。「全てを処分したいがどうしたら分からない。恐ろしい」と心配していた。
●放射能「不安」 子ども伴い、夏休み県外へ
埼玉 2011年8月8日(月)
放射線の影響を懸念し、埼玉県や神奈川県から離れ、8月末まで長崎県東彼杵町で共同生活する保護者や子どもたち(酒寄亜利佐さん提供)
東京電力福島第1原発事故による放射線被害を懸念し、夏休み期間中に県内から子どもを連れて九州などに“疎開”する母子が相次いでいる。いわゆる「ホットスポット」(放射線量が局地的に高い地域)が話題となっている吉川、三郷市など県東南部からも、不安を抱えた母親が疎開に踏み切るケースが見られる。中には夏休みだけではなく、永住を検討している家族もいる。
「放射能から解放され、肩の力が抜けました」。そう語るのは7月末から子ども3人と一緒に長崎県東彼杵(ひがしそのぎ)町に疎開している吉川市の主婦、酒寄亜利佐さん(36)。東京都足立区の飲食店経営、島川浩二さん(35)らが企画した関東から母子を受け入れる夏休みのプロジェクトに参加中だ。
プロジェクトに賛同する同町は町立の「農村環境改善センター」を一時避難先として提供。現在、関東近県から口コミやネットを見て集まった10世帯26人が共同生活を送っており、今後、参加する家族を含めると計14世帯38人(大人14人、子ども24人)に上る。埼玉県から避難したのが9世帯と最も多く、そのうち吉川市と三郷市で6世帯を占める。センターの会議室に畳を敷き、協力して食事を作るなど、まるで「合宿」のように暮らしているという。
酒寄さんによると、吉川市の自宅にいる時は「私と子どもにとってすごいストレスでした」。水道水は使わず、小学生の子どもに弁当を持たせる毎日。心配なのでマスクを着用させるが、子どもはすぐに外してしまう。東彼杵町に来て「水道を使ったり、外で走り回る普通の生活に」感動したといい、夫が長崎県で仕事が得られ次第、永住するつもりだ。
三郷市内の1地点では、国際放射線防護委員会(ICRP)が定める一般市民の年間被ばく量の上限1ミリシーベルト(自然放射線量を除く)を超える可能性が、県の7月の調査で確認されている。
市民団体「放射能から子ども達を守ろう みさと」は先月、約100人のメンバーにアンケートを実施。「今の線量が続くとして避難を考えるか」と聞いたところ、回答した延べ49人のうち、10人は「検討している」、38人は「実現可能かどうかは別にして、できればしたい」とした。1人は既に県外に避難していた。
アンケートをまとめた同団体の代表の名取知衣子さん(37)=三郷市=は「行政は『健康に問題ない』と言うが、多くの人が避難を検討するほど現状を重く捉え、心配している」と説明する。小学4年生の長女(9)と長男(1)がいる名取さん。夏休みは兵庫県の夫の実家に1週間程度行く予定。だが単純な帰省ではなく、埼玉を離れることを視野に入れ、生活環境を見るためでもある。
名取さんは「行政は線量を下げる対策を取るべき。保護者も喜んで計測や除染に協力するはず」と話している。
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日本の裁判には、大きく分けると、民民のことを扱う民事事件訴訟と刑事犯などを扱う刑事事件訴訟とがある。
位置づけがやや不明確との観もある行政事件訴訟、これは、私がたくさんやってきた住民訴訟や情報公開などの不利益処分の取り消しを求める訴訟だ。
この「役所」のしごとを扱う行政事件訴訟には、民事事件の手続きが準用される。
弁護士を代理人として立てずに、「本人訴訟」ということで国民自身が裁判をすることができる。
道理からすれば、まず本人による訴訟があって、その複雑な場合などに代理人を頼む、それが訴訟の筋だろうと思っている。
だから、私は、9割方をその「本人訴訟」でやってきた。
ある時、弁護士に言われたことがある。
「数年前までは『行政訴訟』は司法試験の対象に入っていなかった」
・・・だから、弁護士で行政訴訟をできる人は少ない、との意。
ところで、裁判官・検察官・弁護士になるためには「司法試験」を通ることが必要とは、漠然と認識している人は少なくない。
私もその程度。(法科大学院というのもできている)
その合格などした人たちは、「司法修習」という期間、経験を経てから「職」につく。
「司法修習は、司法試験合格者を対象にして、裁判官・検察官・弁護士になるために最高裁判所が行う研修です。」
司法修習について
・・・ともかく、今日は「司法修習生」へのレクチャーを頼まれている。
県弁護士会の修習委員会の企画ということで話があった。
岐阜県に来ている「司法修習生」に、「行政事件」について、「住民側の立場から」経験談を2時間、という主旨。
そんな人たちへの話ができるのは、光栄なこと(笑)
そこで、今日は、そんな司法関係のことのブログ。
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●【社説】司法は「市民の砦」か 週のはじめに考える
中日 2011年8月8日
過去の原発をめぐる住民訴訟はすべて、結果的に「原告敗訴」で終わっています。
福島第一原発の事故を境に、裁判官の考え方は変わるでしょうか。
「相対性理論」で名高いアインシュタイン博士は一九四五年、「アトランティック・マンスリー」という雑誌に次のようなことを書いたそうです。
