【過去問中心主義】 とはいっても その内容というか 意味合いは サマザマだ
と理解されます
ただ 問題を解くダケ という手法(解くために本来おおよそ必要とされるであろう
ところの材料というか資料を必要としない)だけでもって独習・学習初歩期の者の合
格可能 という説には 自身は賛同できません(モチロン その試験の性格・難易度
などにもよることで 一概に言えないことかも知れませんが・・・)
実際 そのとおりに学習している ? 受験者さんを思うと 率直なところ トテモ
心配です
いわゆる 基本書のようなものを一切利用しないでの合格というものを 自身はナカ
ナカ 想定できそうもありません
民法でいえば 問題文と 問題解説が 民法知識修得のすべて というのは どうにも
理解が困難すぎる感を禁じ得ません
もっとも そのような手法での合格ということを聞いたりもしますが その方は 関連
の国家試験の経験などで 既に そうした基本知識を得ていて そのことをもって
“マンション管理士試験過去問題集ノミニテ合格した” というあたりのことなのでは ?
と思っていますが・・・
もしも そんなことはないヨ ゼロから 過去問題集を解くことと それに掲載
されていた解説だけによる学習だった
ということなら 疑ったことを心から陳謝させていただきます が・・・・
ただ そうした場合であると さらに 実務家を目指すならなお 学習しながらの
業務は タイヘンだろうな と 率直なところ 余計な?心配をしてしまいそうです
要するに いわゆる基本となるような参考資料類(書物であろうとそれ以外であろうと)
は 独習・学習初歩期にこそ 必須なのではと思われるのです
さて
[以前に記したものの関連ですが 質問の多いところなので 記してみます]
某年度の マンション管理士試験に登場した問題を 問い方を変えて利用させて
いただいたものです
「一団地内に、専有部分のある建物であるA棟、B棟及び附属施設である集会所
が存在し、A棟及びB棟の団地建物所有者が土地及び附属施設である集会所を
共有している。
この場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定により、各肢をYES
/NOで答えなさい。」
※ <可能な限りで、YES/NOの根拠を、極く簡潔に想起する
ことを試みてください>
1 集会所は、当然にA棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管
理組合における団地共用部分となる。
2 A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合は、当然に
集会所の管理を行う。
3 A棟については、A棟の区分所有者だけによる管理を行うものとしたまま
で、B棟については、A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地
管理組合が管理を行うものとすることはできない。
4 A棟及びB棟の団地建物所有者によって構成される団地管理組合がA棟及び
B棟の管理を行うものとする場合において、A棟の管理とB棟の管理について、
規約で異なる内容を定めることができる。
1 NO
この集会所は この団地を団地と捉え得るための核になっているものです
その核を管理するための団体として [団地管理組合] というものがあ
るのですから そのことからして当然の管理対象です
一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これら
に関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物に
あつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下
「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設
及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定
めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことがで
きる。
が
そのことから当然に団地共用部分になる というわけではありません
管理対象になる ということと 団地共用部分になる ということとは
モチロン 別のことです
(団地共用部分)
第六十七条 一団地内の附属施設たる建物(第一条に規定する建物の部分を含む。)は、
前条において準用する第三十条第一項の規約により団地共用部分とすることができる。
この場合においては、その旨の登記をしなければ、これをもつて第三者に対抗するこ
とができない。
3 第十一条第一項本文及び第三項並びに第十三条から第十五条までの規定は、団地共用
部分に準用する。
(共用部分の持分の処分)
第十五条 共有者の持分は、その有する専有部分の処分に従う。
2 共有者は、この法律に別段の定めがある場合を除いて、その有する専有部分と分離
して持分を処分することができない。
団地共用部分とはされていない段階では 共用部分の管理等に関する17条から19条
までの条文は準用されますが(66条)15条は準用されていないので 分離処分がで
きないということではない状態のまま ということになり 附属施設である建物の共有
持分と専有部分との分離処分も可 の状態のままということ
2 YES
「・・A棟及びB棟の団地建物所有者が土地及び附属施設である集会所を共有している。・・」
とありますので
当然の管理対象 です
1についての 繰り返しにもなりますが
