能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

サラリーマン出世術 ニッチの仕事にチャンスあり

2012年06月06日 | 日記・エッセイ・コラム

 私が尊敬しているサラリーパースンがいます。

 仕事は、あまり出来ないけれど(失礼!)、彼は気配り・心配りだけで取締役まで登り詰めました。しかも大手金融機関で・・・。バンカーとしてのスキル・能力は今一歩ですが、社長や役付き取締役の嫌がる仕事を一手に引き受け、ほぼ完璧に仕上げる・・・。渉外関係、調整や根回し、組織人として面倒な仕事を彼は見事に仕上げていきました。現代の植木等さん「スチャラカ社員」といった感じです。

 入行から係長までの期間が長かった彼ですが、課長以降は、まさにトントン拍子、部長、役員と昇進をし続けていきました。

 その戦術は、経営トップや役員が不快に思う仕事、面倒だと思う仕事を拾い、それを完璧なまでに仕上げるというキャリア戦術でした・・・。どんな場面でも相手を盛り上げ、感動の世界に引き込む・・・そして敵がいない・・・。サラリーマンの世界では理想的なポジションをキープし続けたのです。

 自分自身の位置、期待される役割、上司との関係性・・・、それらを理解しながら日々の仕事をこなしていく。それがサラリーマンの世界。宮使いの世界は結構大変です。

 状況をしっかりと把握し、日常の仕事を着実にたんたんとこなしていく・・・。そうした極めて単純なルールを把握し、それを現実の世界で行動レベルで展開していったのです。

 昇格昇進には、確かに運・不運もあります。

 そうした中で他者からの評価を受けるためには、真面目さ、まめな報告、勤勉さ・・・そうした姿勢が重要となります。さらに成果、業績が伴えばベストです。

 彼のさらなる活躍を願っているところです。


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一人の少年に勇気をもらった土曜日の午後

2012年06月03日 | 日記・エッセイ・コラム

 近所が騒がしい・・・。そういえば、今日は近隣の小学校の運動会。

 タバコを買いに行くついでに、立見席で見学。遠い昔の小学校時代の運動会と同じ空気が、そこにありました。近所の老人から弁当を抱えた父兄・保護者まで・・・本当にいろいろな人たちがいるもんだなあと社会見学する土曜日の午後・・・本当にのどかなものです。

 そんな中、運動会のプログラムは、小学校4年生による徒競走。

 約100メートルを、まずは女子、そしてそれが終わった後男子が走り始めます。一度に走るのは、4人。パン!というスターターピストルが鳴ると、それぞれが全力で走り始めます。そういえば、最近、全速力で走ったことがないよなあ、と思っていたその時、一人の少年が登場しました。

 スタート位置は、ほかの児童より20メートルほど前。頭には、転倒の時に傷つかないようにオレンジ色のギア。彼はハンディを負いながらも、一般の児童とともに徒競走に参加しているのです。

 スターターのピストルとともに、彼はスタート。両手をバタバタさせながら、うまくバランスをとりつつ全力で前に進みます。しかしながら、なかなか前に進めません。会場からは拍手がおこっていましたが、わたしは思わず「ガンバレ!」と声援。彼は、前の3人がゴールしたあと30秒ほどたってゴール。彼は、サポートする人もなく独力でゴールを目指したのです。

 コースの半ばから、彼は満面の笑顔で前に進みました。そのひた向きさ、全力を振り絞る姿に思わず涙。汗を拭くふりをしながら涙をぬぐった次第です。彼も今からさまざまな人生体験をしながら成長していく・・・しかもハンディキャップを抱えながら・・・。思わず発した「ガンバレ!」は、むしろそっちの方にあったのかもしれません。

 それに引き替え自分自身は、どうなんだという反省。彼のように、ひたむきに、全力でゴールを目指しているといえるのか?そんな感情を彼は引き出してくれました。勇気をもらった彼には感謝したいと思います。

 以前所属した組織は、障がい者雇用に積極的で、さまざまな職場に障害をもった方がいました。ハンディを持つ同僚から教わること、感じることはたくさんあり、社会は多様な状況にあることを知らされます。