《原子力が将来、人類に大きな恵みをもたらすとは、いまのわたしには、考えにくいのです。原子力は脅威です》(講談社刊「科学の巨人 アインシュタイン」)
覆った差し止め判決
福島第一原発事故で、金沢地裁の元裁判官・井戸謙一さんはその脅威をしみじみ感じました。
「いよいよ起きてしまった。まずそう感じました。全国の原発に共通する危険性が、現実化したのだと思いました」
二〇〇六年、石川県にある北陸電力・志賀原発で、全国初の「運転差し止め」を命じた当時の裁判長だった人です。
この裁判では、どんな揺れが原発を襲うかが争点の一つでした。原発近くの断層帯全体が一度に動けば、マグニチュード(M)7・6の地震が起こる可能性が指摘されていました。電力会社は断層は別々に動くと主張し、もっと小さな揺れを想定していました。
井戸さんらは「予測される地震は最大想定値として考慮すべきだ」と考えたのです。
しかし、この判決は〇九年の二審で取り消されてしまいます。新しい耐震設計審査指針に基づく見直しが実施され、「安全」という国のお墨付きが出ていたのです。
名古屋高裁金沢支部は国の安全判断を認めました。「M6・8で十分。断層帯が連動して動くことはない」とする電力会社の想定を妥当とし、最高裁も原告の上告を退ける決定をしました。
最高裁は「二重基準」
井戸さんはこう続けます。
「原発に問題点があることを感じていても、多くの裁判官は過酷事故を起こす現実感を持てなかったのではないでしょうか。今回の事故は、事実をもって、問題点の証明をしたと言えます」
長く原発訴訟に取り組んできた海渡雄一弁護士も「日本の司法は原発の安全性に向き合ってこなかった」と厳しく指摘します。
「そもそも数々の原発訴訟で『原告勝訴』の判決が出たのは、わずか二件だけです。
志賀原発の一審判決と、福井県の高速増殖炉『もんじゅ』の二審判決です。それも上級審で敗訴に逆転します。これまでの裁判を見通すと、最高裁はまるでダブルスタンダード(二重基準)を用いているのではないかと思われるほど、常に国の判断に追随してきたのです」
「もんじゅ」の設置許可を「無効」とする判決が出たのは〇三年です。判決は「安全審査に重大な誤りがある」と述べました。それを最高裁が〇五年に覆します。
「最高裁は事実認定しないのが原則ですが、『もんじゅ』では、高裁判決にはない事実認定を書き加え、矛盾する高裁の認定はすべて無視して、国の安全審査に過誤・欠落はないと結論づけたのです。逆に東京電力の柏崎刈羽原発の訴訟では、最高裁は法律上の判断しかしないとして、上告理由はないと退けました」(海渡さん)
裁判官は国や専門家の判断を尊重し、手続きに重大な誤りや落ち度などがなければ「問題なし」としてきたのが実態なのです。
中部電力・浜岡原発の裁判では、後に原子力安全委員長となった班目(まだらめ)春樹氏が中電側の証人として、「(原発の設計は)どこかで割り切る」と証言しました。班目氏は原発事故後の国会で「割り切り方が正しくなかった」と珍妙な答弁をしました。専門家もあてにならない証左です。
この浜岡原発訴訟の弁護団長・河合弘之弁護士を中心として、今年秋から全国各地で「脱原発訴訟」を起こす動きがあります。既に約百人の弁護士が名乗りを上げています。3・11を受けて、国民の認識も裁判官の認識も変わったという風を感じています。
元裁判官の井戸さんも「第二のフクシマを想定し、裁判官の発想も影響を受けるでしょう」と語ります。「正義はあっても力を持たない人間が、立法や行政に頼れないとき、救済できるのは司法だけです。つまり司法は最後の『市民の砦(とりで)』であるべきです」
原点に立った目で
人間が発見した原子力をなぜ人間が管理できないのか。アインシュタイン博士は皮肉を込めて「政治が物理学より難しいからですよ」と答えたそうです。
科学の巨人が「脅威」と語った原子力について、やすやすと最高裁が容認してきたことに驚かざるを得ません。原点に立ち返って、「市民の砦」の役割を期待したいと思います。 |
【行政訴訟 ぎょうせいそしょう】 はてなキーワード > 行政訴訟
国の機関や地方自治体などの行政官庁の行った行為の適法性についてを争い、その取り消しや変更などを住民などが原告となって求める訴訟のこと。日本の場合、司法裁判所で裁判が行われる。また、主観訴訟(個人的な権利利益の保護を目的とする訴訟)と客観訴訟(非個人的な法秩序の適正維持を目的とする訴訟) の2種類に分類される。 |
● もっと詳しくは ウィキペディア / 行政訴訟 とか
●【 司法修習 (しほうしゅうしゅう) 】 ウィキペディア / 司法修習
● 司法修習生に対する給与の支給継続を求める市民連絡会
2010年6月16日
今年の11月、これまで法律家の卵である司法修習生が研修する際に支給されていた給与がなくなり、生活費のない修習生には裁判所がお金を貸し付ける「貸与制」に変わろうとしています。
志をもった優秀な若者たちが、家庭の経済的な事情で法律家への道が絶たれる。そんな社会で本当にいいのでしょうか? また、お金がないと法律家になれなくなり、庶民感覚からほど遠い人たちが司法の世界の多数を占めるようになったとき、私たちの暮らしや権利は守られるのでしょうか。この問題は、単に法律家だけの問題ではなく、私たち市民の問題でもあるのです。