この集会所は この団地を団地と捉え得るための核になっているものです
その核を管理するための団体としての [団地管理組合] というものです
から そのことからして 当然の管理対象です
一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又は附属施設(これら
に関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物に
あつては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下
「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設
及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定
めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことがで
きる。
3 YES
(規約の設定の特例)
第六十八条
次の物につき第六十六条において準用する第三十条第一項の規約を定めるには、
第一号に掲げる土地又は附属施設にあつては当該土地の全部又は附属施設の全
部につきそれぞれ共有者の四分の三以上でその持分の四分の三以上を有するも
のの同意、
第二号に掲げる建物にあつては その全部につき それぞれ 第三十四条の規定に
よる集会における区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による決議が
あることを要する。
二 当該団地内の専有部分のある建物
棟単位の集会決議が 全て 成立する必要がある
4 YES
管理を 団地管理規約の下で 団地全体で行うとしても
ソレゾレの区分所有建物の用途・構造等により その個性によって管理内容
が異なることもあり得 規約に異なる内容を登場させる必要もあり得る
そのようなことから 管理について異なる内容を定めることは可である
質問の多い 《団地》に関する問題ですが 区分所有法に登場していることの
ポイントを 極く簡潔に 記してみますと
・ 団地内の土地または附属施設が 一団地内の数棟の建物の所有者の共有ならば
団地内の土地・附属施設および区分所有建物の管理を行うための団体が 当然
に構成される(65)
・ 団地建物所有者の団体が当然に管理するのは 共有に属する土地・附属施設
〔 区分所有建物 や 一部の者の共有のものなどは 当然には管理されない 〕
・ 団地内の区分所有建物 や 一棟の建物所有者のみが共有する土地等であって
も 団地全体の管理に服させることができる場合もある(68・66条)
・ 一団地内の付属施設である建物(1条の「建物の部分」を含む)を団地規約
で「団地共用部分」にすることができる (67条)
例をあげて シンプルに説明してみます
一つの団地内に ①・②・③の一戸建ての建物 と D・E・F の区分所有建物
があるとします
これらの建物所有者(各区分所有者も建物所有者です)が 団地内の土地を共有して
いるとします
全員で共有している土地の管理を行う団体を当然に構成し 土地について管理します
団地内の各区分所有建物(主に その共用部分)の管理は それぞれの棟の区分所有
者の団体が行います(例えば D棟の区分所有者のみで共有の土地・付属施設はD棟
の区分所有者の団体で管理します)
でも そのD棟の建物の管理も 団地全体の管理に服させることもできる場合があり
ます(68・66)
しかし 団地内にある建物であっても 一戸建ての①・②・③の建物があり それら
の建物所有者だけの共有になっている土地・附属施設(①・②共有車庫や②・③共有
通路 等)は 団地管理の対象になりません(68・66)
団地内の区分所有建物内の専有部分 や 団地内の独立した建物である団地全体の集
会所などを 団地規約で 「団地共用部分」 とすることができます(67)
そうすると 17条から19条の準用だけでなく 11条(1項本文・3項)と13条
から15条の規定も 準用されることになります(67)
『団地内のマンション(区分所有建物)は
ドチラの規準に従うことになるの ?』
区分所有法にある
[ 建物の区分所有 第1章 ]
と
[ 団 地 第2章 ]
との規定の 適用されるうえでの 関係についてですが
団地内にある区分所有建物についても 第1章の規定は適用になります
その建物と敷地と附属建物の管理は第1章の規定により それぞれの棟
ごとにその区分所有者全員の団体によって行われます
しかし 団地内の区分所有建物または一棟の区分建物所有者のみが共有
する土地または付属施設を規約によって団地全体の管理とする場合(68・
66)には第2章の規定により 団地建物所有者全員が団体を構成して管
理を行うことになるので各建物ごとの団体での管理対象から除外されます
〔団地内に在るとはいっても
戸建て建物について分離処分を禁止することはできないということで
敷地利用権(22~24)について
相互に密接な関係を持たざるを得ないことから競売までも という場面
のことなので 一棟毎のサマザマな事情や状況を基に判断すべきという
ことなどで
義務違反者に対する措置(57~60)について
費用の負担のこともあり その一棟の建物の区分所有者のみの決定で
ということなどで
復旧及び建替え(61~64)について
などは
ソモソモ 66条において準用されていません
団地単位での適用はないということで 団地内の各々の建物ごとに
適用されることになっています〕
以上 区分所有法 「団 地」 に関した記事でした
《 毎度もうしあげることで恐縮ですが
標準管理規約の「団 地 型」につ
いての記事の内容とは異なるものです 》