稲積川口遺跡出土馬鍬。 「発掘された日本列島2011」(江戸東京博物館)にて2011.6.14撮影
氷見市教委は22日、昨年9~11月に同教委が調査した稲積川口遺跡(同市稲積)から、7世紀前半の農耕具、馬鍬がほぼ完全な形で出土したと発表した。北陸三県では初の出土、柄の部分も付いた状態での出土は全国初という。馬鍬は、田植え前の水田で牛馬に引かせて代かき作業をするための農具。
柄は地面に水平に付いていた。長さ117・5cmのクリの木の台木に代かきをする木製の歯(60cm、装着状態で45~47cm)が11本、柄は2本あるうちの1本(52cm、同43cm)が付いていた。現在近くを流れる余川川の七世紀ごろの河道が見つかり、農耕具として使用後、川の護岸材に使われたとみられる。水中につかっていた状態が長かったため、腐食を免れたらしい。
柄が地面に水平に付いたものは、馬鍬の歯が鉄製になる奈良~平安時代にほぼ消滅したとされる。地面と垂直に付いた柄のものは、1960年頃まで各地で使われた。
[参考:読売新聞、中日新聞]
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