・・・ |
● 日本弁護士連合会:司法修習給費制の維持を
司法修習生に対する給費制を1年間延長する裁判所法改正法が成立しました
●司法修習生の43%「就職未定」=過去最悪、不況など影響―日弁連
時事通信 8月3日(水)18時34分配信
日弁連は3日、2010年の新司法試験に合格した司法修習生のうち過去最多の43%が、7月時点で「就職先が未定」と回答したとする調査結果を公表した。
調査は日弁連が修習生に対しメールを送るなどの方法で3月から毎月実施。7月の調査では、2022人の修習生のうち913人(45%)が回答した。
同様の調査は4年前から実施しており、7月時点の未定率は8%、17%、24%、35%と年々悪化していた。
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九州電力の玄海原発に関しての「やらせメール」問題で、九電幹部が作成した知事発言メモの概要が明らかになった
県民参加の国・説明会の人選も仕組まれていたらしい。
(考えてみるまでもなく、当然のことか・・・)
県議への働きかけも示されているという。
(知事は、再開に関して、「県議会の意見を重視する」旨をにおわせていたことが思い出される)
保安院の賛成呼びかけも含めて、あってはならないことが行われていた実態がますます示される。
先に7月30日のブログで
「この問題は、しばらくは、新たな事実がてでくると思うので」
と書いたけど、そんな流れ。
知事の今後も、原発再開問題も争点になるのだろう。
(2011年7月30日ブログ)⇒ ◆原子力安全・保安院の存在意義は/被ばく上限緩和要請/集会で賛成要請/まだ、続くか
(2011年7月8日ブログ)⇒ ◆原発・「ストレステスト」は当然のこと / 「やらせメール」は電力会社の体質では
(2011年7月31日ブログ)⇒ ◆佐賀県知事/やらせ誘発の依頼/玄海町長も/あちこちにウミ
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●九州電力:原発やらせメール 佐賀知事、県議に働きかけ要請 発言メモの概要判明
毎日新聞 2011年8月6日
佐賀県の古川康知事が九州電力の「やらせメール」を誘発する発言をした問題で、九電幹部が作成した古川知事の発言メモの概要が九電関係者への取材で分かった。九電玄海原発(同県玄海町)2、3号機の運転再開に向け、九電に対し、支持者などを通じて自民党系県議に働きかけるように求め、国主催の県民向け説明番組には賛成意見の投稿を要請する内容になっている。
メモなどによると、古川知事は「自民党系県議に選挙を通じて不安の声が寄せられていることから、支持者にいろいろなルートで働きかけるようにする」「運転再開容認の立場から番組にネットを通じ意見や質問を出す」の2点を求めた。
また▽運転再開に向けた動きを丁寧にやっていくことが肝要▽番組出演者のうち1人は商工会議所専務理事を予定し、反対派は代表者選抜が難しいので普通の参加者を選ぶことになる▽危惧される国側のリスクは菅総理の言動--など具体的な内容が記されていた。
古川知事と九電の前副社長ら幹部3人は番組放映5日前の6月21日、佐賀市の知事公舎で面談。その際、知事は「経済界からも賛成意見を出してほしい」と伝えた。九電側は前副社長が同席した佐賀支社長にメモ作成を指示。メモは原子力本部に渡り、社員約100人に送ったメールに添付する形で広がった。
古川知事は面談での発言について「やらせメールを要請した事実はない」と否定し、九電の眞部利應(まなべとしお)社長も「やらせは知事の発言が引き金ではなく、不正確な文書の作成が誤解を与えた」と擁護している。今回判明したメモは県議への働きかけや番組参加者の選定など、具体的なことから、古川知事の原発再稼働への積極姿勢を浮き彫りにする形となった。【石戸久代、福永方人】
◇知事「根拠は?」
佐賀県の古川康知事は6日午前、同県唐津市で開かれた講演後、報道陣に対し、発言の事実関係について「何を根拠におっしゃっているのかわからない」とのみ答えて車に乗り込んだ。知事は2日の会見で、九電で作成された発言メモについて「見ていない」と話していた。
●佐賀知事 「県議に働き掛けを」 玄海原発再開 九電メモ、事実と一致部分も
西日本 2011年8月7日 01:56
九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働をめぐる「やらせメール」問題で、九電幹部が作成した古川康・佐賀県知事の発言メモの概要が6日、明らかになった。「脱原発」を掲げる菅直人首相の存在が再稼働のリスクになるとの見方や、原発の緊急安全対策について国際原子力機関(IAEA)に評価してもらうように国に求めていることなどを明記。メモ通りであれば中立を求められる知事の政治姿勢が厳しく問われそうだ。
古川知事は番組放送5日前の6月21日、当時の副社長ら九電幹部と佐賀市の知事公舎で面談。その際の知事発言を、同席した佐賀支店長(現・佐賀支社長)がメモで残していた。メモは22日に九電社内にメール配信された直後、削除要請があったという。
