「役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて」(令和2年3月23日付け法務省民商第65号法務省民事局商事課長通知)が発出されている。
これにより,「役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて(通知)」(平成15年5月6日付法務省民商第1405号商事課長通知)及び「役員全員解任を内容とする登記申請があった場合の解釈について(通知)」(平成19年8月29日付け法務省民商第1753号商事課長通知)は,廃止された。
1 会社又は法人の役員(会計参与を除く。以下同じ。)全員の解任を内容とする変更の登記の申請があり,当該登記をした場合には,登記完了後速やかに,原則として,当該会社の本店又は法人の主たる事務所に宛ててその旨を記載した書面を普通郵便で発送して連絡するものとする(書面の様式は別紙を参考にすること。)。ただし,申請権限に疑義がある事案については,当該登記をする前に連絡することを妨げない。
※ 「申請後速やかに」→「登記完了後速やかに」連絡するものとされた。
※ 「適宜の方法」→「本店等に宛てて登記を完了した旨を記載した書面を普通郵便で発送」して連絡するものとされた。
2 登記完了前に,解任されたとされる役員のうちのいずれかが申請書又は添付書面の閲覧を求めた場合には,届出印又は運転免許証の提示等の適宜の方法により,登記簿上の役員本人又はその代理人であることを確認した上,閲覧に応じて差し支えない。仮処分申請のため必要である等の事情が認められる場合には,適宜,申請書等の写しを交付することも差し支えない。
3 登記完了前に,解任されたとされる代表者から,当該登記申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書その他の一定の公的文書が提出された場合には,当該公的文書を当該登記申請の審査の資料とすることができる。
4 登記完了前に,解任されたとされる代表者から,当該登記申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分の申立てを行った旨の上申書(仮処分申立書の写し添付)が提出された場合には,一定の期間に限り,当該申立てに係る仮処分決定(即時抗告審の決定は含まない。)が行われるまでの間は,登記を留保して差し支えない。
例えば,オーナー株主が,雇われ社長を解任する場合にも,取締役が1名の株式会社であれば,一律に通知の対象となる等,不実であることを疑うべき事情がない登記申請であるにもかかわらず,登記を留保する取扱いがされる事案が増加し,登記すべき事項の迅速な公示の妨げとなっていることが問題となっていることからの改正であるようだ。
こういう問題があることについては,下記の記事で取り上げていた。
cf. 平成25年3月13日付け「唯一の取締役の解任」
形式審査(書面審査)の限界であるともいえるが。
cf. 役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて(平成15年5月6日付法務省民商第1405号商事課長通知)
1 会社又は法人の役員全員の解任を内容とする変更登記の申請があった場合には、速やかに、当該会社又は法人に適宜の方法で連絡するものとする(書面により連絡する場合には、別紙様式を参考にすること。)。
2 解任されたとされる役員のうちのいずれかが申請書又は添付書類の閲覧を求めた場合には、届出印又は運転免許証の提示等の適宜の方法により、登記簿上の役員本人又はその代理人であることを確認した上、閲覧に応じて差し支えない。仮処分申請のため必要である等の事情が認められる場合には、適宜、申請書等の写しを交付することも差し支えない。
3 登記完了前に、解任されたとされる代表者から、当該申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等が提出された場合には、当該決定書等を本件登記申請の審査の資料とすることができる。
4 登記完了後に、解任されたとされる代表者から、申請書にその者が代表者の地位にあること及び登記に係る代表者は代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等を添付して(商業登記法(昭和38年法律第125号)第109条第2項、第107条第2項本文参照)、同法第109条第1項第2号の規定による当該登記の抹消の申請がされた場合には、他に却下事由がない限り、当該登記の抹消の登記をすることができる。
