気付けば、風が春の匂いを孕んでいる。
サルやシカは、厳寒の間、木の芽や皮をかじり、飢えをしのいで過ごす。
このため、数年前から、奥日光の自然が危機にさらされている。シカによる食害が激しくなってきたのだ。
天敵のニホンオオカミが絶滅したため個体数が増加したこと、それに加えて、暖冬による積雪の減少が厳寒期でも奥日光のシカの生息を可能にしているためだ。
シカのような草食獣は適応力が大きく、餌が少なくなればそれまで口にしなかった植物も食べる。シカのような大型草食獣の個体数が増加しつづければ、植生に大きな影響が出てくる。いまの奥日光の自然の危機とはそういうものだ。
小田代原は電気柵でまわりを囲っているのでその内側は青々とした草が生い茂り、夏には花もたくさん見られる。しかし、柵の外側では痛々しいまでに草が食べつくされ土が露出してしまっている。花どきのはずなのに見事なほどに花がまったく咲いてない。たまに茂っている草は、よく見ると同一種だったりする。シカが食べない草だけが残っているのだ。
もっと標高の高い日光白根山でもシカの食害により高山植物が減少しつつある。弥陀ケ池のほとりにあったシラネアオイの大群落は完全に消失。代わって、有毒植物のバイケイソウが増えている。
シカの食害で森の樹木に立ち枯れが広がると、木の根による表土の保全能力が衰退し、大雨などで河川への土砂の流入が増加する。保全能力の衰退は土砂崩れなどの災害も引き起こす。
また、河川や湖沼に大量の土砂が流入し、こうした場所に生息している水生動植物への悪影響を及ぼす。土砂の堆積により川の水深も浅くなり、川に棲む水生昆虫や魚たちの生息環境も悪化することになる。
もちろん、水源が荒れるとその川が流れ込んでいる海の魚も減少する。
・・・シカの生息環境を変えてしまったのは人間の都合だ。この3月、奥日光では水源維持のため害獣駆除が行われるという。この日見かけたシカの親子。追っ手を逃れて生き延びてくれたらと思う。。
風はまだ冷たいけど、地面の上で小さな水色のオオイヌノフグリが咲いている。
菜の花が咲いて、梅が咲いて。そろそろ桜の便りかな。
子供の頃、「春に匂い」の次にくるのは、「新学期の匂い」だった。
新しい教科書やノートの匂い。期待にみんな胸をふくらませているんだろうなあ・・・。
ご訪問&最後まで読んでくださりありがとうございます。
お帰りの際、ひとつクリックお願いします。
お手数かけてすいません。
↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村