相談者さんとの 先日の会話 の 一部 です
同じような質問がありましたので 参考までに 記させていただくことにしました
たしかに マギラワシイ ことです ね
「 相続人が無い人のための看護に努めた方に その亡くなった方の財産を
分与することができる というような仕組みは なくなったのですか ? 」
『 そんなことはありませんよ 相続法の改正後でも 特別縁故者さんへの財産
の分与をする仕組みは残っていますよ 』
「 でも 相続財産の管理人 と呼ばれていた人が 相続人が存在しない場合
での役目を果たす仕組みがなくなったのだ・・・ とか ? 」
『 相続財産の清算人 という役目の方が これまで相続財産の管理人と呼ば
れていた方がなさっていた役目もすることになっています
役目の内容にも 少し変化がありますけれど 名称を変えて登場しています 』
「 そうすると 相続財産の管理人 という言葉は 民法にはないことになった
のですね ? 」
『 実は 今までと違う条文に 役目も相続財産の保存に関したことをするこ
とに変わったりしたのですけれど 同じ名前を使って 残っています 』
「 そうすると 相続財産の管理人 と 相続財産の清算人 とが 民法には
登場しているのだ ということですね ?」
『そのとおりです』
というような会話を 先日 相談者さんとしました
たしかに 紛らわしいことですね
改正で
とりあえずの相続財産の保存や利用の場面には 相続財産管理人(新相続財産管理人)
誰も相続人がいない場合の清算には 相続財産清算人
と 使い分けるようなことになったということです
新相続財産管理人は不在者財産管理人と同じように管理できますので 相続財産の保存や利用や
場合によっては処分もできるようになります
相続財産の保全という役割が与えられるので グレーゾーン(相続人のあることは明らかだけど
管理する人がいるのかどうかハッキリシナイというような)のような場合を補足できるようにな
りました
それにしても
(旧民法952条1項) 相続人がいることが明らかでないときは利害関係人または検察官の請求で選任
(旧民法952条2項) 選任の公告
(旧民法957条1項) 2ヶ月待って相続人がいなければ相続債権者(亡くなった方に請求したい方)
および受遺者(遺言で相続財産をもらえることになっている方)に2ヶ月以内
に請求を申し出るよう公告
(旧民法958条) まだ相続人が判明しない場合 相続人に6ヶ月以内に名乗り出るよう公告
(旧民法958条の3) なお相続人が名乗り出なければ 特別縁故者が請求するまで3ヶ月待つ
その後 国庫帰属
でした が
(改正民法952条1項) 相続人がいることが明らかでないときは利害関係人または検察官の請求で選任
(改正民法952条2項) 選任の公告
(改正民法952条2項) 2ヶ月待たずに同時に相続人に6ヶ月以内に名乗り出るよう公告
(改正民法957条1項) また同時に、相続債権者(亡くなった方に請求したい方)および受遺者(遺言で
相続財産をもらえることになっている方)に2ヶ月以内に請求を申し出るよう公告
(改正民法958条の2) 6ヶ月待って相続人が名乗り出なければ特別縁故者が請求するまで3ヶ月待つ
その後 国庫帰属
となりました ので 時間も短縮されてはいます
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[ 上記の相談に関連の条文です(参考までに 載せておきます)]
第五編 相続
第3章 相続の効力
家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の管理人の選任
その他の相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。
ただし、相続人が一人である場合においてその相続人が相続の単純承認をしたとき、相続人
が数人ある場合において遺産の全部の分割がされたとき、又は第九百五十二条第一項の規定
により相続財産の清算人が選任されているときは、この限りでない。
理人を選任した場合について準用する。
前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の清算人を
選任しなければならない。
及び相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。
この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。
第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の清算人(以下この章において
単に「相続財産の清算人」という。)について準用する。
相続財産の清算人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産
の状況を報告しなければならない。
相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみ
なす。ただし、相続財産の清算人がその権限内でした行為の効力を妨げない。
相続財産の清算人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。
ばならない。
第九百五十二条第二項の公告があったときは、相続財産の清算人は、全ての相続債権者及び受遺
者に対し、二箇月以上の期間を定めて、その期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなけれ
ばならない。この場合において、その期間は、同項の規定により相続人が権利を主張すべき期間
として家庭裁判所が公告した期間内に満了するものでなければならない。
三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。
第九百五十二条第二項の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに
相続財産の清算人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。
前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、
被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これら
の者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。
前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。
この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。