学生時代にもっと勉強しておけば良かったなあ・・・と思う大人たち。
潤沢な時間と教授、図書館、ITインフラのあった学生時代、テーマ、課題を持って事に当たれば、かなりの専門性を高められたはず・・・。
そんな吐息が周りから聞こえてきます。
実際、簿記の出来ない商学部、英会話のできない英文学科、民法も知らない法学部・・・。
文系学部は、遊ぼうと思えば本を一冊も読まなくても卒業できるのではないかと思うほどです。
「経済と経営を楽しむためのストーリー」
学習院大学経済学部・経済経営研究所編 東洋経済新報社 1800円+税
学習院大学経済学部の40名の先生がたが、それぞれの専門分野の入口部分を熱く語った、経済学部一年生向け、経済学部志望者+その保護者向けに書かれた一冊です。
ともすれば、サラリーマン養成学部となりがちな経済学部・・・その学生たちをインスパイアするための取り組みだと思います。
1.経済政策と制度
2.市場の競争とイノベーション
3.経済活動の予測
4.お金の回る仕組み
5.人を活かす組織
6.世界経済と日本
6のパートから成り立つ同書は、40のストーリーから構成されています。
「医療制度が大きく変わる?医療制度改革と医療経済学」
「少子高齢化と公的年金制度 財政危機の理由と積立方式移行について」
「マクロ経済学は難しい?」
「生きること・働くこととキャリア」
「組織について考える」 ・・・・・・・・・
6ページ程度の解説に加え、それぞれのストーリーの最後に「さらに勉強したい人へ」という参考図書の推薦がされています。
ナビゲート機能として、とても便利です。
研究者としてではなく、教員として学生のために何かしようという取り組みは、学習院大学経済学部でも進んでいるようです。
とても良いことだと思います。
学生だけではなく、何となく日経新聞の字面を眺めている社会人も同書を読むことにより、気づきや新しい切り口が発見できるかもしれません。
分かりやすく解説された経済学・経営学の入門書として、なかなか優れものだと思います。