関係者によると、メモはA4判2枚で「古川知事の発言のみ記載」として箇条書き。国にIAEAから国の緊急安全対策を評価する談話を出してもらうよう進言したことや、原発再稼働に向けた国側のリスクが菅首相とみているなどの記述があった。
さらに、「九電へのお願い」として、6月26日の国の説明番組への再稼働容認の投稿に加え、県議への働き掛けも要請。最大会派の自民党系県議が運転再開に理解を示す一方、支持者から原発への不安の声を受けていると指摘した上で「いろいろなルートで働き掛けるために支持者にお願いしてほしい」と求めた。
九電は6日、こうしたメモの概要について「当社にある古川知事との面談メモと異なるものではない」(社長室)と認めるコメントを発表した。
一方、古川知事は同日午前、同県唐津市内で記者団に、県議への働き掛け要請などについて「何を根拠に言っているのか分からない」と説明を拒否。古川知事は7日未明、佐賀市内で記者団に「9日の県議会特別委員会できちんと説明したい」と話した。=2011/08/07付 西日本新聞朝刊=
●「出演者、経済界一人だけ」九電の知事発言メモに
(2011年8月6日 読売新聞)
九電の「やらせメール」問題で、大坪佐賀支店長(当時)がまとめた古川知事の発言メモでは、「説明番組の出演者のうち、1人しか経済界の人間がいない」などと県民代表の構成についても触れていたことが5日、九電関係者への取材でわかった。
メモには「再起動のためには、自民党県議団の理解を得る必要がある」とも書かれており、第三者委員会は、さらに調査を進める。
6月26日の国主催の説明番組には、主婦や農業、大学生ら7人が県民代表として出演したが、経済界からは佐賀商工会議所専務理事だけだった。メモには、代表の人選の経緯やこれに対する評価も書かれており、経済界出身者の参加者が1人しかいないことを踏まえ、経済界から声を出していくべきだと訴えていた。
●佐賀知事発言の九電メモ克明、未公表事実も多数
(2011年8月7日 読売新聞)
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール」問題で、佐賀県の古川康知事と面談した九電幹部が作成した知事発言メモの概要が6日、わかった。この中には、6月21日の面談当時は未公表で、しかも関係者しか知り得ない事実が多く含まれ、その信ぴょう性が高まっている。知事の“本音”ともとれるメモは、どこまで真実なのか――。渦中の知事は6日、報道陣の問いかけにほとんど応じず、9日の県議会で説明するとしている。
6月26日に行われた国主催の説明番組に参加した県民代表は、当日まで非公表だった。だが、メモには、人選経過が赤裸々につづられている。
<1人は商工会議所の専務理事を予定している>との言葉通り、名指しされた専務理事は、5日後の番組に参加した。
<反対派も1人入れようかと考えたが、選抜が難しいとのこと。残りは普通の参加者を選ぶことになるだろう>と、まるで県が主催者として人選しているかのような発言も。結局、反対派は参加要請を断り、参加者は女子大学生や主婦、農業男性らとなった。
<長崎大の放射線医学の専門家に同席してもらう>との内容も実現した。
参加要請を受けたという反原発市民団体の杉野ちせ子さん(59)は「県民が信じた知事が、裏では九電と一緒になって再稼働に向けて突っ走っていたとしたら完全な裏切り行為。全てが信用できなくなる」と強い不信感を示した。
●九電:副社長が知事の意向くむ 佐賀支社長「配信に驚愕」
2011年8月7日 12時33分 更新:8月7日 13時27分
九州電力の「やらせメール」を誘発した佐賀県の古川康知事の発言メモが社内に添付メールとして回ったのは、原子力担当の段上守副社長(当時)の指示だったことが、九電関係者への取材で分かった。メモを作成した佐賀支社長は知事との会談の備忘録として作り、副社長側に渡したと証言しているといい、副社長が社員らのやらせを後押しするため知事の意向を受ける形で知事の発言を利用したとみられる。
関係者によると、副社長は佐賀支社長ら幹部3人で6月21日に知事と会談した後、内容をメモにするよう支社長に指示。支社長は同日中にA4判2枚にまとめ、副社長の秘書にメールで送った。その後、副社長が部下の担当部長にメモを回し、課長級社員がメールに添付して原子力部門の約100人に配信された。
一方、佐賀支社長は「副社長から『メモを作ってね』と言われ、副社長の個人的な備忘録として作ったので、原子力部門で共有化されたと聞いた時は驚愕(きょうがく)した」と話しているという。
また佐賀支社長は、知事から「原発の再稼働を容認する意見を出していくことも必要だ」との趣旨の発言について、会談の前にも「何回か聞いていた」と説明。一方で、知事の発言の意図については「九電が自ら意見を出せとか、社員を使って賛成意見を出せというようには受け取っていない。メモは発言内容を簡潔にしてしまい、不正確で誤解を生じさせるような文言になっている」と釈明しているという。【竹花周、小原擁】
●「リスクは菅総理の言動」“佐賀知事発言メモ”
テレ朝 (08/07 00:31)
玄海原発の運転再開に絡むやらせメール問題で、九州電力側が作成した古川知事の発言メモに、「危惧されるのは菅総理の言動」と記されていたことが分かりました。
