歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

五所川原市・十三湊遺跡周辺で出土した銅板菩薩坐像が8世紀の「押出仏」と判明

2011年05月12日 | Weblog
 青森県と五所川原市教委は、五所川原市の十三湊遺跡か周辺で出土したとみられる銅板の菩薩座像が、奈良時代(8世紀)に制作された楽器を演奏する「押出仏」であることが分かったと発表した。
 押出仏は高さ13・5cm、幅約8cm。菩薩があぐらをかいて座り、右手を上げて、膝に載せた「腰鼓(ようこ)」という横長の鼓を打っている姿が、銅板に浮かび上がっている。 作製された当時は全体に金箔が張られていた可能性が高いという。 押出仏は、唐の時代に中国で始まり、日本では奈良地方を中心に近畿地方で作られ、7~8世紀にのみ作られたという。押出仏の現存例は全国で約80体と少ない。
 周辺の遺跡で平安時代末(12世紀)の銅製の錺(かざり)金具4個も見つかった。 うち3個は唐草模様のデザインが中尊寺(岩手県平泉町)の金具と似ており、平泉を拠点に栄えていた奥州藤原氏の勢力が、十三湊まで及んでいたことを示す初めての史料という。
 押出仏と錺金具は、十三湊遺跡に近接する湊迎寺(五所川原市)や同市の所蔵品で、押出仏の出土時期や場所は不明という。
[参考:東奥日報、河北新報、共同通信、毎日新聞、日テレ青森放送]
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高島市・天神畑遺跡 国内最古・古墳時代前期の大壁造り建物跡が出土

2011年05月12日 | Weblog
 滋賀県文化財保護協会が12日、高島市鴨の天神畑遺跡で、国内最古とみられる古墳時代前期(4世紀後半~5世紀初め)の「大壁造り建物」とみられる2遺構が見つかったと発表した。大壁建物は渡来人がもたらしたとみられ、国内で約100カ所見つかっているが、ほとんどが古墳時代後期(6~7世紀)のもの。
 大壁建物は細い柱を骨材とし、壁の中に土で塗り固める。これまでは、5世紀前半のものとみられる奈良県御所市の南郷柳原遺跡の遺構が最古とされていた。
 今回見つかった2カ所の大壁建物跡は、それぞれ縦約12m、横約10m。四方の外壁部に溝(幅約60cm)が残り、深さ約30cmの多数の穴があった。
 溝から4世紀後半~5世紀初めのものとみられる土器(注1)が見つかった。 川の合流地点で、渡来人が祭祀を行ったと推測される。
(注1)読売新聞は韓式系土器の長胴瓶が、中日新聞では建物跡から布留式土器が出土したと報じている。
 現地説明会は15日午後1時から開かれる。
[参考:産経新聞、京都新聞、読売新聞、中日新聞、NHK、滋賀県文化財保護協会]

過去の関連ニュース・情報
 2010.5.20 大津市・南滋賀遺跡 大壁造り建物跡出土
 2010.2.18 大津市・穴太遺跡 古墳時代後期の大壁造り建物2棟などの跡が出土
 「大壁造り建物」
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忠南燕岐郡・羅城里遺跡 百済漢城時代5世紀頃の豪族や中央官僚クラスの集団集落を確認

2011年05月12日 | Weblog
 韓国考古環境研究所は12日、忠南燕岐郡の錦江(금강)北岸の羅城里遺跡(나성리 유적)約10万㎡を昨年5月以来発掘調査した結果、ここが百済漢城時代首長層の集団集落であることを示す証拠を捜し出したと12日明らかにした。
 昨年の調査では、土壙木棺墓から金銅履物、金銅腰帯、木の鞘の刀と青銅に金箔を被せた玉類、金銅製矢筒などの遺物が収集され、韓国最古の氷庫(빙고)跡が見つかっている。
 特に今回の調査であらわれた区画屋敷(구획 저택)18ヶ所と付属建物跡、道路痕跡などは日本考古学界では豪族居館と呼ぶ遺跡に該当すると評価され、古代韓半島と日本列島間の文化交流様相を追跡するのに貴重な資料になるとしている。
 最大長さが34×30mの平面梯形状の区画屋敷や約15×10mの周溝付建物跡などが発見された。
[参考:聯合ニュース]

過去の関連ニュース・情報
 2010.11.8 羅城里遺跡 4~5世紀の物流センター 韓国最古の氷庫跡も確認

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