本日の マンション管理士試験過去問学習です
※ 〔問い方(肢の順番を変える等も含み)を変えて
利用させていただいている場合があります
法令等改正があった場合に内容を現行のものと
整合させるため出題当時の問題を改めているこ
と等もあります〕
甲マンション 303 号室の所有者Aが死亡し、Aの子であるB及びCがAを
共同で相続した。Aの遺産は、303 号室と現金 1,000 万円である。この場
合に関する次の記述について、民法の規定及び判例による正誤を答えよ。
ただし、Aの遺言はないものとする。
1
BC間の遺産分割の協議により、303 号室と 1,000 万円をBが取得し、
Cは何も取得しない旨の遺産分割をした場合、この協議は無効である。
2
BC間の遺産分割の協議により、303 号室を売却して、その売却代金と
1,000 万円をBCで平等に分割する旨の遺産分割をすることができる。
3
BC間の遺産分割の協議により、303 号室をBが、1,000 万円をCがそ
れぞれ取得する旨の遺産分割が行われた。その後、BCは、その協議の
全部を合意によって解除し、改めて、異なる内容の遺産分割の協議をす
ることはできない。
4
BC間の遺産分割の協議により、303 号室をBが、1,000 万円をCがそれ
ぞれ取得する旨の遺産分割が行われた。その後、Dからの認知の訴えが
認められ、DもAの共同相続人となった場合、BC間の遺産分割の協議
はその効力を失い、Dを含めて再度の遺産分割の協議をしなければなら
ない。
1 について 誤 り
私法には 法律行為(契約)自由の原則がある
協議による遺産分割では 共同相続人の合意で自由に内容を定めることが許される
法定相続分に合致しない分割であろうと有効となり その限りにおいては法律より
も協議が優先することとなる(肢における協議の結果は無効ではない)
下記 907条 を 参照ください
2 について 正しい
合意があるなら 自由に分割の方法を選択できる
下記 907条 を 参照ください (肢1の解説も参照ください)
3 について 誤 り
BCは その協議の全部を合意によって解除し 改めて 異なる内容の遺産分割の協議
をすることができる との趣旨の判例がある
※ 共同相続人は、すでに成立している遺産分割協議につき、その全部または一部を
全員の合意により解除した上、改めて分割協議を成立させることができる。
〔最判平2・9・27〕
4 について 誤 り
Dは 遺産分割の協議後に認知により相続人となった者であり BC間の遺産分割協議の
効力は失われない(再度の遺産分割の協議をしなければならない義務を負わない)
Dは価額のみによる支払の請求権を有することになる
下記 910条 を 参照ください
記 条文に省略があることがあります。
の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一
部の分割をすることができる。
きは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、
遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一
部の分割については、この限りでない。
おいて、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権
を有する。
本日の問題は
平成4年度 問17 です