ANNは、玄海原発の運転再開をめぐる説明番組の5日前に当時の副社長らと佐賀県の古川知事が会談した後、九電側がまとめた知事の発言メモを入手しました。懸念する材料として、「全国知事会で菅総理が原発の運転再開に向けたメッセージを読むことになっていたが、その場になって読み上げてくれなかった」「総理の言動でスケジュールが遅れることが心配」などと発言したと記されています。
また、「自民党系の県議は運転再開の必要性を分かっている。さまざまなルートで議員に働きかけるよう支持者に依頼してほしい」とも述べています。これについて、九州電力は「知事の発言とメモの内容には食い違いがあり、第三者委員会に調査を委ねている」としています。
●古川知事「県議に働きかけを」 九電メモに記載
佐賀新聞 2011年08月07日更新
玄海原発(佐賀県東松浦郡玄海町)の国主催による県民向け説明番組をめぐる九州電力の「やらせメール」問題で、九電が作成した古川康佐賀県知事との面会発言メモに、知事が玄海2、3号機の再稼働に向けて自民党県議に働き掛けるよう九電側に求めた記載があることが6日、関係者などへの取材で分かった。
番組当日まで公表されていなかった出演者についても7人のうち1人の役職を挙げ、九電側に事前に伝えたことになっている。メモの内容は、九電の第三者委員会が事実関係を調べている。内容が事実とすれば、未公開情報を教えた上で、再稼働に誘導する動きを依頼していたことになる。
古川知事は同日午前、唐津市鎮西町での公務後、事実関係について「何を根拠に言っているのか分からない」とだけ述べた。県危機管理・広報課は午後、「9日の県議会特別委員会できちんと説明したいというのが知事の意向。それまではコメントできない」と説明した。
関係者によると、メモは知事の言葉として、自民党県議は発電再開の必要性に理解を示しているが、支持者から寄せられた不安の声を受けて発言していると指摘。いろんなルートを使って議員に働き掛けることを支持者に依頼するよう具体的に書かれているという。自民党は県議会(定数38)の最大会派(29人)で、議会の動向を大きく左右する。
これまで面会では、知事が「経済界にある再稼働容認の意見を出すことも必要。出し方としてネットやメールもある」と九電幹部に話したことが明らかになっている。メモには「経済界」という表記はないが、同様の趣旨の記載があるという。
番組出演予定者については、商工会議所専務理事を挙げ、反対派の代表は調整が難しく、一般の県民になる見通しを示していた。当時、知事は「国主催」を理由に、県が番組内容にかかわっていないと説明していた。
さらに、知事は再稼働に向け「危惧される国側のリスクは菅総理の言動」と首相の言動次第で遅れる懸念も示しているほか、国際原子力機関(IAEA)に緊急安全対策の評価談話を出してもらうよう説得工作を国に進言したことも触れられているという。
古川知事は番組放送5日前の6月21日朝、当時の副社長ら九電幹部3人と知事公舎で面会。同席した大坪潔晴佐賀支店長(現支社長)が知事発言をメモに残していた。メモは原子力本部にわたり、番組への投稿を呼びかけるメールに添付されて社員約100人に送られた。メモはA4判サイズ2枚分という。
古川知事は7月30日と8月2日の会見で「やらせメールを要請した事実はない」と否定、九電のメモについては「見ていない」と答えている。
●知事発言メモ「事実なら責任問題」 県議会側も憤り
2011年08月07日更新
「いろいろなルートで県議の支持者に働きかけてほしい-」。九州電力の「やらせメール」問題の引き金になった可能性が指摘される古川康知事の発言メモに、議会工作の指示と受け取れる内容が書かれていることが6日、明らかになった。県議からは「本当にそんに露骨な要請をしたのか」という驚きの一方、知事を支えてきた自民県議からも「メモの内容が事実なら、責任問題だろう」と厳しい声が上がった。
過去に例がない全員参加の特別委員会を立ち上げ、玄海原発の再稼働問題を審議してきた県議会。民主党の内川修治議員は「ここまで具体的に指示し、介入した話が事実なら、ひどすぎる話だ。議会にも県民にも失礼な話で弁解の余地はない」と批判した。
九電佐賀支店長(現支社長)が書いたメモが真実味を帯びているのは、県民説明番組の出演者など一部の人しか知らない情報が書き込まれている点。社民党の徳光清孝議員は「信憑(しんぴょう)性があると思う。知事が九電側に重要な情報を流し、再稼働に向けて相談していたのでは」と指摘する。
これまでの議会で、知事は「安全性を第一に、中立な立場で判断したい」と繰り返したが、その根幹が揺らいでいる。共産党の武藤明美議員は「事実なら大問題。知事は中立を装いながら、再稼働に向けた中心人物として“確信犯”的な行動を取っていたといえる」と批判した。
県議会与党として古川知事を支えてきた自民党も戸惑いを隠さない。石丸博県議団会長は「次から次に問題が出てくる。当面は成り行きを見極めないと、自民党としての判断は難しい」と話す。
取材に応じた県議はいずれも九電からの働き掛けについて「なかった」と否定しており、「事実関係は、知事が話しているように第三者委員会の判断を待つしかない」と繰り返した。「疑惑は信じたくない」と話す自民の中堅県議は「第三者委員会に身を委ねる以上、その結論次第では、最悪のこと(引責辞任)も考えなければならないだろう」と心配した。
