宮崎県えびの市教委と元興寺文化財研究所(奈良市)、鹿児島大学総合研究博物館(鹿児島市)が12日、同市内「島内(しまうち)139号地下式横穴墓(6世紀前半)」から出土(注1)した、鍛冶具(5世紀末~6世紀初頭)2点に、繊細な文様に銀の象嵌が施されていたことがわかったと発表した。金属加工の技術に優れ、ヤマト王権と朝鮮半島の双方と深い交流があった有力者の副葬品とみている。
出土品を保存修理するため、X線コンピューター断層撮影法(CT)で調査。熱した鉄を挟む鉄鉗(かなばし、全長約15cm、最大幅1.7cm)と、鑿(のみ)状の工具(全長約20cm、幅9mm、厚さ5mm)に、それぞれ2筋の線で表す波状文様を彫り、銀を嵌め込んだ文様があった。
鍛冶具での象嵌例は全国で初めて。鉄鉗の接合部には日本独自の日輪文(注2)も施されていた。
また、絹とみられる繊維片(注3)の付着も確認。被葬者のそばに織物を敷き、その上に置かれたらしい。
同横穴墓では2014年、朝鮮半島製とみられる大刀や、ヤマト王権のものらしい甲冑など約400点が出土。当時はヤマト王権が九州の勢力を動員して朝鮮半島へ出兵した時期にあたる。
(注1)2014年に同市教委の発掘調査で見つかった。
(注3)二重丸の同心円模様のことか
(注2)高級織物の綾織りや経錦(たてにしき)
[参考:宮崎日日新聞、奈良新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞]
過去の関連ニュース・情報
島内地下式横穴墓
古墳時代の鍛冶具に銀の波状文様象眼 宮崎の地下式横穴墓 全国初
キーワード: 島内139号地下式横穴墓、島内地下式横穴墓群139号墓
出土品を保存修理するため、X線コンピューター断層撮影法(CT)で調査。熱した鉄を挟む鉄鉗(かなばし、全長約15cm、最大幅1.7cm)と、鑿(のみ)状の工具(全長約20cm、幅9mm、厚さ5mm)に、それぞれ2筋の線で表す波状文様を彫り、銀を嵌め込んだ文様があった。
鍛冶具での象嵌例は全国で初めて。鉄鉗の接合部には日本独自の日輪文(注2)も施されていた。
また、絹とみられる繊維片(注3)の付着も確認。被葬者のそばに織物を敷き、その上に置かれたらしい。
同横穴墓では2014年、朝鮮半島製とみられる大刀や、ヤマト王権のものらしい甲冑など約400点が出土。当時はヤマト王権が九州の勢力を動員して朝鮮半島へ出兵した時期にあたる。
(注1)2014年に同市教委の発掘調査で見つかった。
(注3)二重丸の同心円模様のことか
(注2)高級織物の綾織りや経錦(たてにしき)
[参考:宮崎日日新聞、奈良新聞、読売新聞、毎日新聞、産経新聞]
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古墳時代の鍛冶具に銀の波状文様象眼 宮崎の地下式横穴墓 全国初
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