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奈良県三宅町・瓢箪山古墳 額に綾杉文のある犬型埴輪や乳房を表現した女性埴輪が出土

2017年02月03日 | Weblog
 三宅町教委は2日、三宅古墳群(5世紀後半~6世紀前半)にある前方後円墳・瓢箪山(ひょうたんやま)古墳(三宅町伴堂)の周濠から犬形埴輪や女性埴輪などの多数の埴輪が見つかったと発表した。
 瓢箪山古墳の調査は昨年度から行われ、前方部と後円部の裾部分が見つかった。墳丘は全長約40m、周濠を含めると55m以上と改めて確認し、築造時期を6世紀前半に絞り込んだ。
 三宅古墳群は大和政権の直轄地「倭屯倉(やまとのみやけ)」を管理した人たちの墓とされ、政権直属の役人・伴造(とものみやつこ)の墓だろうとみている。
 犬形埴輪は墳丘南側の周濠から出土。体長46cm、高さ40cm。前足と耳や鼻先が失われているが全体像がよくわかる。首輪が表現され、頭から鼻にかけては綾杉文(あやすぎもん)状の線刻が施されており、装飾物を表現したのではないかとみている。犬形埴輪は猪形埴輪と対で出土することが多く、当時、犬は猟犬として飼われていたと考えられている。
 女性埴輪は首と胴体の一部、高さ15cmほどで、首飾りがあり、乳房を表現した跡もあった。乳房を表現するのは関東地方の埴輪の特色で、関東系の工人によってつくられた可能性があるという。
 昨年度の調査でも関東系の巫女(みこ)の埴輪が見つかっており、埴輪の種類は、馬や盾などを含めて計7種類。築造当初は墳丘状に飾られていたとみられる。
 三宅、川西、田原本の3町にまたがる古墳群の一帯は、朝廷の直轄地「倭屯倉」とされている。
 現地説明会は4日午後1時と同3時から開かれる。少雨決行。
[参考:奈良新聞、読売新聞、産経新聞]



キーワード: 三宅瓢箪山古墳、三宅古墳群、倭屯倉
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