古川知事はこの日、コメントは出さず、9日の県議会特別委員会で説明する意向。知事公舎前には夜遅くまで取材陣が帰りを待ち構えたが、姿は見せなかった。
●自民県議「事実なら失礼」 知事メモ
朝日 2011年08月07日
九州電力のやらせメール問題を巡り、九電幹部が作成した「知事発言メモ」の中で、古川康知事が「自民党系県議にいろいろなルートで(再起動の必要性を)働きかけるよう支持者にお願いしてほしい」と九電側に要請したという疑惑が浮上した。県政与党として古川知事を支える自民党県議は「発言が事実なら大変失礼な行為」と反発。9日の県議会原子力安全対策等特別委で、知事の詳しい説明を求める声が相次いだ。
自民党議員団会長の石丸博議員は「知事が九電にそういうお願いをしていたとは」と、メモの内容に驚いた。だが、再起動について九電や支持者からの働きかけは「なかった」という。
同党県連幹事長の伊東猛彦議員も、九電や支持者からの働きかけは否定。「あの時期に当事者の九電と面会したのは不適切で、県民に疑義を生じさせた。9日の特別委で、どういう言葉を発したのか明らかにしてほしい」と話した。
現職最多の当選7回を数える同党の篠塚周城議員は「事実であれば、特別委で真剣に議論している議会に対して失礼な行為」と指摘。「9日の特別委では、『第三者委に委ねている』と避けずに、知事はきちんと説明すべきだ」と話す。(上山崎雅泰、岩田正洋)
●「やらせ」問題の知事発言に抗議 佐賀市内をデモ行進
佐賀 2011年08月05日更新
九州電力の「やらせメール」につながった可能性が指摘される古川康佐賀県知事の発言問題を受け、県原発問題対策協議会などは5日、佐賀市の中心街で知事発言に抗議するデモ行進をした。脱原発を訴えるとともに、知事公舎での知事と九電幹部の面会について全容解明を求めた。
同協議会などが呼び掛け、20人が参加。横断幕を手に、佐賀玉屋前から県庁まで約1キロを行進した。参加者は玄海原発1号機の廃炉や2、3号機の再稼働阻止のほか、「国や県ぐるみの世論操作は許さない」「古川知事は県民に謝罪を」などと声を上げた。
デモ行進後、県庁北側のくすかぜ広場でリレートークを開き、脱原発への思いを訴えた。
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昨日から、今年第2回目の「議員と市民の勉強会」。
ということで名古屋で泊り。
今回のテーマは《決算審査を使いこなし予算へつなぐ~決算は政策の事後評価》。
初日の昨日6日は、午後1時から開始して夜8時まで。
そのままウイルあいちに泊まって、今日は9時から3時まで。
参加者に「課題」として指定しておいたデータや資料が水曜日あたりからこちらに送られてきたので、こちらはその集計や整理をしていた。
いずれも今回の講座の中で使うもの。
今回の講座のスケジュールを下記で紹介しよう。
なお、明後日の火曜日は、県弁護士会の企画としての
「岐阜県に来ている司法修習生に行政訴訟のレクチャー」を頼まれている。
「2時間」としっかりな時間なので、帰ったら、明日はその準備かなぁ・・・・
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2011年 第2回 「議員と市民の勉強会」
~内容およびスケジュール詳細
テーマ《決算審査を使いこなし予算へつなぐ~決算は政策の事後評価》
8月6日(土)13時~7日(日)12時 ~オプション15時
(会場:ウイルあいち)
《講師》寺町みどり&ともまさ
《担当スタッフ》島村紀代美/小川まみ
《内容およびスケジュール》
【セッションA】
テーマ《議会で働くために必要な各種の基本を身につける》
1)議会運営の原則/議会とはなにか-基本的な議会のルールと流れ
・議会運営の問題点-議会の内と外の区別を明確にしよう
2)議会改革に取り組む基本/所属議会の申し合わせの問題点を知る
・申し合わせ・慣例の見直し/改善する方法
●1プレゼン「会議規則・委員会条例と、申し合わせのかい離を見つけて報告する」
●ディスカツション「慣例・申し合わせを文字化してないことの是非」
【セッションB】 テーマ《基礎自治体の基本政策》
1)基礎自治体の基本政策(テーマ別)/政策とは何か~政策集をもとに
・政策のなりたちと構成 (次回第3回の課題の説明もする)
2)各自治体で共通する政策(法・制度のあるもの)/自治体独自の政策
ワークショップ《一般質問-1》
●テーマ「一般質問の事後評価」「一般質問を組み立てる」
【セッションC】
テーマ《9月議会の一般質問で望む答えを獲得しよう》
1)事後評価を事前評価につなぐ/6月議会の反省と課題
6月議会の一般質問(前回提出のテーマ)の事後評価
2)9月議会で取り組むテーマを「一般質問」として組み立てる
ワークショップ《一般質問-2》●テーマ「一般質問の事後評価」「一般質問を組み立てる」
【セッションD】
テーマ「決算審査を使いこなし、予算へつなぐ~決算は政策の事後評価」
1)総論「決算とはなにか」/決算審査は政策の事後評価
決算審査の重要性~決算全体の問い直し
2)決算審査の流れ/決算審査は自治体によってばらつきがある
決算審査の着眼点/決算書を読む
3)ワークショップ-決算審査に向けて
【まとめ】
第2回「議員と市民の勉強会」で得たもの
