「鬼の一倉」「日本のドラッカー」と呼ばれた一倉定(いちくら・さだむ)。
伝説の経営コンサルタントです。
最近では、日経BP社から復刻版数冊が発刊されています。
疫病や戦争、円安、インフレ・・・会社を取り巻く厳しい経営環境の今だからこそ、一倉経営学にスポットライトが当たっているのだと思います。
今年、一倉定研究家の伊藤彰彦さんが一倉定に関する新刊本を出されました。
なんと、一倉定の経営学を「図解」しようという取り組みです。
図解 一倉定の実践社長学 社長学マップ・・・強い会社をつくる哲学とノウハウ
伊藤彰彦著 あさ出版 1800円+税
目次
第1章 すべては社長の責任である 社長学を実践するための社長学マップ
第2章 三種の神器を揃える・・・お客様訪問・経営計画書・環境整備
第3章 ナンバーワン市場とお客様を向いた組織をつくる・・・占有率・ランチェスター戦略・蛇口作戦
第4章 増収増益を実現させる・・・未来の数字・年計グラフ・ABC分析表
第5章 高収益事業に成長し未来事業で発展する スクラップ&ビルドによる未来事業
同書の売りは、図解された社長学マップ。
一倉経営学を1枚のペーパーに落とし込んでいます。
実に明快で分かりやすいです。
最も大切なのが、社長の経営姿勢。
「責任感」「よい社長」「2つの姿勢(言葉・お客さまに対する態度)」。
「ポストが赤いのも、電柱が高いのも、すべて社長のせい」と喝破する一倉定。
それぐらいの責任感がなければ、会社がつぶれ、社員が路頭に迷うことになると指摘しています。
そして、その次の段階では、社長自ら「お客様訪問」「経営計画書(魔法の書)」「環境整備」すること。
地道でベタですが、これで会社の体質を強化し、お客様との距離を縮めていきます。
そして、「増収増益の実現」「組織の意識革命」を起こす。
ゴールは、「高収益事業への成長」と「未来事業の発展」・・・これは終点のないマラソン・・・ゴーイングコンサーンとしてエンドレスに続いていきます。
一倉定の経営コンサルティングを俯瞰し体系的に理解するには、とても良い入門書です。
アタマの整理に役立ちます。
中小企業診断士や税理士、社労士の方々にもお勧めの一冊です。