能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

外食の裏側を見抜くプロの全スキル、教えます 外食しても良いチェーン店とは?

2014年09月23日 | 本と雑誌

タイトルといい、装丁といい、デザインといい、編集といい、本好きにはチャーミングな一冊。

読みやすく、お徳な付録まで付いているという徹底ぶり・・・恐れ入りました!

食は、あまり興味のない分野なのですが、思わず購入してしまいました。

 

「外食の裏側を見抜くプロの全スキル、教えます」

河岸宏和著 東洋経済新報社 900円+税

 

著者の河岸さんは、「食のプロや業界関係者のあいだで食品業界を知り尽くしたと言われる男」。

1958年の生まれで、帯広畜産大学を卒業後、ハム会社等を経て、商品安全教育研究所の代表をつとめられています。ま

さに、食のプロフェッショナルです。


一見、バクロ本のようにも見えますが、日本の食の堕落ぶりを嘆く著者による渾身の訴えでもあります。

添加物問題や輸入食品問題、食品偽装問題など食を巡る様々な課題が噴出している昨今。

同書は、その中でも外食についての問題指摘を行っています。

「本当は袋とじにしたい・・・」そんな覆面食べ歩きのレポートは、読み物としても、とても面白い内容です。

 

「汚い店にうまいものなし」

「肉がどこまでも増える植物性タンパク質の衝撃」

「そば粉が1~2割しか入っていないそばは、もはや黄色いうどん」

「コンビニのおにぎりは新米を使っている」

「お持ち帰り弁当のご飯は2年前の古古米」

「焼き鳥は、ねぎまがあるかに着目する」

「ラーメン店に入ったら大きな寸胴鍋に注目」

「回転寿司のよしあしはイカを見る」・・・・・・・・・

 

直球での突っ込みは、なかなか切れ味するどく、同書を読むことによって食べれなくなるものも出てきます(笑)。

それでも、これでもかと出てくる著者の指摘には感心する次第です。

外食の達人として、「まずはずさない」お店を見抜く極意も紹介されています。

 

外観・内装編・・・第一印象を大事にする、店内は清潔か、厨房と段ボールを覗き見る、店の臭いに注意する、席やテーブル、内装、胡蝶蘭等に注意する


客席編・・・働く人の身なりをチェック(白衣、腕時計、指輪など)、ホールの人の反応を見る、テーブルの上に箸たてがある店はそれだけでダメ・・・

 

なかなか厳しい突っ込みに拍手、拍手です。


巻末には、特別付録として、同書の内容を6ページでまとめたチェックリストまで付いています。


同書の続編が出れば、また読みたいと思った次第です。

今年のオモシロ本の一冊にノミネートされるのではないでしょうか。

最後に、著者お薦めの全国チェーンリストから一部を紹介させていただきます。

外食するなら、こんな店なんですね。

 

カレー・・・COCO壱番屋

ファミレス・・・ロイヤルホスト

牛丼・・・吉野家

中華・・・餃子の王将、バーミヤン

回転寿司・・・スシロー、がってん寿司

トンカツ・・・和幸

うどん・・・丸亀製麺

ファストフード・・・ケンタッキー、サブウェイ、ミスタードーナッツ

コーヒー・・・スタバ

ベーカリー・・・神戸屋、ドンク

 

やっぱりそうか・・・という裏付けをいただけるリストでした。

著者の河岸さんの続編に期待しています。


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王選手が子供時代に野球をしていた少年野球場 日本のフィールド・オブ・ドリームス/墨田公園少年野球場

2014年09月23日 | スポーツ

キャッチボールだめ、もちろん草野球もダメ・・・。

そんな公園が増えてきたのは、いつからでしょうか?

公園の管理責任ということは分かりますが、それにしても残念な状況です。


子供たちは、DSやスマホでゲーム三昧。

複数集まっても、みんなゲーム機に夢中でコミュニケーションがありません。

そういえば、青少年の健全な育成・・・なんて言葉も死語となってしまいました。

 

東京の下町・墨田区向島・・・。

ここには、世界のホームラン王となった王貞治選手が子供時代に野球に取り組んだ「墨田公園少年野球場」があります。


入口のアーチの左側には、一本足打法の王選手のレリーフがはめ込まれています。

 

戦後の昭和24年・・・子供たちに夢を・・・ということで設置されたミニベースボールパークです。

当時、敗戦で食うや食わずだった昭和24年・・・。

地元の大人たちが設置した少年野球場は、まさに「フィールド・オブ・ドリームス」。


それから65年、このボールパークは今につながっています。

本当に素晴らしい取り組みだったと思います。


ここで野球をする少年たちもさることながら、

それを柵ごしに観戦する大人たちも戦後復興の希望を繋いでいたのかもしれません。


本当に明日のため、未来のために繋がるモノを作る・・・投資する、教育する・・・。

それは、今、行政や企業、個人に求められていることだと思います。

 