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★【オプション講座】
参加者の抱える問題の解決方法をアドバイスする |
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政府が「震災に関連する自殺」を初めて分類したという。
それによれば、先の6月は、「震災関連が1割」「50歳以上が8割」だという。
そして、「内定取り消し:震災理由は427人」厚労省まとめも報道されている。
「被災地での若者の雇用 深刻さを増す」とも。
辛い数字や現実。
政争にくれる国会がうらまれる。
(関連) 2011年7月12日ブログ⇒ ◆全国の自殺者2割増加(警察庁) /どう評価するか/ 「被災した」事実を どう考えるか
ところで、今日は広島原爆の日。
改めて、原発事故を受け止め、反省し、社会のスタイルをかえるべきだと思う。
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●6月の震災3県自殺 震災関連が1割 内閣府調査
産経 2011.8.5 21:31
東日本大震災に関連した6月の自殺者数(暫定値)が16人だったことが5日、内閣府の調査で分かった。このうち被災地の岩手、宮城、福島3県は13人で、3県の6月の自殺者(131人)の1割が震災関連自殺だったことも判明。震災関連自殺の調査は今回が初めてで、内閣府は「被災地での自殺者の傾向分析を行うとともに、相談体制を強化し、自殺防止対策を進めたい」としている。
調査は、警察庁のデータを基に内閣府が遺体発見地、発見日ベースで集計。(1)遺体の発見地が避難所や仮設住宅など(2)避難所や仮設住宅に居住していた(3)被災地から避難してきた(4)住居や職場が地震や津波で甚大な被害を受けた(5)原因や動機が震災の影響だと遺書などで判明-のいずれかで震災関連自殺と定義した。
それによると、男女別では男性11人、女性5人。都道府県別の最多は宮城の8人で、6月の宮城の自殺者(45人)の17・8%を占めた。次いで岩手3人、福島2人、茨城、埼玉、東京がそれぞれ1人。年齢別では60代が最も多く6人で、50代5人、20代2人が続いた。70代、80歳以上、20歳未満はそれぞれ1人だった。
一方、警察庁が同日発表した自殺者の月別統計(速報値)によると、7月の自殺者は2769人で、前年同月比3・6%(104人)減となった。被災地は岩手37人(前年同月比15人減)▽宮城46人(同13人減)▽福島48人(同1人減)だった。
●震災関連自殺:6月だけで16人、50歳以上8割 内閣府
毎日 2011年8月5日 19時21分
内閣府は5日、東日本大震災が直接の原因となった自殺者が6月だけで16人に上ると発表した。うち8割超を50歳以上が占め、生活環境の激変が年長者に深刻な影響を与えていることがうかがえる。国が震災関連自殺の統計を公表するのは初めてで、7月以降も調査を進め対策を検討する。
調査にあたり、内閣府は、(1)避難所か仮設住宅、遺体安置所で遺体が見つかった(2)避難所か仮設住宅に住んでいた(3)被災地から避難してきた(4)自宅や職場が地震や津波で大きな被害を受けた(5)震災の影響とする証言や遺書などがある--の5項目について警察庁に情報提供を求め、1項目でも該当すれば震災関連自殺と判断した。
内訳は男性11人、女性5人。年代では20歳未満1人▽20代2人▽30~40代0人▽50代5人▽60代6人▽70代1人▽80代以上1人。発見された都道府県は、宮城8人▽岩手3人▽福島2人▽茨城1人▽埼玉1人▽東京1人。
職業は、サラリーマン7人▽無職6人▽自営業・家族従業者2人▽学生・生徒1人の順。原因・動機別(複数選択)では、「健康問題(精神疾患を含む)」が5人と最多で、▽親子や夫婦関係の不和など「家庭問題」と「経済・生活問題」が共に4人▽「仕事上の問題」1人▽「その他」5人。
6月の自殺者全体に占める震災関連自殺の割合は、宮城県が45人中8人で18%、岩手県が36人中3人で8%、福島県が50人中2人で4%だった。震災が発生した3~5月までの集計はできていないという。
内閣府は、初めての集計のため多いか少ないかの判断は難しいとした上で、「仮設住宅の入居が進むにつれ被災者がこもりがちになり、孤立化が心配される。自治体が行っている保健師らの訪問事業や心の健康相談の強化など対策を検討する」としている。【鈴木梢、佐々木洋】
●「震災自殺」6月に16人=宮城は2割弱、政府が初公表
時事。(2011/08/05-19:38)
内閣府は5日、東日本大震災に関連した6月の自殺者は16人だったと発表した。震災関連の自殺者数を政府が調査・公表するのは初めて。当面、毎月公表する。
調査は、自殺者に関する警察庁の情報に基づいて実施。(1)避難所、仮設住宅で遺体が発見された(2)避難所、仮設住宅に居住していた(3)被災地から避難していた(4)遺書や遺族への発言で震災との関連が判明した-などのいずれかに該当すれば震災が原因と定義している。このため、実際の震災関連自殺は公表人数より多い可能性がある。
6月の全国の自殺者数は2985人で、震災関連は全体の0.5%に相当。内訳は男性11人、女性5人で、年齢別では60歳代が6人で最も多かった。原因・動機(警察による複数選択)は多い順に、健康問題5件、家庭問題と経済・生活問題が各4件となった。
