今から25年後の2040年・・・世の中は、どう変わっているのでしょうか?
時計を巻き戻すと、四半世紀前の西暦1990年・・・。
インターネット元年と言われるこの時期、世の中の仕組みが大きく変化し始めました。
そして、21世紀。
立体造形の出来る3Dプリンタの出現。
これは、すごい!
3Dプリンタが世に出始めた頃、これは日本のものづくりにとって大きな脅威となると感じていました。
CAD、CAMも「ものづくり」の世界を激変させましたが、この3Dプリンタは、それらを凌駕する破壊力を持っているように思われました。
時代は、ちょうど、インテグラル(すりあわせ)型からモジュラー型に移行しつつある時で、日本のものづくりに陰りが出始めた時期。様々な部品、パーツを世界最適調達し、それを組み立てるだけ・・・そんなものづくりが跋扈し始め、台湾、韓国、中国などが日本のマーケットを侵食し始めました。
そんな中、米国では、3Dプリンタ技術が進化、様々な分野での応用が展開されています。
IoT(internet of things)がキーワードになる昨今、この3Dプリンタ技術は、さらにモノづくりの世界を大きく変えることになると思います。
2040年の新世界 3Dプリンタの衝撃
ホッド・リプソン/メルバ・カーソン著 斉藤隆央訳
東洋経済新報社 2200円+税
著者のホッド・リブソンさんは、コーネル大学工学部准教授。
クリエイティブマシーンズ・ラボを立ち上げ、3Dプリンタ、プロダクトデザイン、人工知能などの研究を続けています。
彼が書いた新刊が、500ページに及ぶ同書。
3Dプリンタが、今、どうなっているのか?どんな分野で使われているのか?
今後、どうなっていくのか?を明らかにしていきます。
目次
1. なにもかもSFになる
2. ほとんどなんでも作れるマシン
3. デザインと製造の変革 良い・早い・安い
4. 明日の仕事と経済はどう変わる
5. 層を積み上げる 機械的な仕組み
6. 次世代のデザインソフトを求めて
7. 生体インクでバイオプリンティング
8. 食のデジタル フードプリンティング
9. 教室の中の工場 新しい学びの扉が開く
10.新たな美 制約からの解放
11.グリーンでクリーンなものづくり
12.所有権、安全性、法律のニューフロンティア
13.未来をデザインする発想とツール
14.この先に何が起こるか
蒸気機関や電信に匹敵するという3Dプリンタ技術。
その応用技術は、さらにバイオプリンティングやフードプリンティング・・・といった形で発展を続けています。
生身の人間や食べ物にも、3Dプリンタが使われる時代が、目の前に迫っています。
キッチンにたくさんのチューブに繋がれたフードプリンタがあり、そこからコマンドどおりの食事が出てくる・・・考えただけでも、ちょっと気味の悪い世界・・・。
いっぽうでは、デザインや芸術、アート、文化などクリエイティブな世界にも応用できそう・・・。
こちらはちょっと楽しみ。
3Dプリンタから目が離せない昨今です。