隅田川の河畔・・・今日も、少年少女たちが、白球を追っていました。

 

将来のメジャーリーガーやプロ野球選手が、ここから生まれてくるかもしれません。

ロマンを持った大人にならなければと感じた午後のひと時でした。


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セイコーミュージアム 企業博物館としてSEIKOスピリッツをしっかり伝える時計のアートミュージアム

2014年09月23日 | 美術館・アート

中学生になった時、親に買ってもらった腕時計。

ワクワク感と、どこか大人になったような気分で、とてもうれしかったことを覚えています。

買ってもらったのは、SEIKO。

日本を代表する時計メーカーです。


社会人になり、一時期TAGタグホイヤーを着けていましたが、今またSEIKOのクロノグラフを着けています。

アジアの友人から、「なぜ、日本には素晴らしい時計があるのに、スイスメイドなの?」という素朴な質問からでした。

そう、ニッポンには、SEIKOがあるのです。

 

「セイコーミュージアム」

・開館時間・・・10時~16時

・月曜日休館 祝日・年末年始休館

・入館料 無料

 

初めて訪れました。

場所は、なんと墨田区の向島。

なんでこんな所に・・・というところにあります。

東京スカイツリーから二駅。

下町の雰囲気がプンプン漂う中に、この博物館はあります。


一階では、親切な女性スタッフが迎えてくれます。

簡単な記帳をして館内へ。


一階・・・ミュージアムショップ 時と時計の進化 スポーツ計時体験コーナー

 

東京五輪2020でも、SEIKOの文字を見たいものです。

 

二階・・・セイコー創業の精神 セイコー製品史 日本有数の和時計コレクション


お奨めは、2階。

創業者・服部金太郎さんの服部時計店創業の歴史を写真と解説文で学ぶことが出来ます。

セイコーの原点が分かるとともに、関東大震災、世界大戦など激動する時代を駆け抜けたセイコー社の企業精神、ビジョンを知ることが出来ます。

 

セイコー社を一言でいうと、「真面目にコツコツ、時計技術のテッペンを目指すジャパニーズカンパニー」。

日本のものつくり企業を代表するメーカーだと思います。


また、手巻き時計、置き時計から、現代のセイコーアストロンに至る歴史は、地味ながらも日本の産業史でもあります。

世界初のクオーツウォッチの実用化、自動発電時計の開発・・・。

特に、機械式時計の頂点をきわめたスプリングドライブは、感動モノです。


MUSEUMは、美術館とも博物館とも訳されますが、セイコーの歴代の時計がこれだけずらっと並ぶと、それはまさに芸術品。

数千円のものから二千万円を超えるドレスウォッチまで、その美術的な価値を観るだけでも心が癒されます。

 

このミュージアムの2階は、時系列で製品展示をしてあるため、自分の歴史にオーバーラップさせることもあります。


そういえば、目覚まし時計は、ずっとSEIKOでした。

大学時代からピラミッドトークを使い始め、その後キュービックトーク・・・。

そして今は新ピラミッドトークで毎朝起きています。

 

ちょっとピンボケですが・・・。

確か、最初はゴールド色、次にシルバー色のものが発売されました。


今使っている新ピラミッドトークは白色です。

本当に懐かしいなあ~。

日本の家庭には、必ずあった時計たちです。

数字がパタパタと変わっていく時計を見て、思わず昭和の時代を思い出してしまいました。

 

そういえば、昔、折り畳みのトラベル時計がありましたよね。

 

時計作りの職人さんのプライド・・・世界のトップを目指そうという技術者魂が、手の上に乗る腕時計サイズに凝縮する。

それは結構迫力ある世界です。


近代日本の歴史とともにあるSEIKOの歴史。

セイコーミュージアムの展示は、よく表現していると思います。

日本の製造業の持つ真面目さ、真摯さを伝える施設であるとも言えます。


時代がデジタル一辺倒になる中、心温まるアナログの世界に癒されます。

が、SEIKO社も、このまま、スマホやタブレット、ウェアラブルなアップルウォッチなどに淘汰されてしまうのでしょうか。

そうなれば、ドレスウォッチや宝飾品としての時計で勝負・・・。

いやいやスウォッチ的な展開で生き残りをかける・・・。

SEIKO社のこれからの経営戦略、マーケティングは大変だと思います。

 

がんばれ!ニッポンのセイコー!!


セイコーミュージアムは、時計の持つアナログ感、人間の温もり、毎日接する親和性・・・時計というのは文化そのもの、人生そのものであるとも感じることの出来るスペースです。

今後もし出来るのならば、SEIKOを巡る画家、小説家、詩人、文化人などに関連する展示があってもいいかもしれません。

著作権や肖像権の問題もあるのでしょうが、展示の充実のために検討いただければと思います。


一度は訪れたい企業博物館です。


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