 障がい者雇用促進法の改正で、法定雇用率は1.8%から2%に引き上げられるとのこと。本当に良いことだと思います。特例会社ではなく、いつもの職場にハンディをもった方がいる、それは職場内のコミュニケーションを活性化し、気配り、心遣いのある働く場所が醸成されるように体験的にも思います。

 わたしの子供たちは、6か年の中高一貫教育の学校に言っているのですが、そこは均質の世界。ある意味、社会から隔離された不幸な世界ということもできると思います。基本的に人は一人で生きられず、助け合いながら世の中で暮らしていく・・・そこの基本の基本の部分を体感的、経験的に学び辛いからです。

 健常者という言葉は好きではありませんが、ハンディを持つ人ももたない人も、ともに手と手をとって暮らしていける地域、働いていくことのできる職場をたくさん積み重ねていくことが大切だと、改めて思った土曜日の午後でした。


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媚びない人生 熱血教員ジョン・キム氏の叫び

2012年06月02日 | 本と雑誌

 「おまえたちは負け犬だ。今から生きていくためには、必死で学び、遊び、恋をしろ!」

 大学に入学した時、クラスの担当教員が言った言葉。結構ショックでした。第一志望で入った学生もいるのですが、彼は、現状で満足するな、上を目指せと言いたかったのだと思います。研究室に行くと、「これを読め」とデビッド・リースマン「孤独な群衆」、土居健郎「甘えの構造」、ヴィットゲンシュタイン「論理哲学論考」などを手渡されました。大学のアカデミズムとともに学びの面白さを教えてもらいました。その後、フランス政治史を専攻する彼は博士の学位をとり教授としてわたしが学んだキャンパスの教壇に立っています。自分自身、まだまだ、負け犬状態だと思うのですが、彼の発したフレーズは、今でもときどき勇気づけられます。

 「媚びない人生」を著したジョン・キム氏。

 熱い教員魂を感じ、思わず手に取りました。キム氏は、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ等で学び、現在、慶応大学准教授。写真を拝見する限り、かなりの若さ。なかなかのイケメンです。

 帯には、「従順な羊ではなく、野良猫になれ

 大学入学時にクラス担任に言われた一言がオーバーラップしてきました。重たい組織の代表である大学業界の中で、熱い想いをホンネで発するのは本当にすごいことだと思います。ロジカルシンキングやクリティカルシンキングといった論理や理屈が重視されている中、マインドやメンタル部分の強化、開発ということがあまり行われていないのではないかと思っている昨今です。そうした状況の中、「媚びない人生」の発刊は、価値ある出来事だと思います。

 この本の中で著者が言及しているのが「自己の内面の革命」。考え方、とらえ方、解釈の仕方を変えれば、自分の感情、思考、言葉、行動が変わってくるというもの。まさにその通りだと思います。

 この本を読んだ翌日、同書を三冊購入。子供たちや友人にプレゼントしました。今年のベストセラーランキングにも入ってくる一冊だと思います。

同書からキム教授の熱い言葉を紹介させていただきます。

「内面的な革命を起こしていくことで、自分の人生の指揮権を取り戻すことが出来る」

 

「富士山ではなく、エベレストを目指せ」

 

「孤独とは、自分と向き合う時間」

 

「成長に終着駅はない」

 

「不可抗力に逆らわず、可抗力の統制に集中する」

 

「普遍的な真実はない。社会的な真実があるだけ」

 

「絶対不可侵領域を持った自己を育てる」

 

「事前許可なしで動ける人間であれ」

 

「群れから離れる」

 

「超ガラパゴス人間になる」

 

「社会を知らずに仕事を選んでいることに気づけ」

 

「思いつきは99%実現しない」

 

「緊張を楽しむ」

 

「すぐには役立たない本を選べ」

 

「瞬間を生きる。次の瞬間死んでもいいように」

 この本は、キム准教授のゼミナールの最終講義で語られる内容がベースになっているとのこと。この講義を受けられる学生さんたちは、本当に幸せだと思います。

自分自身を確立する・・・自立・自律・・・自分らしさ。

ゴールのない自分探しよりは、著者の語る内面の革命の方が、はるかに実現可能性が高いし、行動に結びつく起爆剤になると考えます。

「媚びない人生」 ダイヤモンド社 1300円+税


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