地域別では宮城県が8人で最も多く、県内の自殺者(45人)の2割弱。岩手県は3人、福島県2人で、茨城、埼玉両県と東京都がそれぞれ1人だった。
●「震災に関連する自殺」初めて分類
TBS 8月05日
内閣府は今年6月の自殺者についての調査で、初めて東日本大震災との関連について分析し、震災に関連して自殺した人は16人だったことを明らかにしました。
内閣府は今年6月の調査から自殺者が避難所や仮設住宅に住んでいたり、自殺の原因・動機が原発を含めて、震災の直接の影響によるものであることが遺書などによって明らかになった人などを「東日本大震災に関連する自殺」と定義づけて分類しました。
その結果、今年6月に全国で自殺した2985人のうち、東日本大震災に関連する自殺者数は岩手(3人)、宮城(8人)、福島(2人)県など6都県で発見された16人でした。
内閣府では災害を経験した人の心のケアを目指した「安心手帳」を作成し、全国に配布するとともに、近くの自治体の相談窓口に気軽に相談してほしいとしています
●内定取り消し:震災理由は427人…厚労省まとめ
毎日 2011年8月5日 21時3分 更新:8月5日 21時44分
内定取り消しの人数の推移
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/91/edaf2a0131bee7091c6476a753b7cf9d.jpg)
この春(10年度)の高校や大学などの卒業者で、就職予定の企業から東日本大震災の影響を理由に内定を取り消されたのが427人(126社)だったことが5日、厚生労働省のまとめで分かった。震災以外の理由も含めると556人(179社)で、前年度163人から3倍増。阪神大震災があった94年度の512人も上回り、同省若年者雇用対策室は「震災の影響の大きさを物語る数字」としている。【井上英介】
職業安定法は内定を取り消した事業所に報告を義務づけており、同省がその数字をまとめた。
震災を理由とする427人を地域別にみると、被災3県では、岩手87人▽宮城58人▽福島99人。関東甲信(139人)や東海(9人)、九州(5人)にもおり、震災の影響が各地の採用に波及したことがうかがえる。事業所の規模別では、社員300人未満での内定取り消しは354人(103社)。一方、300人以上では37人(10社)で、中小企業が影響をもろにかぶった実態が浮かんだ。
また、取り消されなかったが入社を先送りされた人数は2472人(287社)で、すべて震災が理由。前年度はゼロだった。
過去の推移をみるとリーマン・ショックの08年度には内定切りが2143人に上ったが、それ以前は毎年100人未満で推移。同省によると、この春内定を取り消された計556人のうち280人が6月末までに別の就職先を確保した。
●東日本大震災:被災地での若者の雇用 深刻さを増す
毎日新聞 2011年7月27日 21時02分(最終更新 7月27日 23時42分)
市街地が津波で流された東日本大震災の被災地では、もともと受け皿が少ない若者の雇用状況が深刻さを増している。古里に残って復興に尽くしたい思いと、街を離れなければ就職が難しい現実。「どうしたらいいのかさえも分からない」。地方中小企業でも就職活動が本格化し始めた来春新卒の大学4年生は深い悩みの中にいる。
岩手県陸前高田市の戸羽佳孝さん(22)は、富士大(同県花巻市)4年生。若者の地元離れが進む中、自分だけはスーパーを営む父昇司さん(当時55歳)のように、故郷で働いて家庭を築こうと考えてきた。「(4年の)春になったら動き出そう」。そう思っていた矢先に津波が襲った。
昇司さんと祖母(同74歳)を津波で亡くした。仮設住宅で暮らす母と祖父のそばにいたいと願うが、企業や店舗が集中していた市街地の壊滅状態を見ると、絶望的な気持ちになる。就職活動では市外や県外にも目を向けざるを得ない。
陸前高田の青い海と山、人々の温和な人柄が大好きだ。それに加え、父の後ろ姿も地元で働きたい思いを強くした。
戸羽さんが高校生のころ、昇司さんの勤めていた食料品スーパーが倒産。借金を背負い、仲間と新たなスーパーを開いた。軌道に乗り始めたその店までも津波は奪った。父の無念を思うとやりきれない。足の不自由な客を背負っている間に逃げ遅れたと知り、「責任感の強い父だから仕方ない」と自分を納得させるしかなかった。
だが、戸羽さんが就職を望む岩手県沿岸部では5人に1人が離職。岩手労働局担当者も「事業再開にこぎ着けた企業も、従業員を呼び戻したり、亡くなった従業員を経験者で補充するので精いっぱい。新人を雇い入れる余力はない」とみる。
一方、陸前高田市によると、もともと微減傾向だった市の人口は震災後6月末時点で2万1979人。転出届の出ている分だけで580人減った。復興が遅れて働く場がなければ、故郷に残ることを希望する戸羽さんのような若者も流出してしまう懸念が広がる。
街の行く末に不安を感じるという戸羽さん。「社会人として力をつけて、いずれ高田の街の再建に協力したい」。心に誓うのだが、具体的な道筋は見えない。【市川明代】
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