なお、取締役等の職務執行停止及び代行者選任の仮処分命令があった場合には、その旨の登記は、裁判所の嘱託によってすることとなる(民事保全法第56条)。
これにより,「役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて(通知)」(平成15年5月6日付法務省民商第1405号商事課長通知)及び「役員全員解任を内容とする登記申請があった場合の解釈について(通知)」(平成19年8月29日付け法務省民商第1753号商事課長通知)は,廃止された。
1 会社又は法人の役員(会計参与を除く。以下同じ。)全員の解任を内容とする変更の登記の申請があり,当該登記をした場合には,登記完了後速やかに,原則として,当該会社の本店又は法人の主たる事務所に宛ててその旨を記載した書面を普通郵便で発送して連絡するものとする(書面の様式は別紙を参考にすること。)。ただし,申請権限に疑義がある事案については,当該登記をする前に連絡することを妨げない。
※ 「申請後速やかに」→「登記完了後速やかに」連絡するものとされた。
※ 「適宜の方法」→「本店等に宛てて登記を完了した旨を記載した書面を普通郵便で発送」して連絡するものとされた。
2 登記完了前に,解任されたとされる役員のうちのいずれかが申請書又は添付書面の閲覧を求めた場合には,届出印又は運転免許証の提示等の適宜の方法により,登記簿上の役員本人又はその代理人であることを確認した上,閲覧に応じて差し支えない。仮処分申請のため必要である等の事情が認められる場合には,適宜,申請書等の写しを交付することも差し支えない。
3 登記完了前に,解任されたとされる代表者から,当該登記申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書その他の一定の公的文書が提出された場合には,当該公的文書を当該登記申請の審査の資料とすることができる。
4 登記完了前に,解任されたとされる代表者から,当該登記申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分の申立てを行った旨の上申書(仮処分申立書の写し添付)が提出された場合には,一定の期間に限り,当該申立てに係る仮処分決定(即時抗告審の決定は含まない。)が行われるまでの間は,登記を留保して差し支えない。
例えば,オーナー株主が,雇われ社長を解任する場合にも,取締役が1名の株式会社であれば,一律に通知の対象となる等,不実であることを疑うべき事情がない登記申請であるにもかかわらず,登記を留保する取扱いがされる事案が増加し,登記すべき事項の迅速な公示の妨げとなっていることが問題となっていることからの改正であるようだ。
こういう問題があることについては,下記の記事で取り上げていた。
cf. 平成25年3月13日付け「唯一の取締役の解任」
形式審査(書面審査)の限界であるともいえるが。
cf. 役員全員の解任を内容とする登記申請があった場合の取扱いについて(平成15年5月6日付法務省民商第1405号商事課長通知)
1 会社又は法人の役員全員の解任を内容とする変更登記の申請があった場合には、速やかに、当該会社又は法人に適宜の方法で連絡するものとする(書面により連絡する場合には、別紙様式を参考にすること。)。
2 解任されたとされる役員のうちのいずれかが申請書又は添付書類の閲覧を求めた場合には、届出印又は運転免許証の提示等の適宜の方法により、登記簿上の役員本人又はその代理人であることを確認した上、閲覧に応じて差し支えない。仮処分申請のため必要である等の事情が認められる場合には、適宜、申請書等の写しを交付することも差し支えない。
3 登記完了前に、解任されたとされる代表者から、当該申請に係る申請人が代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等が提出された場合には、当該決定書等を本件登記申請の審査の資料とすることができる。
4 登記完了後に、解任されたとされる代表者から、申請書にその者が代表者の地位にあること及び登記に係る代表者は代表者の地位にないことを仮に定める内容の仮処分決定書等を添付して(商業登記法(昭和38年法律第125号)第109条第2項、第107条第2項本文参照)、同法第109条第1項第2号の規定による当該登記の抹消の申請がされた場合には、他に却下事由がない限り、当該登記の抹消の登記をすることができる。
なお、取締役等の職務執行停止及び代行者選任の仮処分命令があった場合には、その旨の登記は、裁判所の嘱託によってすることとなる(民事保全法第56条)。