公証人法施行規則の一部改正による定款認証の場面で,実質的支配者を申告するに際して,国,地方公共団体,独立行政法人,国立大学法人,上場会社及びその子会社,人格のない社団又は財団は,自然人とみなされる(犯収法第4条第5項,犯収法施行令第14条,犯収法施行規則第11条第4項等)。
犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令
(法第四条第五項に規定する政令で定めるもの)
第十四条 法第四条第五項に規定する政令で定めるものは、次に掲げるものとする。
一 独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人
二 国又は地方公共団体が資本金、基本金その他これらに準ずるものの二分の一以上を出資している法人(前号、次号及び第五号に掲げるものを除く。)
三 外国政府、外国の政府機関、外国の地方公共団体、外国の中央銀行又は我が国が加盟している国際機関
四 勤労者財産形成貯蓄契約等を締結する勤労者
五 金融商品取引法施行令(昭和四十年政令第三百二十一号)第二十七条の二各号に掲げる有価証券(金融商品取引法第二条第一項第十一号に掲げる有価証券及び当該有価証券に係るもの並びに同法第六十七条の十八第四号に規定する取扱有価証券に該当するものを除く。)の発行者
六 前各号に掲げるものに準ずるものとして主務省令で定めるもの
犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則
(実質的支配者の確認方法等)
第11条 【略】
2・3 【略】
4 国等(令第十四条第四号に掲げるもの及び第十八条第六号から第十号までに掲げるものを除く。)及びその子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)は、第二項の規定の適用については、自然人とみなす。
外国会社で,外国の市場に上場している会社も,である。
ほくら office(文京公証役場の公証人)
https://www.hokura-office.com/
「有価証券の売買を行なう外国(国家公安委員会及び金融庁長官が指定する国又は地域に限る)の市場に上場又は登録している会社は自然人とみなされます。例えば,中国,韓国,台湾,シンガポールなどが指定する国等です。」(上掲HP)
cf. 犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則第十五条第十一号の規定に基づき、国又は地域を指定する件の一部を改正する件(平成28年国家公安委員会、金融庁告示第1号)
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/hourei/data2/4/6/honbun280801.pdf
※ その後の改正により,「第十五条」→「第十八条」に。
犯罪収益移転防止法施行規則
(国等に準ずる者)
第十八条 令第十四条第六号に規定する主務省令で定めるものは、次の各号に掲げるものとする。
一 勤労者財産形成基金
二 存続厚生年金基金
三 国民年金基金
四 国民年金基金連合会
五 企業年金基金
六 令第七条第一項第一号イ又はロに規定する契約のうち、被用者の給与等から控除される金銭を預金若しくは貯金又は同号ロに規定する定期積金等とするものを締結する被用者
七 第三条第四号に掲げる信託契約を締結する被用者
八 団体扱い保険又はこれに相当する共済に係る契約を締結する被用者
九 令第七条第一項第一号リに規定する契約のうち、被用者の給与等から控除される金銭を当該行為の対価とするものを締結する被用者
十 令第七条第一項第一号カに規定する契約のうち、被用者の給与等から控除される金銭により返済がされるものを締結する被用者
十一 有価証券の売買を行う外国(国家公安委員会及び金融庁長官が指定する国又は地域に限る。)の市場に上場又は登録している会社