ソウル大博物館は17日、京畿漣川郡旺澄面無等里第2堡塁遺跡(연천 무등리 2보루 유적)で高句麗時代ものとみられる鉄製甲冑(갑옷)の札甲(찰갑)を発掘したと発表した。
これまで、北朝鮮や中国など高句麗の過去の領土で、破片状態で発見されたことはあるが、今回のように一体が完全に実物として出土したことは初めてという。
また、城壁外側に突出した方形石垣施設の雉城(치)を包含した石垣城壁構造と敷地造成のための石垣築台などが確認された。 堡塁は望楼性格を兼ねた小規模城郭で、韓半島中部一帯では峨嵯山(標高287m)一帯まで高句麗時代堡壘遺跡が多数分布している。
本遺跡の僅か北には、昨年5月に確認された2000年前の「製鉄の村」・三串里遺跡がある。
[参考:連合ニュース]
2010.5.18 追記
東亜日報(동아일보)は、「1500年の眠りから目覚めた高句麗鉄甲冑(鎧)」と報じている。
漣川地域は6世紀前後高句麗、百済、新羅の争奪戦が激しかった所で、無等里堡塁は臨津江を境界に新羅軍と対立して戦闘を行った高句麗軍の城郭基地である。
今月8日、城郭内主要軍事建物の出入口と推定される門柱そばで甲冑が発見された。 初めは甲冑の首の部分だけ露出したが17日には肩と手首の部分まで露出して完全な甲冑の姿を表わした。 鉄製小札を革紐で綴って作った「札甲」形状である。高句麗兵士の鉄甲冑はこれまで高句麗壁画を通じて、その姿を察したが今回の発掘で正確な形状が分かることになった。 首から肩を覆う部分が雙楹塚(쌍영총)高句麗将軍壁画と似ているとしている。
[参考:東亜日報]
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